柚月裕子 『最後の証人』 ― 2014/07/09

元検察官で刑事事件専門の弁護士の佐方貞人は、愛情のもつれから起こったらしいホテルでの殺人事件を担当することになります。
検察官は彼の元上司だった筒井の部下の庄司真生で、彼女のことを筒井は佐方と同じぐらい優秀だと評価しています。
状況証拠も物的証拠も被告人の有罪を指し示すものでしたが、佐方は事件に潜む真実に気づき、それを明らかにしていきます。
途中で自分の思い込みを覆され「エッ」と思い、最後に佐方の「裁判の目的は事件の真相をあきらかにすることだ。裁判は検察官や弁護士のためにあるんじゃない。被告人と被害者のためにあるんだ。罪がまっとうに裁かれれば、それでいいだろう」「法を犯すのは人間だ。検察官を続けるつもりなら、法よりも人間を見ろ」という信条になるほどと思いました。
『このミス』大賞受賞作家の中で、一押しの作品です。
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