平谷美樹 「貸し物屋お庸」シリーズ三冊2022/07/10

夏になると花はあまり咲いていないと思っていましたが、ピンクの花が沢山咲いている庭がありました。


調べてみると、八重咲きのムクゲのようです。
ムクゲにも八重咲きってあったのですね。知りませんでした。



五冊目の『貸し物屋お庸謎解き帖 桜と長持』を先にkindleで読んだので、お庸が何故貸し者屋をやるようになったのかがわかりませんでした。
気になったので、わざわざ紙の本を取り寄せて読んでみました。

『貸し物屋お庸 江戸娘、店主となる』
『貸し物屋お庸 娘店主、奔走する』
(『貸し物屋お庸 娘店主、捕物に出張る』 在庫なし)
『貸し物屋お庸 想いを秘める』

この四冊の出版社は白泉社で、招き猫文庫の中にあります。
五作目は大和書房のだいわ文庫から出版されました。
ちなみに「招き猫文庫」とは「新しいキャラクター時代小説シリーズ」だそうです。
この三冊を読んで、私の疑問が解けました。

お庸の父親の儀助は神田大工町の大工の棟梁で、家に活きのいい江戸の大工たちが出入りしており、棟梁のお嬢さんという扱いは受けず、男の子と同様に扱われていたので、お庸は口が悪くなったようです。(親の躾が悪いよね)

元禄七年(1694年)の一月、儀助が伝馬町の呉服屋さかえの主人から頼まれ、手掛けた寮のお披露目に、お庸と儀助が招かれます。
宴で使う塗り物を届けに来ていたのが、貸し物屋の湊屋清五郎でした。
父に紹介され、清五郎を見たとたんに、お庸は一目惚れをしてしまいます。
と言っても初めて体験する感情なので、その時お庸は自分が清五郎に惚れてしまったことに気づいていませんでした。

寮のお披露目から二日が経った日の夜、賊がお庸の家に押し入ります。
百両が盗まれ、父と母は殺され、お庸は背中を切られ、生死の境を彷徨います。
賊は鉄火の又蔵一味でした。
お庸は湊屋に行き、清五郎に親の仇討ちのために力を貸してくれるように頼みます。もちろん力を貸すには損料が発生します。
お庸は一生湊屋で下働きをして損料を払うことになります。

そんなわけで、お庸は両国広小路の出店で働くことになりました。
お庸はお嬢さんでしたから、働いたことなどありません。そのため湊屋本店から手代の松之助が派遣されました。
彼が口の悪いお庸と客の間に入り、喧嘩にならないようにし、貸し物屋家業についてお庸に教えます。
松之助はいい奴で、物事をそっくりそのまま受け入れてしまう性分なので、出店を任されたお庸に腹を立てたりはしないのです。
しかし松之助には隠された秘密がありました。
この秘密はここには書きませんので、気になる方は読んでみて下さい。
あ、幽霊が出てきますが、この幽霊は…もちろん内緒よ、笑。
五巻まで読んでもわからないのが清五郎の過去です。
これからだんだんと明らかにしていくのでしょうか。
それとも五巻で終わっちゃうのかな?

お庸はキャラが立っていると言えば言えるのですが、私はどうも好きになれないです。 
五冊目では借り物の使い道を探るのがこのシリーズのメインになっちゃったみたいですが、主要人物(特に清五郎)に関わるお話も入れていった方がいいように思いますけどね。

<今日のわんこ>


頑張って5時半に出かけましたが、犬には暑かったようです。
この後兄は足が痛いようで、家でびっこを引いていました。(詐病?)
明日まで様子をみます。