『マノン』@新国立劇場バレエ2012/06/24

2014/2015シーズンの芸術監督が変りますね。ビントレーは多忙なのを理由に断ったとか。これからこのバレエ団がどうなるのか、ちょっと心配です。


6月23日(土)14時開演
振付:ケネス・マクミラン
音楽:ジュール・マスネ

マノン:サラ・ウェップ(ヒューストン・バレエ)
デ・グリュー:コナー・ウォルシュ(ヒューストン・バレエ)
レスコー:古川和則
ムッシューG.M.:マイレン・トレウバエフ
レスコーの愛人:湯川麻美子
娼家のマダム:堀岡美香
物乞いのリーダー:吉本泰久
看守:厚地康雄

ポスターの写真は今回出演する人たちのではないそうです。男のダンサーはロバート・テューズリーだとか。何故でしょうか。

第一幕:
<一場>
パリ近郊の宿屋に馬車が到着し、マノンが老紳士と共に降りてきます。修道院にはいる妹のマノンに会いにきていたレスコーは老紳士がマノンのことを気に入っているのを見て取引をします。
マノンはデ・グリューと出会い恋に落ち、老紳士からもらったお金を持って二人で駆け落ちをします。
この時いた富豪のG.M.はレスコーにマノンに感心があることを伝えます。レスコーはG.M.の財産目当てにマノンを受け入れさせると約束します。

<二場>
デ・グリューの下宿に落ち着いたマノンですが、デ・グリューが留守の時にレスターとG.M.が現れ、マノンを説得します。マノンは誘いに応じることにします。

第二幕:
<一場>
高級娼家でパーティーが開かれていました。そこにマノンとG.M.が現れ、しばらくしてデ・グリューとレスコーもやってきます。
デ・グリューはマノンに共に逃げようと言いますが、彼女はカードで儲けてからだと言います。しかし、デ・グリューがいかさまをやっていることが知られてしまい、デ・グリューとマノンは逃げ出します。

<二場>
デ・グリューの下宿で互いの愛を確かめますが、そこに警察を連れたG.M.がやってき、マノンを売春容疑で逮捕します。諍いの最中にレスコーは殺されてしまいます。

第三幕:
<一場>
マノンは船でニューオリンズに送られます。デ・グリューはマノンの夫を装い後を追います。
看守はマノンに感心を持ちます。

<二場>
看守はマノンを部屋に連れ込み、彼女を口説きます。そこにデ・グリューがやってきて、看守をナイフで刺してしまいます。

<三場>
マノンとデ・グリューは追手から逃れ、沼地へとたどり着きます。マノンは倒れ、命尽きてしまいます。

バレエの『マノン』はファム・ファタールという感じはありません。その反対に男によって人生を破滅させられた女です。
彼女の美貌が男を引き付けるのでしょうか。
マノンは自分の欲望に忠実に従っただけの、ただの世間知らずの女のように見えます。

二幕まではあまり感情移入できませんでした。
しかし、三幕のニューオリンズの場から彼女の悲しい運命を感じられるようになりました。

衣装や舞台が素敵でした。
日曜日なのに座席が空いていて、ザハロワのような知名度のあるゲストではないとお客は呼べないのかもしれませんね。
そういえば入り口にいつもは素敵なお花が活けてあったのに、今回はありませんでした。
どこも経費削減なのでしょうかね。

この演目は英国ロイヤルバレエで見たかったです。たぶんロイヤルならフランスの退廃的な感じがもっと出たのではないでしょうか。