ジェフリー・アーチャー 『ゴッホは欺く』2008/09/28

アメリカ、ニューヨーク。2001年9月11日というと・・・。
そう、世界貿易センターにハイジャックされた飛行機が突入した日です。
この本はその前夜から9月18日までの物語です。

その日、何をしていましたか?どこでテロのことを知りましたか?
私は職場のテレビで見ました。
その場面は現実感がなく、まるで映画の一コマのように見えました。
テレビでは何回も何回もその場面が映しだされていました。

アンナ・ペトレスクはルーマニア出身の美術コンサルタント。
サザビーズを解雇され、今はブライス・フェンストンという銀行家に雇われており、彼の印象派のコレクションを充実させるべく、働いています。

ここで質問です。
ゴッホの自画像を思い出してください。
さて、どっちの耳が包帯で覆われているでしょうか?
絵が好きな人ならもうおわかりですね。
わからない人は、上の写真をよく見て下さい。

アンナはゴッホの『耳を切った自画像』を持っているウェントワース伯爵家のコレクションを評価して、取締役会に報告書を提出することになっていました。
フェンストンは裏で違法なことをし、荒稼ぎをしていました。
ウェントワース家も彼の毒牙に…。

結局アンナは、理不尽なことを理由にフェンストンに解雇されます。
解雇された日、テロが起こります。
アンナはテロに巻き込まれたことを利用して、自分が死んだとフェンストンに思わせておき、ゴッホの絵を守るために行動を起こすことにします。
世界中を飛び回り、殺し屋に狙われつつも、相手の裏をかくために活躍するアンナです。

コレクターって不思議な人種ですね。
アーチャー独自の大どんでん返しを期待している人は、あまりそれは期待しない方がいいでしょう。
私は、ゴッホの絵にまつわる話というだけで、満足でした。