エリー・グリフィス 『窓辺の愛書家』2022/08/24

見知らぬ人』に続く「刑事ハービンダー・カー」シリーズの第二弾。
前作と同じように、各章は登場人物たちの視点から書かれています。


高齢者向けの共同住宅<シービュー・コート>の住人、ペギー・スミスが自室の窓辺で亡くなっていた。
見つけたのが、ウクライナ出身の介護士、ナタルカ・コリスニク。
彼女がハービンダー・カー部長刑事に会いに警察署にやって来て訴える。
息子の指示で本を箱詰めしていると、おかしなことに気づいた。
本の全部は犯罪小説で、献辞や謝辞がすべて彼女に捧げられている。
彼女は殺人コンサルタントで、死因は心臓発作だと言われているが、疑わしいと。
ハービンダーは葬儀に行ってみることにする。

元修道師で今は海辺のカフェ<コーヒー・シャック>のオーナーのベネディクト・コールは、常連の<シービュー・コート>の住人、エドウィンからペギーが亡くなったことを聞く。
その後、ナタルカがやって来て、ペギーを見つけたのは自分で、ハービンダーに話にいったと言う。
ナタルカは私たちはペギーの死を調べる必要があると言い張り、彼らは葬式に来る人全員を見張ることにする。

葬儀の後、ハービンダーはベネディクトとナタルカ、エドウィンと会い、ペギーが亡くなったときに読んでいた本の間にポストカードが挟まっていて、そこに「われわれはあなたのもとに行く」と書いてあったことを知る。

ベネディクトとナタルカ、エドウィンの三人組はこっそりとペギーの部屋に行き、彼女の持ち物を調べる。
その時、覆面の人物がふたり、銃を向けながら入ってきて、シーラ・アトキンスの本を持ち去った。

これをきっかけに、ハービンダーは捜査を始める。
一方、三人組はペギーと関係があったミステリ作家たちとコンタクトを取り、話を聞いていくことにする。

ハービンダーと『見知らぬ人』のヒロインのクレアはいいお友だちになっています。
今回の読み所は三人組の活躍です。
三人それぞれに複雑なバックグラウンドがあります。(是非本を読んで確かめて下さい)
彼らは捜査ごっこに夢中になり、犯罪小説家たちの文学フェスティバルに参加して重要な証人に会うために、イングランド南部のウエスト・サセックスからスコットランドのアバディーンまで行きます。
地図を見ると、南から北まで、約600キロの長旅です。
解説によると、東京から長崎ぐらいあるそうです。
エドウィンは80歳ですから、元気がありますね。

『見知らぬ人』はサスペンス風ミステリでしたが、『窓辺の愛読家』は弥次喜多風、いいえイギリスだからちょっとコミカルな『オズの魔法使』風(例えはこれでいいかしら?英語ではどう例えるのかな?)ミステリですかね、笑。

次作は『Bleeding Heart Yard』。翻訳が待たれます。


<この頃のわんこ>


弟はもう持って来いに意欲がなくなりました。
こういう風に相手をしてやらなければ、遊びません。(面倒ですがww)
お年ですかね。


兄はまったりするのが好きです。
ユニクロのこの膝掛けがお気に入りです。
ママがソファの上で寝ると、脚の間で寝ます。動けないので、ママは非常に困ります。