タミー・ホウグ『風が見ていた午後』2006/06/12

なにやらハーレクイン物のような題名とカバーの絵ですが、ちゃんとしたミステリーです。
主人公は2人。ミネアポリス市警殺人課部長刑事で2児のシングルマザーのニッキ・リスカとリスカの同僚でバツ2のサム・コヴァック。
この2人の掛け合い漫才のような会話が絶妙です。

元市警巡査で20年前の警察官殺害事件で脊椎を撃たれ、車椅子生活を余儀なくされたマイク・ファロンの息子で、市警の内務監査課に努めているアンディ・ファロンが裸体で首をつって死んでいるのが見つかります。
周りは自殺として終わらせようとしていますが、コヴァックは自殺と見なすことになにやら嘘くささを感じます。
今度は息子の葬式の前日にマイク・ファロンがピストルで撃たれ死んでいるのが見つかります。
また自殺にしようとする動きがありますが、左利きなのに、何故かピストルは右側に落ちているのがおかしいとコヴァックは思います。
調査していくうちにマイクがかかわった警察官殺害事件が、この2人の殺害に微妙な陰を投げかけているのがわかってきます。

コヴァックの孤独な姿が身にしみます。
アメリカの警察官は離婚が多く、孤独な人が多いのですねぇ。

読んでいる途中で、ある人物がおかしいと思い、なんで、○○を調べないの、と不思議に思いました。まあ、それをやっちゃうと話が続かないですかね。
題名のわりには、おもいしろいミステリーでした。