松尾由美 『バルーン・タウンの殺人』&『バルーン・タウンの手品師』2013/05/12



「バルーン・タウン」とは何か?
表紙を見てお分かりになりましたでしょうか。
そう、別名東京都第七特別区、ようするに妊婦のための町です。
時は・・・?
もはや女性は自然分娩をしないで、人工子宮で子供を産むようになっています。
それでも自分の身体から産みたいという女性がいて、彼女たちを保護する目的で作られたのが「バルーン・タウン」なのです。

この「バルーン・タウン」の堀のすぐ外で殺人事件が起こります。
目撃者は犯人が第七区の通用門をくぐって姿を消したと言っています。
東京都警の江田茉莉奈は女性であるという理由から「バルーン・タウン」で潜入捜査をすることになってしまいます。
ちょうどその頃、大学のミステリー研究会の先輩で翻訳の仕事をしている暮林美央が「バルーン・タウン」にました。
本物の妊婦の知恵を借りようと茉莉奈は彼女に会いにいきます。
ところが、なんと美央の方が上手で、次々と事件を解き明かしていくのです。

「妊婦はみんな同じに見える」なんて、考えたこともありませんでした。
でも、パッとみたなら、お腹にばかりに目がいって、顔なんか覚えていない確立の方が高いですね。背の高さぐらいは覚えているとは思いますが。
お腹に「亀腹」と「とがり腹」の二種類があるなんて、全く知りませんでした。
ふむふむ度が結構高い作品です。
あ、妊婦経験のある方にとってはふむふむ度は低いのでしょうがね。

妊婦とミステリー。
不思議なコラボですが、結構おもしろいです。
三作目のあるようなので、読んでみようと思っています。