ジェフリー・ディーヴァー 『バーニング・ワイヤー』2012/11/02



待望のリンカーン・ライム・シリーズです。

路線バスに乗ろうとした乗客が突然の閃光と業火に包まれ死亡しました。
何者かが変電所に細工をしたため電力が一つの変電所に集中、爆発的な放電が発生したのです。
犯人は電力会社にニューヨーク市への送電を予告なしに50%削減することを要求してきましたが、電力会社は犯人の要求を飲めません。
次のターゲットは・・・?
リンカーン・ライムはFBIと国土安全保障省の要請を受けて捜査に乗り出します。

そのころ、宿敵たる天才犯罪者ウォッチメイカーがメキシコで目撃され、カリフォルニア捜査局のキャサリン・ダンスとともに、ライムはメキシコ捜査局をサポートし、ウォッチメイカー逮捕作戦を進めていました。

電気に関する何の知識もないので、読んでいて理解しにくいところもありましたが、電気の怖さはわかりました。
いろいろな殺人の手段を創作していく力にはいつも感心しています。
でも、このシリーズを読み過ぎたのか、パワーが落ちてきたのか、前ほどのめり込んで読めなくなりました。
慣れって怖いですね。
次はもっとすごいことで脅かしてもらいたいですわ。

谷保天満宮おかがら火(庭燎祭)とうそ替え神事2012/11/03

国立市では一橋大学の学園祭と共に天下市が開かれています。
国立駅から大学通りにかけてずらっと露天が並び、バーミアン付近には国立市にある店も出店しています。
狭い道に人がいっぱいいて、花見の頃以上の人出のようです。

駅から大学通りを40分ぐらい歩くと谷保天満宮に着きます。
今夜は18時からおかがら火が焚かれます。
天満宮のHPによると、「本社拝殿の前に高さ3メートルにも及ぶ2基のマキの山を積み、午後6時に一斉に点火します。 炎の高さを競い御神木の転倒を防ぎ合う、関東における奇祭の1つと言われています。おかがら火にあたると悪い病気にかからないと言い伝えられています。この行事は養和元年(1181年)11月3日に天神島から現在の地に谷保天満宮が遷座した際、その残木を神前で焚き上げたことから始められたと言われています」とのことです。




炎が勢いよく昇り、消防士たちが側にある木に火が移らないようにと水をかけています。
用事があったので、六時半過ぎに境内に着いたのですが、炎は全く衰えていませんでした。
ただ火を見つめるだけに集まった人たちは思ったよりも少なかったです。
火を見つめていると、何やら不思議な気持ちになってきます。心が原始の頃に戻り、揺さぶられる感じです。
無料の団子汁がふるまわれていましたが、ちょうどなくなった後で、10分ぐらい待たないと食べられないということなので、残念ながらいただけませんでした。

同じ日にうそ替え神事も行われています。


写真のようなかわいらしい「うそ鳥」を「他の参拝者と交換し合うことによって、その年心ならずも話したり行ったりしてしまったうそやいやなことを帳消しにし、うそとして吉にとり(鳥)替える、とされています」。

下の穴におみくじが入っています。
「うそ鳥」を買うと、巫女さんが別の「うそ鳥」と取り換えてくれます。
一緒に行った夫とも替えるといいと言われたのでそうしましたが、巫女さんが替えてくれたから、それでいいような気もしました。何回か替えると、それだけうそやいやなことが帳消しになるのかな?
今年はそんなに嘘もつかなかったし、いやなことも多くなかったのですけれど。
おみくじは大吉。「自分の仕事に熱中すること」ですって。
旅行はどこに行ってもいいそうなので、出来る限りしたいですね。

8日には大鷲祭で開運熊手が買え、夜には大熊手を売る酉の市が開かれるようです。残念ながら平日なので、行けそうもありません。
12月2日には旧車祭でクラッシックカーやアンティークカーが境内に集まるようなので、見に行こうかと思っています。

2回目のトリミング2012/11/04

毛が伸びてきたので、2回目のトリミングに行きました。
毎日ブラッシングをしてきたのですが、未だにブラッシングが嫌いなようなので、ちょっと心配でした。


毛が短くなって、すっきりしました。
後ろ姿はこんな感じです。


毛玉もできていなくて、前回よりも大分いい子になったそうです。
たぶん「内弁慶外味噌」ですかね。
今のところ月一回のシャンプーでいいそうです。

トリミングをしたので大分疲れたようで、ハウスの中に入り寝ています。
前は私がいるとずっと見ていたのに、この頃はハウスで寝ることが増えています。

アカデミー賞受賞作品を観る2012/11/06

映画館で見ようと思ってもなかなか見られなかった作品がDVDになっていたので借りて見てみました。
最初は『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』。
これは題名を見てガッカリ。「鉄の女の涙」なんてなくてもいいじゃないの。


女で、雑貨商の家に生まれたということで政治家として下に見られながらも上を目指していったサッチャーの強さ。
自分の信念を突き通し、たとえ誰も支持してくれる人がいなくなっても諦めない。
並みの人には真似できません。
家庭を犠牲にしてまで闘いぬいた彼女を支えたのは、夫のデニスだったのでしょう。
認知症になってもデニスを求め続ける彼女の姿に悲しみを感じました。

次の映画は同僚が貸してくれたものです。
貸してくれなきゃ、たぶん見なかったでしょう。
『アーティスト』です。


内容はたいしたことがないです。
サイレント映画で人気者だった男優がサイレント映画にこだわったため落ちぶれていき、彼を愛する新人女優はトーキーで人気を得ていきます。
彼女は彼を陰で助けていきますが、それが男に知られてしまい・・・。

白黒でサイレント映画そのままで撮ったことに意義のある映画なのでしょう。
アカデミー賞をとるほどのものかどうかは・・・。

私がこの映画を見てよかったと思ったのは、犬です。


この犬の演技の達者なこと。
リードなしで飼い主の後をちゃんとついていくのです。
ヨーロッパやアメリカなどでは犬の躾ができているからこそできることなのでしょうね。
彼はジャックラッセルテリアで名前はアギーだそうです。
“犬”版アカデミー賞と言われる第1回ゴールデン・カラー賞(金の首輪賞)というものがあり、彼が見事、この賞を取ったそうです。

家のフランシスもこの犬のようにお利口になるように躾てみますわ。

矢崎存美 『刑事ぶたぶた』2012/11/08

前に(たぶん)絶版になっていて買えなかった、ぶたぶたシリーズ物です。


何故かぶたぶたさんが刑事になっているのです。
どうやってなったのでしょう。
警察官って一応公務員よね。試験に合格したのよね。
警察官って筆記試験だけではなくて、実技試験もあるわよね。
ぶたぶたさんは柔道とか剣道出来るのかしら?
柔道は無理よね。

ぶたぶたさんですから、普通の刑事のやることをやっているわけではありません。
例えば、銀行強盗がに立て籠もると、新米刑事の立川にぶたぶたさんは「僕をつぶして」と頼んでいます。
子どもが大切なことを刑事に話したいと言うと、ぶたぶたさんが呼ばれます。
犬が高価なネックレスをしていると、またまたぶたぶたさんが呼ばれます。
デパートのおもちゃ売り場のぬいぐるみに針が入れられていると、もちろんぶたぶたさんの出番です。

意外とぶたぶたさん、使えます。

でも、一番ぶたぶたさんに合っている職業はコックさんだと思います。

乃南アサ 『駆けこみ交番』2012/11/10



ボクの町』では警察官なりたてだった高木聖大が、本採用になり世田谷区等々力の交番勤務になります。
お調子者の聖大ですから、特にこれといった事件のない今の交番勤務がおもしろくありません。
先輩巡査は情緒不安定の4歳年上の藤枝。何か気に入らないことがあると、ネチネチ嫌みを言うし、当り散らすし、やりたくない仕事は回されるし、扱い注意の人物です。
早くこんな所、でたいと思う聖大でした。

そんな聖大でしたが、楽しみがひとつありました。
品のいいおばあさん文恵のお話相手です。
文恵に好かれた聖大は、彼女を中心とする老人グループ、その名も「とどろきセブン」と付き合うことになります。
まあ、始めは一緒にご飯を食べるぐらいだったのですが、何やらいいように使われるようになりつつあります。
知らぬは聖大のみ。老人は怖いですわ。

谷中を舞台にした女二人の物語『いつか陽のあたる場所で』に出てくるお回りさんが聖大なのだそうです。
等々力の不動尊交番から谷中に異動したのですかね。
お調子者の聖大が、どんな警察官になるのか、楽しみです。


実家では猫を飼いだしたようです。スコテイシュフォールドという猫で、10か月で3キロ以上もあるそうです。
家の犬の二倍の大きさです。すごい。
猫ってこんなに大きかったかしら?


毛がフサフサで手足がムチムチ。重そうな猫です。

我家の犬は今日散歩をしましたが、疲れたのか抱いて抱いて攻撃があったので、最後の10分は抱かなければなりませんでした。
自分で歩きたいのなら抱いていると暴れるものね。
なんか気持ちよさそうに抱かれていました。

ちゃんとお座りします。


抱かれて嬉しいのかな。


最後に変顔を。



牧阿佐美バレエ団 『デューク・エリントン・バレエ』2012/11/11



チケットを貰ったという人から誘われ、牧阿佐美バレエ団を見てきました。
新国立劇場中劇場なのですが、一階は半分ちょっとしかお客さんが入っていません。演目に人気がないのでしょうか?それとも牧阿佐美バレエ団の公演がいつもこうなのでしょうか?
牧さんは真っ赤なスーツを着て流石目立っていました。

11月10日(土)13時開演

演出・振付:ローラン・プティ
音楽:デューク・エリントン 

<プログラム>
1.Don't The Opener
2.In a Sentimental Mood/Mr.Gentle and Mr.Cool
3.Don't Get Around Much Anymore
4.Solitude
5.The Telecasters
6.Cotton Tail
7.Sophisticated Lady:Chelsea Bridge/Satin Doll
8.Hi-Fi Fo Fums
9.Ad Lib on Nippon
10.Mood Indig / Dancers in Love
11.It don't mean a thing(If it ain't got that swing)
12.Caravan
13.Afrobossa
14.Take the "A" Train


音源がデューク・エリントンの実際の演奏です。といっても、もちろん録音ですが。
ゲストはボリショイ・バレエのプリンシパル、マリーヤ・アレクサンドロワとソリストのデニス・サーヴィン。
この二人、スタイルがいいです。

日本人ダンサーも体格的に負けなくなってきてはいますが、筋肉のつき方などをみると、棒のような脚です。特に女性ダンサーは痩せすぎなんじゃないでしょうか。
アレクサンドロワは筋肉がほどよくついており、美しい脚線美です。

音楽がアメリカのジャズで、振付がフランスのプティ。
アメリカの土着的なジャズとフランスのエレガントとのコラボ。
それぞれの曲に演出が工夫されており、楽しめました。
「Soliltude」でしたか、棒を印象的に使っていました。

しかし、ダンサーはどうかというと別の話です。
ノリが今一つで、はじける感じがありませんでした。
小さく固まっている感じです。
この演目を東京バレエ団や新国立バレエ団でやると、もっと生きたと思います。
日本人にはジャズは難しいのかもね。


衣裳ではどれもよかったのですが、残念だったのは最後の「Take the "A" Train」の男性の衣裳です。
パンツがぶかぶか。もっとピチッとした格好いいものだったらよかったのにと思いました。

風邪気味なのに無理をして見に行ったせいか、今日は喉が痛くて大変です。
人間の風邪が動物に移るってことがあるかしら?
気をつけなければ。

ケイト・キングズバリー 『支配人バクスターの憂鬱』2012/11/15

ペニーフット・ホテル・シリーズの五作目。


詮索好きのペニーフット・ホテルの女主人セシリーは、今回は自分のホテル内で起きた事故を調査します。
宿泊客がバルコニーから落ちて死んだのです。
従業員によると、彼はバルコニーでおかしなダンスを踊っていたのいうのです。
事故や自殺には思えません。

ペニーフット・ホテルの従業員にも動きがありました。
新しくドアマンとしてアーサーが入りました。彼はとっても愛想がよくて、特にご婦人方に人気があります。
支配人バクスターはそれがちょっと気に入りません。

死んだリチャードの妻ラヴィニアは夫の死後部屋に閉じこもってしまいました。
そのため彼女の息子の悪がきスタンリーの面倒を妊娠中のメイドのガーティがみなくてはならなくなります。
スタンリーのすることといったら、庭の低木に下着をつるし、自分で池に落ちたのにガーティがしたと言うわ、シチュー鍋にカエルを入れるし、催眠術らしきものをかけようとする。厨房のテーブルや床一面にブランマンジェの絵。
妊婦なのにガーティは怒りまくります。
ガーティの子供もスタンリーのような手のかかる子になったりして。

セシリーがバクスターを巻き込み事件の謎を解こうとする姿が、今回は異様におもえてしまいました。この人、なんでこんなに事件に首を突っ込もうとするのかしら?
バクスターは亡くなったセシリーの夫との約束を守るために、しぶしぶとセシリーのお供をしています。
彼の憂いはなかなかおさまりませんね。

<今日のわんこ>


スリッパとたわむれるわんこです。
この頃飽きっぽくなったのか、今までのおもちゃを投げて取りにいかせても無視をすることが多くなりました。
それよりも毛布とかスリッパを齧ったりするのがいいようです。
遊びがいのない奴です。

生まれてから五カ月になりました。そろそろ自我ができてきたのかもしれません。
この前抱いて体重を測ったら1.95㎏になっていました。
食べる量も増えているので、もう少し大きくなりそうです。

ヘイリー・リンド 『暗くなるまで贋作を』2012/11/16

元天才贋作師アニー・シリーズの三作目。


画家兼疑似塗装師アニー・キンケイドは真夜中に納骨堂の壁画を修復していました。
丘の上の霊廟に懐中電灯の灯りが見えたので行ってみると、シンディ・タナカという大学院生の若い女性がいました。
シンディと話をしていると、墓場荒らしらしき男の姿が。
シンディはすぐに追っていくのですが、逃してしまいます。
名刺を渡して修復作業に戻ろうとすると、名刺を見てアニーが芸術に詳しいと思ったシンディが、コロンバリウム(地下墓地)にあるラファエロの『若い婦人の肖像――ラ・フォルナリーナ』は19世紀の模写と書いてあるけれど本物ではないか、是非一度見て欲しいと言い出します。

ちなみに、こんな絵です。


アニーは約束どおりに見に行ったのですが、コロンバリウムにあった絵はデジタルコピーでした。
何故シンディはこれを真作だと思ったのでしょうか、そして何故この安物のデジタルコピーに、19世紀に描かれた模写というラベルが添えられているのでしょうか?
アニーは俄然興味を引かれます。
シンディとまた会う約束をしていたので詳しい話を聞こうと思っていたのですが、彼女は現れません。
なんとかしてシンディに会おうとし、やっとつきとめたアパートで彼女は死んでいました。
次の日、絵画の修復に行くと、女性がスーツケースを置いていったと言われます。
どうもその女性はシンディらしく、スーツケースの中を見ても謎は解けません。

今まではクラッシャー・アニーという感じでしたが、今度の本では大人しくなっています。
絵画泥棒だったはずのマイケルと一緒に新しい仕事を始めることになるし、大家のフランクとの関係は進まず、おじいちゃんは相変わらず現れず・・・。
どういう風に進んでいくのか楽しみではありますが。
いつもいつも思うのですが、もっと贋作に関する薀蓄が欲しいですわ。

堂場舜一 『消失者』2012/11/17



警視庁・刑事総務課に勤めるイケメンでシングルファーザー大友鉄のシリーズ。
今回は殺人や強盗などの凶悪犯罪を扱う捜査一課ではなくて、窃盗事件を担当する捜査三課に応援に行くことになります。
何故三課に・・・と疑問に思う大友でした。

捜査三課が追っているのは72歳の平山という男。
彼はスリの常習犯で三回服役。年を取った現在はひったくりをやるようになっていました。

大友が地元町田の小田急からJRに向かうデッキの所で張り込みをしていると、黒いコートを着た中年男からアタッシュケースをひったくる平山の姿。
平山を捕えようと歩き出すと、デッキの手摺から落ちそうになっている男が。
飛び降り自殺か?
男を助けている間に平山を見失ってしまいます。
ひょっとして彼は平山の仲間だったのか・・・?

平山のアパートの張り込みをしていると、平山が殺されたとの一報が入ります。
彼が殺されたのはアタッシュケースの中身と関係があるのか。
アタッシュケースを奪われた被害者は行方不明。
平山の身近から捜査を始めます。
大友は聞き込みで回っているうちに覆面パトカーの後を追うバイクに気づきます。
乗っていたのは鷹栖という20歳の若者。彼は自分は平山の弟子で情報提供者だといいますが・・・。

一人息子も小学五年生。彼は彼なりに独り立ちをしつつあるようで、それを寂しく思う大友です。
そろそろ新しい出会いがあってもいいかもしれませんね。

大友の指導官の福原も退職を視野に入れ、大友の後見人役をキャリアの後山参事官に譲ります。
この後山参事官がこれからのアナザーファイスのキーパーソンになるのでしょうか?