中山七里 『さよならドビュッシー前奏曲』2012/06/02

ある所に行く途中、秋津駅で乗り換えました。小さな駅だと思ったのに、結構人が歩いています。びっくりしたのが、安い居酒屋さん。私が見たのは三軒ほどなのですが、昼間だというのにたくさんお客さんがいて、飲んでいるのです。
焼き鳥90円って安いですよね。混んでいなけりゃ、食べてみたかったですわ。



さよならドビュッシー』の前にあったことが明らかになるのが、この本です。
副題に「要介護探偵の事件簿」とあるように、主人公は『さよならドビュッシー』で火事で死ぬおじいちゃんの香月玄太郎です。

玄太郎は「暴君で傍若無人、癇癪持ちで言葉遣いが乱暴で、粗野で頑固、諦めが悪くて考え方はナウマン象より古い」というとんでもない人で、脳梗塞で倒れたにもかかわらず、プラモデルを作るという変わったリハビリで驚異的な回復を見せた人です。残念ながら下半身は動かなくなってしまいましたが、上半身は大丈夫。
そんな彼が活躍する短編が5作入っています。

『さよならドビュッシー』と『おやすみラフマニノフ』で探偵役をする岬洋介もちょっと登場します。

『さよならドビュッシー』よりもおもしろいと思いました。
ただ単に、ドビュッシーに出てきた人が出ているだけで、たいした繋がりはありません。『さよならドビュッシー』を読んでいなくても全く問題ありません。
玄太郎さん、いいです。彼の頑固なおやじ風なところが爽快です。
彼の活躍をもっと読みたいと思いましたが、もう死んじゃっているので、これが最後なのでしょうね。