「シャガール―ロシア・アヴァンギャルドとの出会い」@東京藝術大学美術館2010/07/24

今日のGoogleは、なんとミュシャ。彼の生誕150周年だそうです。


ワァー、素敵。明日になると消えてしまうのがもったいないので載せときます。
 
ポンピドー・センター所蔵作品展ということで、昔の記憶を思い出しているのですが、どうもシャガールのことを覚えていません。いろいろと変った作品が多かったので、いい加減に見ていたような。

シャガールは1887年旧ロシア帝国現ベラルーシ共和国に生まれました。展覧会の写真を見てわかるようにユダヤ系です。
サンクトペテルブルクの美術学校で学び、1910年にパリに行き5年間滞在します。
ロシアに戻って、1915年ベラと結婚。
1923年、再びパリへ。しばらくパリで暮らしますが、1941年ナチスの迫害を避けるためにアメリカに亡命。
その三年後、愛妻ベラは亡くなります。
1947年、パリへ戻り、フランス国籍を取得し、その後フランスで暮らします。
ユダヤ系であったため、亡命せざるおえませんが、彼の一生をみると家庭的には幸せだったようです。
パリで暮らしながらも、故郷ベラルーシュの風景が彼の作品に多くみられます。
故郷での幼年期もいい思い出なのでしょうね。

<第一章:ロシアのネオ・プリミティヴィスム> 
1910年パリに滞在する前後の絵、「自画像」、「死者」、「アトリエ」など5点が展示されています。
「アトリエ」にはゴッホの影響、「死者」には後の彼の作品に表れる幻想的な画風が垣間見られます。意外と彼の初期の作品には暗い色が使われているようです。

一緒に展示されているのが、ロシアの前衛芸術家のゴンチャローワとラリオーノフの作品です。ラリオーノフの風景画を見ていると、「ポスト印象派」展で見たセザンヌとナビ派を思い出しました。
 
<第二章:影と光―ロシアの芸術家たちとキュビスム>
 
        1911年 《ロシアとロバとその他のものに》

この絵は有名なので、何回も見たことがあります。
パリにやってきたシャガールが何を描こうとしたのかは詳しく知りません。
ロバ(牛?)の目つきといい、首が飛び、体に穴のあいた女性といい変った絵です。右下の教会から故郷を描いていることがわかります。

キュビスムになると、私の思考が停止します。まったく何がいいのかわかりません。絵を極めていくと、行かざるえないのでしょうが。

<第三章:ロシアへの帰郷>
パリからロシアに戻り、1915年にベラと結婚した後の作品。
ベラが登場しています。

                                    1916-1917年《緑色の恋人達》
          
結婚し、幸せいっぱいだったのでしょうが、仕事面ではそうでもなかったようです。教えていた美術学校では、カリスマ性のあるマレーヴィッチに生徒を奪われたと会場の説明に書いてありました。
結局彼との対立から学校にいられなくなった様子。
マレービッチって誰?彼の写真が何枚かありましたが、そんなにイケメンではないし、彼の作品はどこ?探してもありません。
唯一複製の建築作品が4点ほどありました。石膏でできているので、真っ白い変な建物という印象でしかありません。
彼のどういうところが生徒を引きつけたのか、気になります。
 
他にカンディンスキーとジャン・プーニー(彼も誰?)の作品が展示されています。

<第四章:シャガール独自の世界へ>
1910年代の作品から急に1930年代以降に飛んでしまいます。これこそシャガールという作品ばかりです。
赤と青が印象的です。
愛妻ベラが亡くなった後に描かれた『彼女を巡って』では頭部が逆転しています。ベラの死後9ヶ月も絵が描けなかったという彼の悲しみの表れでしょうか。

            1945年 《彼女を巡って》

この絵とは対象的なのが、「日曜日」です。
亡命先のアメリカからフランスに渡ってから結婚した再婚相手との幸せな生活が描かれています。
下にはパリのエッフェル塔とノートルダム(?)、セーヌ河。色は黄色とオレンジ、白。
ベラは落ち着いた女性で、再婚相手は陽気な人だったのでしょうか?それともロシアにはもう戻らないと決心した彼の心の現われなのでしょうか。
シャガール、90歳の時の作品、「イカルスの墜落」がこの展覧会最後の作品です。
 
<第五章:歌劇「魔笛」の舞台美術>
最終章にはなっていますが、展示会場の面からいうと最後ではありません。
1964年にメトロポリタン歌劇場のこけらおとしのためにシャガールに「魔笛」の装飾と衣装の素案が発注されました。その時の絵です。

 
実際の舞台の写真が白黒だったので、残念。
これらの絵からどういう風に実際の舞台や衣装を作っていったのか興味があったのですが。

絵を見た後には美味しいものを食べようということで、谷根千付近を散歩している時に前を通り、一度入りたいと思っていたレストラン「ペペルモコ」に行きました。
おすすめランチ2625円。スープ(ガスパッチョかヴィシソワーズ)か前菜(パテ)、魚(あいなめ)か肉(ポーク)、プティデザートの盛り合わせかチーズ、飲み物(珈琲か紅茶)。
私が頼んだのはガスパッチョと魚料理、プティデザートの盛り合わせ、珈琲。


メインの魚料理はバルサミコスのソースでした。
まあ、全体的に普通の味でまた行くかどうかは微妙。
谷根千と上野付近ではなかなか西洋料理でいいレストランが見つかりませんわ。

来週は西洋美術館に行こうと思っています。