リーズ・ボウエン 『押しかけ探偵』2010/07/06

なんか変な題名のミステリーです。実はこの本は第二作目。そうとはしらずに買ってしまいました。


主人公のモリーは1900年代初頭にアイルランドからアメリカに移住してきた女性です。どうもアイルランドで人を殺し、いられなくなり、アメリカに移住して来たようです。一作目を読んでいないので、そこのところは詳しくわかりませんが。

一作目でもなにやら殺人があり、モリーが活躍し、その関係からニューヨーク市警察の警部、ダニエル・サリヴァンと仲良くなったようです。
モリーはダニエルからお金持ちの老婦人の話し相手をするという仕事を紹介されますが、その夫人と話しているうちに、ダニエルが婚約していることがわかります。そのため、モリーはダニエルとはもう会わないと決心します。

自分にできそうな仕事を考えてみると、探偵がよさそうです。生き別れになった家族を探すということならできそうですから。それで、バディ・ライリーという私立探偵に弟子入りをしようとしますが、断られます。それでめげる様なモリーではありません。探偵助手というよりお手伝いさんという感じでライリーの事務所に押しかけます。
ライリーの見よう見まねで探偵の仕事を何とか覚えようと考えていたのですが、そうは上手くいきません。なんとライリーは何者かによって殺されてしまいます。
ちゃんと調べようとしない警察にガッカリし、モリーは自らライリーが何故殺されたのか探ろうとします。

モリーのいいところは、男性に頼ろうとはせずに、自立しようとするところです。新しい女性です。
活気のあるNYの様子もいいです。
ひょんなことから知りあいになり、部屋を借りることになるオーガスタ・メアリー・ウォルコットが出てきます。彼女は「ボストンのウォルコット家」と自分のことを紹介していますが、『若草物語』を書いたオルコットとは関係あるんでしょうかね?

三作目はまだ翻訳されていませんが、アンソニー賞の歴史ミステリ賞を取ったそうなので、1900年代のアメリカがよく描かれているのでしょうね。アメリカでは9冊も出版されていて、10作目がそろそろ出版されるようです。おもしろいシリーズになりそうです。