R・D・ウィングフィールド 『冬のフロスト』2013/07/29



時は一月。
相変わらずデントン署はてんてこ舞い。
8歳の少女に引き続き、同じ学校の7歳の少女まで行方不明になってしまい、ショットガンを振り回す強盗が現れ、娼婦殺しに酔っ払ったフーリガン、”怪盗カヴァー”・・・。
次から次へと事件は待ってくれません。
こんなに忙しいのに、マレット(警察署長)のせいで人手不足に陥っています。
これらのすべての事件の指揮を取るのが、われ等がフロスト。
ひとつひとつ、自らの勘に頼って捜査をするといういい加減さ(二つ意味がありますね)がフロストのやり方。
連日、睡眠不足が続き、マレットや無能な部下に振り回され、果たしてフロストはすべての事件を解決できるのでしょうか。

もうフロストの下品が気にならなくなってしまいました。
それよりも気になるのは、無能な上司と部下。
実際にこんな警察署があったら、どうなるんでしょうね。
イギリスとかアメリカはこんな感じなのかな・・・なんていうと怒られますね。

フロストとは違い、警部代行で上昇志向の強い女性、リズ・モードが出てきますが、彼女の描き方が今ひとつでした。
男尊女卑のマレットからは軽んじられ、フロストからは「お嬢ちゃん」なんて呼ばれ、事件に集中しなければならない時に妊娠がわかり、中絶で休んだりしますが、どうして彼女が出てきたのか疑問です。
はっきり言って、話に関係ないですもの。
どうせなら、フロストに敵対心満々な、嫌味な女に描いて欲しかったですね。
その方がおもしろそうですもの。

フロスト・シリーズも後一冊。
楽しみのような、寂しいような、微妙ですね。

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