この頃読んだ本2023/06/08

先月から読んだ文庫本を載せておきます。


朝井リョウ 『正欲』
朝井さんは若い作家の中でピカイチではないでしょうか。
日本でやっとこの頃LGBTQやらダイバーシティ、マイノリティーなどを取り上げるようになっていますが、私なんかはうさんくささを感じていました。
この本を読んでどんな感想をもつでしょうか。
先入観なく、是非読んで見て下さい。

藤ノ木優 『まぎわのごはん』
赤坂翔太は一人前の料理人になるため『割烹料理 小川』で修業をしていたが、店の御節に余計なことをしたため店から追い出される。
年末だというのに行くところもなく、困っていると、『食事処まぎわ』と書かれている表札が目に入り、マスターに頼み込んで雑炊を食べさせてもらう。
ご馳走になったのでマスターにこれまでのことを話すと、泊まっていってもいいといわれる。
翌朝、昨夜と同様に出汁のおいしさに感動した翔太は、店で働かせてくれと頼み込む。
「まぎわ」は不思議な店で、来る客は病気を抱える人ばかり。
「まぎわ」はどんな病気の人にも対応する、患者に寄り添った食事を提供する店だったのだ。

実際に翔太のような料理人がいたら、私は彼の料理を食べたいと思わないでしょう。包丁が一人前に扱えても、食べる人を思いやる気持ちのない料理なんて食べたくないです。
途中からだんだんと自分の思い上がりをわかってくる翔太ですが、まだまだですわ。私はマスターの出汁が飲みたいです、笑。
病人の食事に詳しいなと思ったら、藤ノ木さんは産科医だそうです。

藤ノ木優 『アンドクター』
聖海病院の研修医、綾瀬凪沙は当直の日、救急外来にやってきた女性患者の採血をする。すると採血した左腕に痺れが残り、彼女の恋人から医療ミスだと責め立てられる。医療訴訟になってしまうのか…。そんな凪沙の救いの神は患者相談室の神宮寺だった。
その頃、患者に寄り添う医者になるという理想と現実のギャップに悩んでいた凪沙は、患者相談室での実習を希望することにする。

病院も患者のクレーム対応に困っているのです。
診てやっているというふんぞり返った医師も問題ですが、おれは患者様だと勘違いしている患者も困りものです。互いにいい関係になるにはどうしたらいいのでしょうか。その答えのひとつが書かれているお話です。
でも、上手く行きすぎだなと思ったりしましたがね、笑。

長月天音 『失恋に効くローズマリー 神楽坂のスパイスボックス』
『神楽坂のスパイスボックス』の続編。
姉妹で営むスパイス料理店「スパイスボックス」にやって来る、様々な心や体の不調を抱えたお客さんのお話です。ここの料理を食べるといつの間にか心も体も癒やされていきます。
出てくるお料理はスンドゥブ、チキンの香草パン粉焼き、チキンティッカ、バインミーなど。

朝井さん以外の本は軽く読める本ですので、お暇な時にどうぞ。


<今日のおやつ>
用事があり、町に出たので、和菓子屋をのぞくと、ありました。


「水無月」です。
これは抹茶の「水無月」。普通のは白いういろうです。
このお店のものはういろうというよりゼリーぽかったです。

コメント

_ ろき ― 2023/06/10 12時20分05秒

朝井リョウ、すごいですよね。若くしていろんな人のことが見える。「自分と違う人がどうしても理解できない人」のこともわかってしまう。彼の脳はどうなってるんだろう。今、彼のおバカ・エッセイ読んでますww

スパイシーな料理、食べたいかも。ある意味薬膳ですよね。
ローズマリーは記憶力を高めるらしいけど(オフィーリアが言ってた)、失恋にいいの?

_ coco ― 2023/06/10 13時22分18秒

ろきさん、そうですね。朝井さんは異性である少女やマジョリティ、マイノリティー、変わったフェチがある人などどんな人のことでも書ける人ですね。それだけ想像力が豊かで頭が柔らかいのでしょうね。

ローズマリーって精神を高揚させるので、軽い鬱にはいいらしいですが、失恋にはどうだろう?

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