マリインスキーバレエ 「イワンと仔馬」を観る2009/12/09



      2009年12月8日(火) 19時開演
  振付:アレクセイ・ラトマンスキー
  指揮:ワレリー・ゲルギエフ

     《キャスト》
  姫君:アリーナ・ソーモワ
  イワン/皇子:レオニード・サラファーノフ
  仔馬:グレゴーリー・ポポフ
  侍従:イスロム・バイムラードフ
  皇帝:アンドレイ・イワーノフ
  雌馬/海の女王:エカテリーナ・コンダウーロワ
  大きな馬たち:アンドレイ・エルマコフ
         カミーリ・ヤングラゾフ

「イワンと仔馬」は二晩公演しますが、8日は特別だそうです。
というのも、指揮がゲルギエフさんだからとか。
私、クラッシックは好きですが、あまり指揮者とか知りません。
パンフレットを見ると、すごい人だということがわかりました。
でも、8日しか行かないから、普通の指揮者だとどうなるのかわかりません。
日本のオーケストラよりも音が大きく、メリハリがあったかも・・・。

さて、あらすじは。
二人の兄達とイワンが家にいると、父親が帰ってきて、畑が踏み荒らされている。犯人をなんとかして捕まえなければならない。そう言って息子たちに畑の見張りを言いつけます。兄達はお馬鹿なイワンを置いて、畑に行ってしまいます。
 
イワンはたったひとりで畑に行き、見張りをしました。
そこへ1頭のきれいな雌馬がやってきます。彼女が畑をだいなしにしていたのです。イワンは雌馬を捕まえます。
捕まった雌馬は2頭の大きな馬と特別な力を持ったこぶのある仔馬をあげるから離してくれといいます。
そこに火の鳥が舞い降りてきます。イワンは火の鳥を追いかけます。
兄達が畑にやってきて、二頭の大きな馬を見つけ、さらっていきます。
火の鳥の羽を持ってイワンが畑戻ってみると、馬がいません。
イワンが悲しんでいると仔馬が馬をさらった奴らを追いかける手助けをしてくれると言います。
馬をさらった兄達は広場に行って、馬を売ろうとします。
そこに皇帝がやってきて、馬を気に入り買おうとします。
その時、イワンが仔馬とやってきて、兄達から馬を取り返します。
どうしてもこの馬が欲しい皇帝は、侍従の帽子と引き換えに馬を買うことにします。

場面は変り、おなかいっぱいになった皇帝が眠っている部屋の入り口でイワンも眠っていました。
侍従は寝ているイワンが火の鳥の羽を持っているのを見つけ、羽を盗みます。
そして皇帝に羽を見せます。
皇帝が羽に見とれていると、火の鳥と姫君の幻影が見えてきます。
皇帝はこの姫君に心を奪われ、彼女を見つけて連れてくるようにと命令します。
侍従はこの命令をイワンに伝え、イワンは姫君を探しに行くことになります。
 
イワンと仔馬は火の鳥たちが住んでいる世界の果てに行くことになります。
火の鳥を捕まえようとしますが、失敗してしまいます。
しかし、そこに姫君がいて、イワンのことが気に入ったみたいです。
姫君はイワンと一緒に都に行ってくれることになります。

姫君を連れて宮殿に戻ると、皇帝は姫君と結婚すると言い出します。
姫君は皇帝に海底にある宝石のついた指輪がなければ結婚しないと言い出し、皇帝は困ってしまいます。
侍従は皇帝にイワンを探しに行かせればいいと勧めます。
 
今度は海底に行くことになったイワンと仔馬です。
海底に行っても指輪はどこにもありません。
しかたなく海の王女に助けを求めます。そうすると海の住人たちが指輪を持ってきてくれました。
イワンが指輪を持って宮殿に戻ると、指輪を取り上げられ、もう用がないと言って追い払われました。

皇帝はすぐに結婚したがりますが、皇帝と結婚したくない姫君は、若くてハンサムな夫でないと結婚したくないと言って皇帝を困らせます。
皇帝にぐらぐら湯の煮え立つ大釜の中に飛び込めば、ハンサムで若い姿になれるとそそのかします。
侍従はイワンで試してみるようにと皇帝に勧め、イワンは大釜に落とされますが、仔馬が魔法をかけたので、なんとハンサムな若者に変身します。
それを見た皇帝は自分もそうなろうと、煮えたぎる湯のなかに飛び込みますが、魔法がかかっていないので、死んでしまいます。
皇帝が死んでしまったので、新しい皇帝が必要になります。
イワンが皇帝に選ばれ、姫君と結婚することになります。
めでたし、めでたし。

まあ、なんというか、たわいのない話です。
イワン役のサラファーノフはイワンにぴったりでした。
小柄でかわいくて、生き生きとしていました。仔馬と跳ね回る姿なんか、もうかわいくて、かわいくて。
ガラではアリをやるらしいですが、アリは全くタイプではないと思います。
前に見たことがありますが、身体が小さく童顔なので、アリよりもイワンの方がキャラクター的に合うでしょう。

姫君役のソーモワは愛くるしいという言葉そのもの。サラファーノフといいコンビです。おさげ髪がかわいらしいです。

馬たちの動作がおもしろくて、まねがしたくなりました。雌馬の人カッコいいですね。
仔馬とイワンが一緒に踊るところが好きです。ホント、二人とも軽々と跳ぶんですよ。

衣装や舞台装置がちょっと昔風で、海の住人なんか不気味でしたが、楽しめる舞台でした。
といって、私の好みかと言われると・・・。
ラトマンスキーの振付としては、私的にはボリショイで見た『春の小川』の方が好きです。