リアン・スウィーニー『猫とキルトと死体がひとつ』2010/07/14

マーシーという小さな町の湖畔の家に引越し、慣れる間もなく、十ヶ月前、夫に先立たれた、三匹の猫と一緒に暮らしているキルト作家ジリアンの新しいシリーズです。


ジリアンが作っているキルトは猫用。アメリカでは猫用キルトなんかが商売になるんですねぇ。
ジリアンの飼っている猫たちは、ハリケーン・カトリーナが来た時に被災し、飼い主がいなくなったびでジリアンと夫のジョンは彼らを引き取ったのです。彼らはそれぞれアビシニアン(名前:シラー)、ヒマラヤン(名前:シャブリ)、メインクーン(名前:メルロー)の純血種です。と言っても、私は猫の猫種について知らないのですが。写真を見ると、あれかぁとわかります。特にアビシニアンがかわいいです。

ある日、ジリアンが出張から戻ってくると、家に泥棒が入ったようです。盗まれたものは、愛する猫、アビシニアンのシラーです。
警察に電話をして、家に来てもらったのですが、エベリング巡査は盗まれたのが猫だと知ると、とたんに興味がなくなった様子。一緒に来たキャンディスという女性巡査は猫好きらしく、親身になってくれます。
キャンディスとはいい友達になれそうです。

警察がシラーを捜してくれそうもないので、ジリアンは”尋ね猫”のチラシを作り電柱や道路標識、立て札に貼り付けました。
動物保護施設<マーシー・アニマル・サンクチュアリ>にも行ってみます。そして、そこでフレイク・ウィルカーソンという男が猫を盗んでいるのではないかということを聞きつけます。
やめればいいのに、ジリアンはウィルカーソンに会いにいきます。

愛猫家ってどうしようもありませんね。私はそれほど猫を愛していない(好きだけど)ので、ジリアンの気持ちはわかりません。どちらかというと、そこまでするのって感じ。
シラーを愛する彼女の気持ちが強すぎ、結局は事件へと顔を突っ込むことになるのです。愛猫家って無謀ですね。

とにかくこの本を読むと、絶対に猫を飼いたくなりますよ。
たまには読みたくなる、ほっと一息できるコージー・ミステリの一冊です。