荻原浩 『メリーゴーランド』2011/09/05

今日はクイーンのボーカリスト、フレディー・マーキュリーの誕生日だそうです。Googleを見ると、楽しいですよ。


この本は例の『この経済小説がおもしろい』に載っていたものです。荻原さんの本はアルツハイマーのことを取り上げた『明日の記憶』を読んだっきりでした。さて、経済小説は面白いでしょうか?

激務の家電メーカーを辞め、9年前に故郷にUターンし、市役所勤務をしている啓一が主人公です。
公務員については有川浩の『県庁おもてなし課』(これも『経済小説がおもしろい』に載っていました)なんかにも書いてあったので、なんとなくわかります。が、この市役所はひどい。

啓一は駒谷市が建設したテーマパーク「アテネ村」の運営会社、ペガサスリゾート開発に出向することになってしまいます。
新しい職場に行ってみると、「アテネ村再建対策室」から「アテネ村リニューアル促進室」へと名前が変わっているし、なんか仕事ものんびりムード。

アテネ村は来場者が昨年四万七千人。一日あたり百数十人。累積赤字四十七億円という体たらく。

どうにかしなければとの声ばかり。それもそのはず、ペガサスの社員は駒谷市役所を定年退職したOBか出向職員だけ。
とりあえずゴールデンウィークに向けてイベントを考えようということになるのだけれど、外部のプランナーの意見はことごとく理事たちに却下され、従来と変わりなしという方向へと進んでいきます。

いままでとは違う日々が始まるかもしれないと思った啓一ですが、結局は何も始まらず、いままでと同じ役所仕事が続くだけ・・・。

市役所の常識は社会の非常識。

さて、啓一はこの状態を打開するために、どう動くのでしょうか。

仕事はおもしろいことばかりではありません。何か新しいことをやろうとすると、必ず横やりが入るのが世の中。腐らず、啓一のように頑張れるでしょうか。
どこかに自分が生かせる場面があると、ちょっとは仕事をおもしろいと思えるんじゃないでしょうか。たとえそれが認められず、ただの自己満足に終わろうとね。

荒川 弘 『百姓貴族』2011/09/04



銀の匙』を描いた荒川さんは実家が酪農と畑作農業を営んでいるので、7年間、百姓をやっていたことがあるそうです。だからあんなに色々と知っているのですね。
この漫画は百姓の時の経験を描いています。

が・・・。

この人、弘という名前だから男だとばかり思っていました。
しかし、なんと女性だそうです。びっくりしたわ。
よくよく牛の絵を見てみると、女性らしい顔の輪郭ですものね。
ホント、思い込みって恐ろしいです。

北海道の自給率が本の中に出ていますが、結構高いです。
乳製品、300%、小麦190%、大豆、80%、砂糖類、650%、魚介類、416%、野菜類、240%、馬鈴薯、940%などなど。
北海道だけの食糧自給率なら200%だとか。
北海道が独立すると、日本の自給率は20%位になってしまうとか。
もっと北海道を大事にしてほしいですね。
それでなくても原発事故で汚染されていない(であろう)北海道の作物が貴重なのですから。

北海道の奥深さを知るために、是非この本読んでみてください。

映画で見る、キャリアウーマンが幸せを掴むまで2011/09/03

『あなたは私のムコになる』


サンドラ・ブロックが「ウィッチ(魔女)」と言われている女編集長に扮します。
女編集長と言えば、そう、あのメリル・ストリープが『プラダを着た悪魔』でファッション雑誌の編集長をやっていましたね。比べちゃうと、断然、メリルの方が貫禄勝ちです。やっぱりキャリアの違いでしょうかね。

マーガレット(サンドラ)は出版社の編集長としてバリバリ働いていました。彼女が来る前はくつろいでいる社員たちですが、現れると、「来たぞ!」というメールが届き、みんなは仕事をしているフリをします。
マーガレットの秘書みたいな仕事をしているのがアンドリュー。編集者になるのが夢で、その夢をかなえるために、三年間、マーガレットに使え、耐え続けています。彼ってM?

無能な男を首にした日、マーガレットに危機が。
カナダ人の彼女のビザが却下され、このままでいくと強制送還され、一年間はアメリカに入国できないというのです。
彼女の代わりの編集長には首にした男がなるということを聞き、マーガレットが思いついたことは・・・。

そう、アメリカ人と結婚して永住権を獲得すればいいのです。
白羽の矢がたったのは、部下のアンドリュー。だって彼、「私が編集長でなければ、あなたは首になるのよ」と脅せば承知するにきまってますから。
アンドリューは「編集者になれるなら」と交換条件を出し、偽装結婚することになります。

ちょうど週末にアンドリューのおばあちゃんの誕生会があります。そこで二人は結婚の報告をしに、アンドリューの家に行くことになります。

が、なんとそこはアラスカ!
さて、二人はうまく偽装結婚をすることが出来るのでしょうか。

マーガレットが仕事一筋なのは、16歳に両親が亡くなってから一人で生きてきたという事情があったからなのです。
家庭の味を知らずに暮らしていた彼女が、アンドリューの家族に出会い、キャリアウーマンという鎧を脱いでいく過程がコミカルに描かれています。

内容としては、「急に強制送還されたりするの?」と思ったり、「たった三日で!」とか思うところもありますが、映画ですから、最後がハッピーになれればいいわ。そんなに考えずに頭をからっぽにして笑いましょう。
私は変な踊りを踊る(宗教儀式?)おばあちゃんが一番好きです。


『恋とニュースのつくり方』

これってハリソン・フォードよね。彼も年取ったわねぇ。
今回の彼はちょっと偏屈なキャスター。ダイアン・キートンも相手役のキャスターとして出てきます。この二人、こんな映画に出るなんて、もったいないとちょっと思いました。

TVのプロデューサーになろうと、どんな仕事でも頑張ってやっているベッキーでしたが、ニュージャージーのテレビ局に別の人を雇うからと解雇されてしまいます。
色々な会社に履歴書を送るのですが、上手く行きません。母親からはそろそろ夢を追うのを諦めるようにと言われる始末。
ところがなんと、頑張ったかいがあって、ニューヨークのテレビ局のモーニングショーのプロデューサーに採用されます。喜ぶベッキーですが、現場に行くと驚くことばかり。
このモーニングショウは最低の視聴率で、キャスターもスタッフも問題あり。

寝る暇も惜しんで働くベッキーですが、デートの時も仕事が頭を離れないなんて、ちょっとワーカホリック気味です。

番組を盛り上げるために、やる気のない男のキャスターを首にして、あこがれの、数々の賞を取っている伝統のキャスター、マイクを引きずり出すのですが、モーニングショウをバカにしているマイクは自分のスタイルを変えようとはせず、そのために番組の視聴率は下がり続け、とうとう打ち切りにすると宣告されてしまいます。
視聴率を上げれば番組は打ち切りにしないという約束をもらい、奮闘するベッキー。なのに彼女の気持ちも知らずに自分を通そうとするマイクです。下の写真の不機嫌な顔を見てください。
アメリカのモーニングショウって軽いものを放送するんですね。日本の「はなまる」とか「Pon」みないなもんかしら。
あのダイアンが何でもやっちゃうなんて、笑っちゃいます。

お約束のハッピーエンドが待っていますが、その前にマイクがベッキーに本心を言うところがいいです。
仕事と私生活のバランスを取ることが大事なんですね。

『あなたは私のムコになる』と同様に、何もすることのない週末、家でぬくぬくと温まりながら鑑賞するといい映画です。

堺 憲一 『この経済小説がおもしろい』2011/09/02



3月までは同僚で本をたくさん読んでいる人がいたので、普段私が読まないような本を教えてもらったり、借りたりできました。彼女は転勤しちゃったので、自分で読まないような本を読む機会が減ってしまったなぁと思っていましたが、その代りにいい本を見つけました。『この経済小説がおもしろい!』です。

小説の中に「経済小説」などというジャンルがあったなんて、知りませんでした。堺さんは東京経済大学経済学部の教授です。今の大学生は経済についてあまり知らないので、小説を活用することを思いついたのでしょうかね。
私も経済について疎いので、少し勉強(?)してみようと思いました。

とりあえず、この本の中に出ている本で文庫本になっているのを少しずつ読んでみようと思います。何冊読めるでしょうか。

小川糸 『喋々喃々』2011/09/01



食堂かたつむり』を書いた小川糸さんの二作目です。帯の「谷中」という文字に惹かれて借りてみました。

「喋々喃々(ちょうちょうなんなん)」とは「男女がうちとけて小声で楽しげに語りあう様子」だそうです。
この本を読みながら、川上弘美さんの『センセイの鞄』を思い出しました。本の中に流れている雰囲気がなんとなく同じに感じたのです。

谷中でアンティークきもの店「ひめまつ」を営む栞と、お店に初釜で着るきものを探しに来た木ノ下春一郎さんとの恋物語です。
二人でデートをする谷中や湯島など、ア、ここ知っている、というところがいっぱいです。

食べ物では桃林堂の五智果、鈴木精肉店のメンチカツ、千駄木倶楽部のあずきオ・レ、イナムラショウゾウのシュークリーム、芋甚の小倉アイス最中、香味屋のメンチカツ・・・。

観光地では上野東照宮の冬牡丹、諏訪神社の夏の大祭、谷中霊園の桜、全生庵の幽霊画、上野動物園の「真夏の動物園」、不忍池の蓮、朝倉彫塑館、大円寺の菊まつり、浅草浅草寺淡島堂の針供養・・・。

私の知らなかった小路もあります。
この本、一冊を持って谷中を歩くのもよさそうです。

「人を好きになるとすべてが反転してしまうことを思い出した。永遠と感じていた景色が儚く、幸福だと思っていたことが切なくて、物悲しくなる。世界中のありとあらゆるものが裏返って、すっかり入れ替わってしまったようだった」

ただ一緒に歩くだけでいい。ただ一緒に食べるだけでいい。
二人で過ごす時間をどれだけ積み重ねていけるのか、切ないほどに望んでいた思いを忘れていました。

今は恋よりも食い気。
湯島の「TIES(タイズ)」のミルクティーとオザワ洋菓子店の苺シャンデをいつか食べに行きたいと思いました。
そうそう、谷中においしいパン屋がないというのは本当です。

ちょっと普通ではない二人の恋は、御伽話のようです。
「私にとって春一郎さんは陽だまりだ」と栞は言っています。
「陽だまり」のような人ってどんな人なんでしょうね。

浅草は男性的で谷中は女性的だという表現がありましたが、谷中は「陽だまり」のような所でしょうか?

大崎 梢 『背表紙は歌う』2011/08/30



明林書房の営業マン、井辻智紀シリーズの第二弾です。

なんと、最後の「プロモーション・クイズ」に、あの威風堂が出てきます。

明林書房の主催する「宝力宝賞」を受賞した『宙のシグナル』のゲラを書店員さんに読んでもらい、推薦コメントを書いてもらおうとはりきる智紀でしたが、どこの書店員さんからもいい返事がもらえません。

やっとある書店員さんがコメントを書いてくれ、喜ぶ営業マン達でした。ところがコメントが入っていた封筒の中に変ななぞなぞが入っていたのです。どうも『宙のシグナル』の中の連作短編のひとつにあったなぞなぞに触発されて作ったようです。

そう、ある書店員さんとは、もうおわかりですね。威風堂のあの方です。

智紀はどちらのなぞなぞもチンプンカンプン。(私も同様です)
このなぞなぞのことが書店員さんの間で評判になります。
このきっかけを作ったのが、佐伯書店の営業マン、真柴。彼は何かおもしろそうなことがあると、すぐに首をつっこんでくる奴です。
今回は真柴のおかげで智紀も楽しめたようです。

この「プロモーション・クイズ」の他に4つの話が載っています。
人殺しはなくても、日常に潜む謎がおもしろい、こういう本が楽しいこの頃です。
        

宮部みゆき 『燔祭』&『クロスファイア』2011/08/29



『燔祭』の方が『クロスファイア』より早く書かれたようです。私は『クロスファイア』の方を先に読みました。どっちを先に読んでもいいような気がします。

『燔祭』は男の側から見た青木淳子で、『クロスファイア』は淳子の心情を描いた作品です。

青木淳子は「パイロキネシス」つまり”念力放火能力”の持ち主です。幼い頃からこの能力があり、初めは感情の揺れにより意図せず火を起こしていたのですが、親の訓練により好きな時に自由に火を操れるようになっていました。
両親の死後、淳子はそんな自分の能力を人に知られないようにとひっそり、目立たないように暮らしていました。

会社の同僚の男性の妹が監禁、殺害されたのをきっかけに、その男性に妹の敵を討ちたくないかと持ちかけます。
その間のことが『燔祭』で同僚男性の多田一樹の視点から書かれています。
淳子は一樹のことが密かに好きだったのです。自分の秘密を打ち明けることにより、自分を一人の女性として理解してもらいたいと強く望んでいたのです。
しかし、その望みは打ち砕かれます。

『クロスファイア』ではその後のことが書かれています。

淳子は自分のエネルギーを放出しなければなりません。そのため、人のいない、見られることのない場所を使っていました。
エネルギーを放出しようと出かけた先で、殺害されようとしている男と出会い、助けようとして淳子は自分の能力を使い、殺人を犯してしまいます。結局、男は助からず、死ぬ時に淳子にある女性が監禁されているから助けてくれるようにと頼みます。

自分を「装填された銃」のようだと思い、殺人を続ける若者を探し処刑する淳子。

彼女を追う刑事たちと「ガーディアン」という謎の組織。
淳子はどうなるのでしょうか。

普通の女性のように誰かと繋がりたいと思う淳子の気持ちが愛しくも悲しい物語です。

光市の母子殺害事件を思い出しました。殺害したのは当時18歳の少年A。
妻と子を殺害された夫は「加害者を社会に早く出してもらいたい、そうすれば私が殺す」と言っていました。
この気持ちわかります。でも、実際に殺すとなると・・・。

被害者の気持ちが少しでも生かされる方法ってないのでしょうか。

荻窪の大田黒公園に行く2011/08/28

荻窪まで足を延ばしてみました。
駅で見たのですが、各駅にスタンプがあり、荻窪駅のスタンプの絵はこの大田黒公園です。
駅から歩いて10分ぐらいで着きます。


ここはありがたいことに無料で入園できます。年末以外は無休のようです。

門からイチョウ並木が続いています。昨日の大雨の影響か、道を直していました。


しばらく歩くと池があります。太鼓橋があり、回遊式の日本庭園なのでしょうか。


池には休めるところがあるので、暇な時に来てボーとするのによさそうです。
休日でも穴場なのか、人も少ないです。


芝生の先にピンクの洋館と和風の家があります。日本庭園なのに、洋館?窓から部屋を覗いて、写真を撮ってみました。


手前にピアノがあります。この洋館には入れるようで、後で気づいて入ってみると、大田黒さんの年表が置いてありました。大田黒さんって音楽評論家だったんですね。だから立派なピアノがあるんです。この土地を杉並区に寄付したんですって。太っ腹です。

隣にある和風の家は休憩所と茶室になっています。茶室ではお茶のお点前をやっている最中でした。この茶室、借りられるようです。
休憩所にはサラリーマンが二人、くつろいでいました。私たちが帰る時もサラリーマンが二人入ろうとしていました。ひょっとして、この公園はサラリーマンたちの穴場なのかしら?


竹もあるので、タケノコが秋に採れそうです。
紅葉が池の周りに沢山あったので、今度は秋に行こうかと思っています。

池井戸潤 『オレたちバブル入行組』&『オレたち花のバブル組』2011/08/27

昔は大学4年になってから就職活動をしていましたが、今は大学3年からになって長期化しているようですね。
結局2年間しかちゃんと勉強できないのではないでしょうか。
大学の方はどう思っているんでしょうね。
今年のように震災があって企業が採用を控えるようになると、女の子の方にしわ寄せがいき、就職できない女の子が増えそうですね。
今、大学生でなくてよかったとつくづく思います。


池井戸さんの『下町ロケット』以外の本も読んでみました。
『オレたちバブル入行組』の初めには銀行の採用試験の様子が描かれていて、それを読むと、姪なんか絶対に銀行には入れなさそうです。
バブルがはじける前には、内定者を拘束するなんてことを企業は平気でやっていました。今はそういうこともなくなっているそうなので、昔に比べるとよくなっている面もありますね。

池井戸さんは銀行に勤めていたので、銀行の実態には間違いはないのでしょう。読みながら、つくづくと銀行に勤めていなくてよかった、と思いました。
融資の失敗を部下に押し付け平気な上司や派閥争い、足の引っ張り合いなどなど、上を狙う人はどれだけのストレスを抱えることになるのでしょうか。
強靭な神経と身体がないと、競争には勝てそうもないですね。
どこかで競争を止め、他の生き方を選択しないと、後悔ばかりの人生(『あの日にドライブ』のような)になってしまいそうです。

主人公の半沢はピンチに陥っても、人脈を使い上手く立ち回っていきます。
本当にこんなことがあったら、この小説のようにはなかなかいかないでしょうね。
銀行に就職を考えている学生は読んでからもう一度、銀行の採用試験を受けるかどうか考えた方がいいでしょう。
しかし、もっと違った働き方ってないんでしょうかね。

半沢のお父さん(ねじ作りをやっています)の言葉がいいです。

「夢を見続けるってのは難しいもんだ」「それに比べて夢を諦めることのなんと簡単なことか」

一体世の中のサラリーマンの何パーセントが夢を見続けているのでしょうか。

『静物と風景画展』@ホキ美術館2011/08/26

千葉から外房線に乗り土気(とけ)で下車して駅前でバスに乗り5分でホキ美術館に着きます。
行く前は遠そうと思ったのですが、思ったよりも近かったです。川村美術館の方が遠い感じなのは何故でしょう?たぶんバスに乗る時間のせいかもしれません。

土気は一緒に行った友人の友人が、「日本のビバリーヒルズ」と言っていたとか。ようするに高級住宅街だといいたいのかもしれませんが、そんなに高級そうな家はバス通りにはありませんでしたけれども・・・。


駅前はこんな感じです。左側に歩いて行ったところがバス停。
バスの運転手さん、話好きで、私たちがスイカの使い方を議論していると、聞きつけて教えてくれました。入る時と出る時、2回かざすそうです。電車の改札口と同じです。
その後、レストランの話をしていると、2日前にはレストランが100人待ちだったと教えてくれました。「予約はできないとお客さんが言ってました」というので、私たちは早いけれどレストランが始まる11時半に入ろうと決めました。

バス停を降りてすぐのところにホキ美術館があります。



変った建物で、展示室は一階から地下へと続きます。


入り口の右に100人予約待ちと言っていた「はなう」というレストランがあります。名前を書いておくと、11時半から食事ができます。
「100人待ちもするのですか?」と友人が係りの人に聞くと、団体のバスが来た時は込み合うそうです。私たちがいた時には団体さんは来ませんでしたので、レストランはそれほど混んでいませんでした。

入り口左にミュージアムショップ、その奥にギャラリー入り口があります。

まず最初にロブスターが私たちを迎えてくれました。


「でかい!」美味しそうです。まるで写真のようです。
写実画はこのように見た通りに描くものなのです。

五味文彦の静物画のコップやパンの感じがすごいと思いました。
どうやって描いているのでしょうか?コップに映る影や光、コップの透明感が実物と同じように描かれています。描いた時と同じような光は二度とないと思います。写真にでも撮っておいて、後で描きあげていくのでしょうか?


森本では女性のヌード、特に後姿(↑)が印象に残ります。彼は前から見たヌードは好きではないようで、同じモデルの様々な後姿の絵が30枚ぐらいあります。モデルは誰なのか、興味があります。女性のうなじから肩、腰のくびれ、お尻のラインが綺麗です。手や足の血管の青さも実物同様に描いています。
森本草介は絵は一年に一枚しか描けないと言っているようですが、この細かさなら描けないでしょうね。

展示作品では花も素敵でした。バラや牡丹、シャクヤクなどが描きがいがあるようです。下の絵は野田弘志のバラです。


写真がある現在、写実画の存在理由はなんなのでしょうか?
考えさせられる美術館です。

鑑賞途中で時間になったので、「はなう」でランチにしました。Bコース(3500円)を食べてみました。
前菜2品、パスタ、メイン料理、デザート、コーヒーがついています。
シラスとキャベツのパスタ↓


何とか豚のトマトソース煮↓


食事中に私の喉にアクシデントがあり・・・(泣)。

ランチ後、まだ見ていないギャラリーを見て、最後にカフェでゆっくりしました。

千葉の美術館なのに人が多く入場しており、びっくりしました。
帰りのバスも行きとは違い、混んでいました。

そういえば美術館の入り口におじいさんが立っていて、挨拶をしてくれました。後でHPで確認しましたが、やはり館長さんでした。館長さんが出迎えてくれる美術館って今までなかったのですが、ホキ美術館は違いますね。
作品がゆったりと飾られており、のんびりと鑑賞できるいい美術館だと思います。足も疲れず、腰も痛くなりませんでした。床が柔らかいのだとか。
また機会があったら行ってみたいと思います。