海堂尊 『ナイチンゲールの沈黙』2010/07/01

図書館から一遍に海堂尊の本を三冊借りたので、えらいことになりました。というのも、二作目の『ナイチンゲール』と三冊目の『ジェネラル・ルージュ』が混ざってしまったのです。つまり『ナイチンゲール』を三分の一読んだぐらいから間違って『ジェネラル』を読んでしまったのです。それでもつじつまがあってしまいました,笑。

ナイチンゲールというと看護師ですね。今回は看護師が事件の大きな要になります。


忘年会の後、東城大学医学部附属病院小児科病棟に勤める看護師、浜田小夜は友人の救命救急センター看護師の如月翔子と町をうろついている時に、ひょんなことから有名な歌手水落冴子のライブに誘われます。
冴子はライブ中に大量に吐血し、翔子と小夜が彼女を助け、附属病院の田口が当直を務める神経内科病棟のVIP病室・通称「ドア・トゥ・ヘブン」に入院させます。

小夜の担当に網膜芽腫(レティノプラストーマ)という眼球に発生する癌を患っている2人の子供がいました。一人は5歳のアツシで、彼には優しい母親がいました。もう一人は14歳の牧村瑞人。父親は失業しており、子供のお見舞いにも来ないのです。この病気にかかると、眼球を摘出する以外に治すすべはありません。
小夜たちは目を失くす子供たちのメンタルサポートを不定愁訴外来の田口のところに頼むことにします。
その一方、年内に手術をしなければならないため、小夜はなかなか病院に来ようとしない瑞人の父親に会いに行きます。しかし、父親は手術なんかしなくてもいいと言い張ります。
その後しばらくして、手術の同意書を取りにくるようにと、父親から連絡がありました。小夜は早速父親に会いに行きます。

小夜が二度目に会いに行った日の夜、瑞人の父親は自宅のアパートで内臓がバラバラに取り出された死体となって発見されます。
警察庁から桜宮警察署へ出向中の加納と桜宮警察署捜査一課警部補玉村が瑞人の話を聞きに小児病棟にやってきます。

なんと加納は、あの白鳥圭輔と大学が一緒で、麻雀をした仲。
なんだか知らないけれど、いつのまにか白鳥まで登場してきて、歌が事件解決を導くことになります。

二作目は『チーム・バチスタ』ほどの冴えはありません。殺人事件を入れるより、医療事故に関する事件を扱った方がおもしろいんではないでしょうかね。