新川帆立 『元彼の遺言状』 ― 2021/01/28
第19回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作品。

山田川村・津々井法律事務所に勤める弁護士・剣持麗子はとにかく金に貪欲。
電子機器メーカーで研究開発職に就いている、一年付き合った彼氏がプロポーズしてきたというのに、断ります。
何故かというと、指輪がしょぼかったから。
「カルティエのソリテールリングでダイヤが0.25カラットもないのよ。私はそれぐらいの価値しかないの?金がないなら内蔵でも売って作れ!」って感じです。
麗子は相手に200万ぐらいの婚約指輪を求めています。
28歳で年収2000万近く稼いでるなら自分で買えよといいたいですよね、笑。
事務所の人事面談では、働きぶりを皆、感心していると言われたのに、「ボーナス額が二百五十万。昨年は四百万ぐらいもあったというのに。勉強料ってことで減らしたですって(怒)!」
納得のいかない麗子は、「お金がもらえないなら、働きたくありません」と啖呵を切って面談室を出て行ってしまいます。
そんな金の亡者の麗子が実家からの帰りの電車で揺られていると、「森川栄治」からメールが来ます。始めは誰かわからなかったのですが、三ヶ月付き合っただけの元彼だということを思い出します。メールを見てみると、栄治が死んだというのです。
大学のゼミの先輩で、栄治とも親交が深かった篠田にメールをしてみると、相談したいことがあると言うので、会うことになります。
篠田から見せられたのが、「門外不出!森川家・禁断の家族会議」という動画。
麗子は知らなかったのですが、森川は森川製薬の御曹司だったのです。
その彼の遺言が変わったものでした。
自分を殺した犯人に全財産を譲るというのです。
篠田が言うことには、彼はインフルエンザで亡くなったと言われている。お見舞いに行った篠田がそのインフルエンザを移したみたいだ。だから自分が栄治を殺した犯人にならないかと。
麗子は篠田の代理人として森川家の主催する「犯人選考会」に参加することにします。
遺言状には別の項目もありました。元カノたちに軽井沢の屋敷を譲り渡すというのです。専務の弱みを握れるかと思い、麗子はその手続きにも参加することにして、軽井沢まで行きます。
その手続きの行われた夜に、麗子は栄治の顧問弁護士である村山弁護士から遺言状のスキャンを頼まれます。麗子が村山と一緒に彼の事務所に行くと、遺言状が保管されていた金庫が盗まれていました。
警察を待っている間に、元雇い主の津々井が現れ、栄治のの父・金治の代理人になったと明かされます。麗子はついつい津々井を挑発して怒らせてしまいます。バカですね。事務所に戻れなくなりましたね。
津々井が帰った後に、大変なことが起こります。
村上がタバコを吸った後に死んでしまったのです。
二件の殺人!?
麗子、金を手に出来るか!
麗子さんって、見てる分にはいいけど、友だちにはしたくない女性です、笑。
自分の欲望に正直で、実は優しく、ちょっと抜けてるところなんか、可愛らしいですけどね。
軽く読めるミステリーです。相関図があるとよかったかも。(私は手書きしました)
この頃、小説や漫画を原作にしてドラマが作られることが多いので、これもドラマになりそうです。
麗子役はだれがいいかしら?気の強そうな美女がいいですね。
北川景子とか菜々緒かな?
ドラマになるには後2、3冊続きが欲しいですね。頑張ってください(?)。
そうそう著者は東大法学部を卒業した本物の弁護士だそうです。
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