S.J.ベネット 『エリザベス女王の事件簿 ウィンザー城の殺人』 ― 2022/08/10

2016年4月、ウィンザー城で女王主催の晩餐会が開かれた翌日、ピアノを演奏するためにやってきたロシア人音楽家、マクシム・ブロツキーの遺体が部屋のクロゼットから発見される。
早速捜査を始めた警察とM15。
M15は早々にロシアのスパイによる犯行と見なす。
しかし、納得できないのが、エリザベス女王。
ナイジェリア出身の秘書官補、ロージー・オショーディを手足として使い、事件解決に必要な情報を集めさせ、悟られないようにそれとなく警察やM15にその情報を流し、正しく事件が解決するように画策していく。
オバマ大統領とかメルケル、プーチン、安倍晋三など当時の大統領や首相の名前が次々と出てきます。
オバマは女王からものすごく歓待されたのですね。
プーチンは「冷酷で計算高い人物」と書いてあります。この本は2021年3月に発売されていますから、前からプーチンはイギリスで信用ならないと思われて、嫌われていたのかしら?
この本の設定では、エリザベス女王は12歳か13歳のころから謎解きをやっていて、謎解きがライフワークとなっているそうです。
「知識の量も深さも並外れたものだし、鷲のように鋭い眼で物事を見抜き、ウソのにおいを嗅ぎ分ける能力もお持ちだし、記憶力も抜群」なんて、すごいですね。
夫のフィリップは「ハンサムという点ではまちがいなく五本の指に入るけれど、繊細さというチャームポイントは持ち合わせていなかった」なんて、笑。
こんなこと書いていいのと思いますが、イギリスは自由なんですね。
このシリーズは「Her Majesty the Queen Investigates Book」として二冊発売されています。
二冊目の「All the Queen's Men」は今年の三月に出版されていて、2016年の秋にバッキンガム宮殿のプールでスタッフが殺されていたことからお話は始まるようです。
三冊目の「Murder Most Royal」は2023年3月に出版されるようです。
2016年に何があったか、考えながら読むのがよさそうなシリーズです。
そうそう、エリザベス女王は1926年生まれですから、2016年では90歳なんです。スーパーおばあさんですね。
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