読んだシリーズ(文庫本)2023/09/23



ほしおさなえ 『言葉の園のお菓子番 復活祭の卵』
祖母が通っていた連句会・ひとつばたごに自らも通うことになった一葉は、祖母と同じようにお菓子番となる。
その縁からブックカフェ「あずきブックス」で働くことになる。
イベントの企画の担当となり、11月にトークイベントで短歌を取り上げることになる。
参加者はもちろんのこと、「あずきブックス」の従業員たちも短歌を作らなければならなくなり、急遽短歌の読書会を始める。
そんな頃、睡月さんから連句の大会の話があり、ひとつばたごでは二座出すことになる。
一葉も参加することにするが、心配なことも…。

どれだけ読んでも連句はわかりません。自分で実際にやってみないことには理解できないのかもしれませんね。ましてや短歌も作れません。
自分のことは棚に上げますが、この本を読んで興味を持った人は是非作ってみてください。
自分の意外な才能を見つけるかも。

ひとつだけよくわからなかったのが、連句会の主宰・航人さんの過去をメンバーの人が一葉に話すことです。いくら一葉の祖母が関係していたからといって、若い一葉に話すことではないと思いました。

新しいお菓子が出てきました。
土佐屋のいもようかん、大吾の爾比久良、HIGASHIYAの棗バター、銀座鈴屋の栗甘納糖。
棗バターが食べてみたいです。

長月天音 『世界をめぐるチキンスープ 神楽坂のスパイス・ボックス3』
神楽坂の路地にある「スパイス・ボックス」は姉妹がやっているスパイス専門料理店。
体調が不調な人が食べると、元気になるお料理が出てきます。
子ども連れのファミリー層がお店に来ていないことに気づいた二人は、よくお茶に来る常連さんがたまたま食事をしにやって来たことを機会に、子どもでもスパイス料理が食べられることをアピールします。

出てくるお料理はどれも美味しそうで、チョコバナナのロティがどんなものか興味があります。クレープじゃなくてロティにチョコとバナナが包まれているのかな。
とにかく読むと無性にスパイスのきいたインドのカレーが食べたくなりました。

坂井希久子 『粋な色 野暮な色 江戸彩り見立て帖』
お彩は塚田屋で呉服の色見立てをしている。
当主の刈安に流行色を作れとけしかけられ、右近と共に深川鼠を流行らせようとするが、なかなかそうは簡単にいかない。
できないと右近は店から追い出される。
辰巳芸者に無料で深川鼠の着物を配り、着て貰おうとするが上手く行かず。
策は尽きたかのように見えたが…。

色見本を片手に読みたくなるシリーズです。
深川鼠は「薄い青緑みの灰色」。
日本には色の名前が沢山あります。
鼠色では浅葱鼠、紺鼠、空色鼠、鈍色、錫色、溝鼠、素鼠…。
短歌同様、これも素晴らしい文化だと思いますが、今は忘れられていますね。
昔の日本人は色彩感覚が鋭かったのでしょうか。

風野真知雄 『わるじい義剣帖(1)またですか』
孫の桃子と会えなくなってから一月、暇を持て余す愛坂桃太郎。
屋敷に帰っても、特にやることはなく、面白いことを工夫している。
<猫釣り>や<犬外し>をしたり、牛の種つけを見たりするが、退屈だ。
そんな時に、珠子と桃子が身を寄せている雨宮五十郎の役宅の向かいの長屋で人が殺された。
愛する孫に危険が及ぶかもしれない。
そう思った桃太郎は、これ幸いと桃子に会いに行く。
雨宮は頼りにならないから、いよいよ桃太郎の出番だ。

新しいシリーズの始まりです。
いつまで経っても桃太郎さんの桃子ラブは尽きることがありません。
それが生きがいだから、仕方ありませんね。
なんともユーモラスな桃太郎がよくて、ついつい読んでしまうシリーズです。
どうぞ長く続けて下さい。

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