小林多喜二 『蟹工船』2008/09/17

『蟹工船』が爆発的な売り上げを上げているそうですね。
何故そんなに読まれているのでしょうか。
そう思って同僚から借りて読んでみました。

本の中には悲惨な状況で働かされる労働者の姿がありました。
こんなことが現実にあったのかと思うほどです。
人間を人間として扱っていないのです。
権力を持った人間の嫌らしさも書いてあります。
彼は実際はそこで働いている労働者と同じなのに、自分は違うと傲慢にも思い、結局は落ちていく運命にあります。
労働者は団結することにより、自分たちの働く環境をよくできるといいますが、今の状況はどうでしょう。
団結することにより、何がもたらされるのでしょうか。
自分のついている職業の組合のことを思うと…。
そう思える私はそれほど困っていないからと言われそうですね。
でも、だんだんと社会に絡め取られていく恐ろしさを感じています。
隠れた滅私奉公が当たり前という風潮が怖いです。

『蟹工船』に自分を重ねる若者達の気持ちはもっと殺伐としているのでしょうね。
今は便利な世の中で、『30分で読める 大学生のためのマンガ蟹工船』もあります。
大学生なら原作読んでよねと言いたくもなりますが。
『30分で読める…』と原作は、白樺文学館 で今なら無料で読めますので、興味のある人はダウンロードしてみて下さい。