「レンズの向こうの人生」&「靖国」を観る2010/02/08

2つのドキュメンタリー映画を観ました。

「レンズの向こうの人生」は写真家のアニー・リーボヴィッツについての映画です。彼女の写真は誰でも一度ならず見たことがあるはずです。


カメラを持っている女性がアニー。
妊娠したデミー・ムーアや、暗殺される数時間前に写されたジョン・レノンとオノ・ヨーコの写真は特に有名です。

ベッド・ミドラーが『ローズ』の宣伝用に撮ったという写真(左下)は、ベッドが何千本のバラの花の上に寝ていますが、このバラの棘をアニー自ら取ったそうです。何本あるのかしら?
 
アニーはもともと美術の教師にでもなろうと思っていたのですが、ひょんなことからローリング・ストーン誌の写真を撮ることになり、その後、ローリング・ストーンズのツアー撮影まで手がけ、一躍有名になったそうです。
しかし、ツアーに同行するうちに麻薬に手を出してしまい、麻薬と手を切るためにリハビリ施設に入り、ローリングストーン誌は辞め、ヴァニティ・フェア誌で働くことになります。
この頃からセレヴを撮ることが多くなったようです。
今やアニーに撮られること=セレヴの証明とまで言われるようになっています。
 
アメリカの作家スーザン・ソンタグは師でもありパートナーでもあったそうです。下の写真はアニーが撮ったスーザンとアニーの子供です。
アニーは五十歳過ぎに子供を出産したそうです。


彼女の写真のすごさが、映画の中でこう述べられています。

 「彼女の写真から一行の文章を読み取ることができる」
 「その人の何かを写真に反映できる」
 「物語る写真」

写真にすべてを捧げているアニーですが、いい写真を撮るためにお金に糸目もつけないからか、破産宣告をされたと報道されていましたが、その後どうなったのでしょうか?

もうひとつのドキュメンタリー映画は「靖国」です。


色々とマスコミで取り上げられていたようですが、この中で印象に残った場面を紹介しておきましょう。 

それはあるお寺の住職の話です。彼の父親が第二次世界大戦で戦地に行き、亡くなっています。
仏間にある遺影写真は、父親が兵隊の姿のものです。
それについて、彼はこのようなことを言っています。

「僧侶が戦争に出向いたということを忘れてはいけない。宗教者は人間の命の尊厳を言い続けていくものである。自らが他国民を殺し、自らも殺される戦闘員としていくことは、聖職者として破綻せしめるものである。戦争の過酷さをきちんと刻んでおこうといいう思いで(この写真を)かけている」
 
立場による「戦争」と言うものの受け取り方の違いを見せてくれた映画でした。

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