P.G.ウッドハウス 『ジーヴズの事件簿~才智縦横の巻』 ― 2011/12/01

検索エンジンにASK JEEVESというのがありました。

業績が悪かったので、JEEVESの名前をはずして、今はただのASK.COMになっています。
日本語版もありますが、使い勝手はどうでしょうか。気が向いたら試してみますわ。
JEEVESって誰?と普通の日本人は思うでしょう。
彼はイギリス人で後にアメリカのニューヨークに拠点をおいたP・G・ウッドハウス(1881年-1975年没)が書いた本に出てくる、比類なき有能な執事です。
分かりやすい例をあげると、東川篤哉の『謎解きはディナーのあとで』の主人がお嬢様ではなくてお坊ちゃん版って感じです。
この物語の時は20世紀初頭。
ジーヴズが仕えているのが、金持ちで性格はいいのだけれど、強い女性に弱くて頭脳労働に向かないおバカなバーティ・ウースター。
ジーヴズも言ってます。
「ウースター様は、ただ一つを除くすべての好ましい資質を備えた若い方です。その一つとは頭脳ではありません。というのも、ご主人が頭脳を持っているのは望ましくないからです。私の言わんとしている資質は定義が難しいのですが、まあ、非常事態に対処する才能とでもいいましょうか。非常事態に遭遇なさると、ウースター様はすぐに気弱な微笑みを浮かべて目の玉を飛び出させてしまわれます。貫禄といったものが皆無なのです」
「ご主人が頭脳を持っているのはのぞましくない」なんて、言ってくれますね、ジーヴズも。
ウースターは服装のセンスも今一。
派手なチェックのスーツとか藤色の靴下とかを履くんですから。
ジーヴズのご機嫌が悪くなる時は、ウースターがセンスの悪い服を着る時なのです。
結局これらの趣味の悪い服は、話の最後にジーヴズに処分されてしまうのですが。
ウースターは自分の頭の悪さを自覚しているだけいいですわ。
彼は何か面倒なことがあるたびにジーヴズに頼っています。
ジーヴズは主人に頼まれれば上手く対処するし、頼まれなくても主人によかれとこっそりと手をまわします。
主人のことでジーヴズの知らないことはないようです。
だからASK JEEVESなんですね。
私はジーヴズにのファンになりました。彼の小生意気なところが好きなんです。
検索エンジンASK JEEVESのジーヴズのイラストは中年の顔がしもぶくれのおじさんですが、私のイメージはミスター・ビーンのローワン・アトキンソンかな。
一応ミステリーのカテゴリーに入れて置きましたが、ミステリーというよりユーモア小説です。
出てくる人たちが一癖も二癖もある人たちで、どうジーヴズに料理されるのか、読んでいて面白いです。
執事萌の人たちにお勧めです。
JEEVESって誰?と普通の日本人は思うでしょう。
彼はイギリス人で後にアメリカのニューヨークに拠点をおいたP・G・ウッドハウス(1881年-1975年没)が書いた本に出てくる、比類なき有能な執事です。
分かりやすい例をあげると、東川篤哉の『謎解きはディナーのあとで』の主人がお嬢様ではなくてお坊ちゃん版って感じです。
この物語の時は20世紀初頭。
ジーヴズが仕えているのが、金持ちで性格はいいのだけれど、強い女性に弱くて頭脳労働に向かないおバカなバーティ・ウースター。
ジーヴズも言ってます。
「ウースター様は、ただ一つを除くすべての好ましい資質を備えた若い方です。その一つとは頭脳ではありません。というのも、ご主人が頭脳を持っているのは望ましくないからです。私の言わんとしている資質は定義が難しいのですが、まあ、非常事態に対処する才能とでもいいましょうか。非常事態に遭遇なさると、ウースター様はすぐに気弱な微笑みを浮かべて目の玉を飛び出させてしまわれます。貫禄といったものが皆無なのです」
「ご主人が頭脳を持っているのはのぞましくない」なんて、言ってくれますね、ジーヴズも。
ウースターは服装のセンスも今一。
派手なチェックのスーツとか藤色の靴下とかを履くんですから。
ジーヴズのご機嫌が悪くなる時は、ウースターがセンスの悪い服を着る時なのです。
結局これらの趣味の悪い服は、話の最後にジーヴズに処分されてしまうのですが。
ウースターは自分の頭の悪さを自覚しているだけいいですわ。
彼は何か面倒なことがあるたびにジーヴズに頼っています。
ジーヴズは主人に頼まれれば上手く対処するし、頼まれなくても主人によかれとこっそりと手をまわします。
主人のことでジーヴズの知らないことはないようです。
だからASK JEEVESなんですね。
私はジーヴズにのファンになりました。彼の小生意気なところが好きなんです。
検索エンジンASK JEEVESのジーヴズのイラストは中年の顔がしもぶくれのおじさんですが、私のイメージはミスター・ビーンのローワン・アトキンソンかな。
一応ミステリーのカテゴリーに入れて置きましたが、ミステリーというよりユーモア小説です。
出てくる人たちが一癖も二癖もある人たちで、どうジーヴズに料理されるのか、読んでいて面白いです。
執事萌の人たちにお勧めです。
大田黒公園ライトアップ(2) ― 2011/12/02
先週訪れた時は紅葉が今一つだったので、また大田黒公園まで行ってみました。
紅葉が進んでいて、とても幽玄な感じがでていました。
紅葉とライトアップって合っていないと思った私ですが、改めます。
しかし、寒かったわ・・・。
上手く写真が撮れなかったので、再度チャレンジしたのですが、やっぱり私の普通のカメラじゃ駄目ですわ。三脚は使ってはダメと書いてあったので、使っていませんし・・・と書いていますが、三脚は持っていないですから関係ないんですが。
紅葉が進んでいて、とても幽玄な感じがでていました。
紅葉とライトアップって合っていないと思った私ですが、改めます。
しかし、寒かったわ・・・。
上手く写真が撮れなかったので、再度チャレンジしたのですが、やっぱり私の普通のカメラじゃ駄目ですわ。三脚は使ってはダメと書いてあったので、使っていませんし・・・と書いていますが、三脚は持っていないですから関係ないんですが。

入り口から入ると、左右にイチョウの木があります。イチョウはまだ十分に黄色くなっていません。

この引き戸のところの紅葉がきれいでした。

池の周りの紅葉が進んでいたので、前回よりも数段きれいでした。
この池の景色は見る価値があります。
写真をブログにアップするのにどう画素数(でいいのかしら?)を落とせばいいのかわかっていません。そのためサイズを小さくするためにメールで送ると、こんな風に真四角になってしまいます。
どうしたら元の写真サイズにして載せることができるのかしら?
カメラを変えて撮ったのですが、あまり変わらないですね。
やっぱり腕のせいですか・・・(泣)。



茶室の前の木も少し色づきました。


門に向って撮ったものです。

写真を見るより、実際に見た方が何倍もきれいです。
相棒のご機嫌をとって、再度訪れたいと思いますが、さて、相棒は行ってくれるでしょうか?
相棒のご機嫌をとって、再度訪れたいと思いますが、さて、相棒は行ってくれるでしょうか?
紅葉の大田黒公園 ― 2011/12/03
紅葉が綺麗になっているようなので、またカメラ片手に大田黒公園に行ってきました。
ライトアップもよかったのですが、同じように昼間の紅葉も美しいです。
ライトアップもよかったのですが、同じように昼間の紅葉も美しいです。

門のところのイチョウも色づいています。

引き戸のところの紅葉です。

反対側から門の方を見ると、イチョウの黄色が鮮やかです。

紅葉とイチョウの赤と黄色のコントラストがすばらしいです。

池に続く道の紅葉も色づきつつあります。


池にある休憩所みたいなところのまわりも紅葉がきれいです。



池に鯉がいて、水に浮かんでいる葉っぱを口にいれています。まさか食べているわけではないと思うのですが、何のために口に入れているのでしょうか?

茶室の前の木も色づき始めました。

茶室の横にある休憩所です。


紅葉とイチョウの両方を見られる場所って他にあるでしょうか?
自然の色って本当に綺麗ですねぇ。

ウィーン室内合奏団@紀尾井ホール ― 2011/12/04

<プログラムB>
W.A.モーツアルト:弦楽四重奏曲 第20番 ニ長調 K.499 「ホフマイスター」
W.A.モーツアルト:ディヴェルティメント 第7番 ニ長調 K.205
F.シューベルト:八重奏曲 ヘ長調 Op.166、D.803
W.A.モーツアルト:弦楽四重奏曲 第20番 ニ長調 K.499 「ホフマイスター」
W.A.モーツアルト:ディヴェルティメント 第7番 ニ長調 K.205
F.シューベルト:八重奏曲 ヘ長調 Op.166、D.803
[第一ヴァイオリン] ヨゼフ・ヘル
[第二ヴァイオリン] アンドレアス・グロスバウアー
[ヴィオラ] トバイアス・リー
[チェロ] タマーシュ・ヴァルガ
[コントラバス] クリストフ・ヴィンマー
[クラリネット] ゲラルト=アロイス・パッヒンガー
[ファゴット] リヒャルト・ガラー
[ホルン] ヴォルフガング・トムベック
オーケストラもいいけれど、どちらかというと私の今の好みはこじんまりとした室内楽です。ウィーン・フィルのトップ・メンバーによって結成されているということですし、思ったほど(バレエほどかな)チケット代も高くなかったので、モーツアルトを2曲演奏する3日のチケットを買いました。
紀尾井ホールは初めて。こじんまりしたいいホールです。
今回は高齢の男性が多く、珍しく男性用トイレに列ができていました。
音が繊細で多色で、息があった素晴らしい演奏でした。
ヨゼフ・ヘルさんはリーダーだけあって温厚な人柄を思わせるような物腰です。
彼のヴァイオリンの高音が美しかったです。
ヴァイオリンの音っていいですね。
ホルンなど音をはずすんではないか・・・なんて心配してましたが、バレエ公演の時のようなことなんてありませんでした。
当たり前ですよね。ウィーン・フィルのメンバーですからねぇ。
自宅でホームコンサートをして彼らを招いている・・・と妄想していました。
絵の才能と音楽の才能のどちらが欲しいかと聞かれたら(誰も聞かないけれど・・・)、私は迷わず音楽の才能と言いますわ。
他の人たちと音を合わせることを一度でいいからやってみたいのです。
アンコールで三曲演奏してくださいました。
モーツアルト1曲、シュトラウスのポルカ2曲。
この三曲、どこかで一度は聞いている曲なので、彼らの演奏のすばらしさが一層わかります。
特にポルカは弾きなれたものなので、彼らの身になっているんですね。
本当に楽しそうに弾いていました。聞いている私もウキウキと心が高揚していきます。
オーストリアの宮廷で踊っている貴族の姿を想像できます。(ポルカって舞踏会で踊っていたのよね・・・?)
コンサートの後に伊勢丹にいったら、人が多すぎて気分が悪くなってきました。
教訓:すばらしい音楽を聞いた後は、まっすぐ家に帰えろう。
来年のお正月にはウィーン・フィルのニューイヤーコンサートを見て、彼らを探してみますわ。
[第二ヴァイオリン] アンドレアス・グロスバウアー
[ヴィオラ] トバイアス・リー
[チェロ] タマーシュ・ヴァルガ
[コントラバス] クリストフ・ヴィンマー
[クラリネット] ゲラルト=アロイス・パッヒンガー
[ファゴット] リヒャルト・ガラー
[ホルン] ヴォルフガング・トムベック
オーケストラもいいけれど、どちらかというと私の今の好みはこじんまりとした室内楽です。ウィーン・フィルのトップ・メンバーによって結成されているということですし、思ったほど(バレエほどかな)チケット代も高くなかったので、モーツアルトを2曲演奏する3日のチケットを買いました。
紀尾井ホールは初めて。こじんまりしたいいホールです。
今回は高齢の男性が多く、珍しく男性用トイレに列ができていました。
音が繊細で多色で、息があった素晴らしい演奏でした。
ヨゼフ・ヘルさんはリーダーだけあって温厚な人柄を思わせるような物腰です。
彼のヴァイオリンの高音が美しかったです。
ヴァイオリンの音っていいですね。
ホルンなど音をはずすんではないか・・・なんて心配してましたが、バレエ公演の時のようなことなんてありませんでした。
当たり前ですよね。ウィーン・フィルのメンバーですからねぇ。
自宅でホームコンサートをして彼らを招いている・・・と妄想していました。
絵の才能と音楽の才能のどちらが欲しいかと聞かれたら(誰も聞かないけれど・・・)、私は迷わず音楽の才能と言いますわ。
他の人たちと音を合わせることを一度でいいからやってみたいのです。
アンコールで三曲演奏してくださいました。
モーツアルト1曲、シュトラウスのポルカ2曲。
この三曲、どこかで一度は聞いている曲なので、彼らの演奏のすばらしさが一層わかります。
特にポルカは弾きなれたものなので、彼らの身になっているんですね。
本当に楽しそうに弾いていました。聞いている私もウキウキと心が高揚していきます。
オーストリアの宮廷で踊っている貴族の姿を想像できます。(ポルカって舞踏会で踊っていたのよね・・・?)
コンサートの後に伊勢丹にいったら、人が多すぎて気分が悪くなってきました。
教訓:すばらしい音楽を聞いた後は、まっすぐ家に帰えろう。
来年のお正月にはウィーン・フィルのニューイヤーコンサートを見て、彼らを探してみますわ。
垣根涼介 『君たちに明日はない』 ― 2011/12/06

久しぶりの経済小説です。
これもお仕事本。
なんと主人公の村上真介は首切り請負人。
三十二歳のイケメン君です。
「とうの立ってきたジャニーズ系のアイドルを、一晩ぬか漬けにしたような顔。美男子、とは言えないこともないが、ぱっと見た全体の雰囲気が、とにかく軽薄この上ない」
こんな人にリストラされたくはないですよね。
でも、彼、見かけに似合わずやり手なんです。
仕事は真摯な態度で臨みます。彼に調べられると、大変。痛い所をつかれます。
しかし、彼はいい奴なんです。リストラ請負人なのにいい奴と疑問に思うかもしれませんが、本を読んでいくうちにわかります。
会社も自分たちでリストラをやると恨まれますし、色々と面倒なんでしょうね。
真介の勤めているような企業に頼んでリストラやるんですね。知りませんでした。
でも、本当にこんな企業あるんでしょうかね?
リストラされる方としては、自分は会社でいらない人間かと、自尊心を著しく傷つけられます。辛いです。
「リストラ最有力候補になる社員にかぎって、仕事と作業との区分けが明確に出来ていない。つまり、自分の存在がこの会社にとってどれだけ利益をもたらしているのか」
こういわれると・・・。それほど利益をもたらしていないかもと、私なんか頭をうなだれ、小さくなってしまいます。
私って結構自尊心が強くて、あきらめがいいので、リストラ候補になったら、私を認めてくれない企業なんかにいてやるもんかと、すぐに辞めちゃいそうです。
辞めたら辞めたでどうにかなる。そう思えるのも、夫がいるからですけどね。夫がいなかったら、しがみつくしかない・・・?
リストラする企業は、建材メーカー、玩具メーカー、銀行、自動車メーカーのコンパニオン、音楽プロダクションの五社です。
それぞれの企業の意外な面がわかって、「ふむふむ」と思わずつぶやいておりました。
真介君、今時のイケメンなのに、実は北海道の片田舎出身なんです。
そして、熟女好み。デートはエスニック料理。
私の好みです。
このシリーズ続いています。
『借金取りの王子~君たちに明日はない 2』と『張り込み姫~君たちに明日はない 3』
どの話もリストラされた人が明るく、前向きに生きようとしているので、読んでいても暗くなりません。
甘いと言われそうですが、なんとかなるのが人生。
そう思って進んでいきたいですね。
これもお仕事本。
なんと主人公の村上真介は首切り請負人。
三十二歳のイケメン君です。
「とうの立ってきたジャニーズ系のアイドルを、一晩ぬか漬けにしたような顔。美男子、とは言えないこともないが、ぱっと見た全体の雰囲気が、とにかく軽薄この上ない」
こんな人にリストラされたくはないですよね。
でも、彼、見かけに似合わずやり手なんです。
仕事は真摯な態度で臨みます。彼に調べられると、大変。痛い所をつかれます。
しかし、彼はいい奴なんです。リストラ請負人なのにいい奴と疑問に思うかもしれませんが、本を読んでいくうちにわかります。
会社も自分たちでリストラをやると恨まれますし、色々と面倒なんでしょうね。
真介の勤めているような企業に頼んでリストラやるんですね。知りませんでした。
でも、本当にこんな企業あるんでしょうかね?
リストラされる方としては、自分は会社でいらない人間かと、自尊心を著しく傷つけられます。辛いです。
「リストラ最有力候補になる社員にかぎって、仕事と作業との区分けが明確に出来ていない。つまり、自分の存在がこの会社にとってどれだけ利益をもたらしているのか」
こういわれると・・・。それほど利益をもたらしていないかもと、私なんか頭をうなだれ、小さくなってしまいます。
私って結構自尊心が強くて、あきらめがいいので、リストラ候補になったら、私を認めてくれない企業なんかにいてやるもんかと、すぐに辞めちゃいそうです。
辞めたら辞めたでどうにかなる。そう思えるのも、夫がいるからですけどね。夫がいなかったら、しがみつくしかない・・・?
リストラする企業は、建材メーカー、玩具メーカー、銀行、自動車メーカーのコンパニオン、音楽プロダクションの五社です。
それぞれの企業の意外な面がわかって、「ふむふむ」と思わずつぶやいておりました。
真介君、今時のイケメンなのに、実は北海道の片田舎出身なんです。
そして、熟女好み。デートはエスニック料理。
私の好みです。
このシリーズ続いています。
『借金取りの王子~君たちに明日はない 2』と『張り込み姫~君たちに明日はない 3』
どの話もリストラされた人が明るく、前向きに生きようとしているので、読んでいても暗くなりません。
甘いと言われそうですが、なんとかなるのが人生。
そう思って進んでいきたいですね。
佐々木護 『疾駆する夢』 ― 2011/12/08
日本の自動車産業を扱った経済小説です。

戦前にフォードの整備工場で働いていた多門大作は徴兵され、作業中隊に所属する自動車手になりました。
終戦になり復員し、しばらくは青梅の生家で世話になっていたのですがいずらくなり、横浜の自動車工場に職探しに行きますが、どこにも働き口はありません。
前に勤めていた自動車整備工場にもう一度行ってみると、おかみさんがここで整備工場を続けてくれるのなら場所を貸してもいいと言います。
大作は早速土地を借りることにし、「自動車修理・整備全般 多門自動車」という看板を掲げます。
しかし、仕事は入りません。
六日ばかり経った時に、立ち往生しているトラックを直したことから、鄭という廃品回収業を営んでいる男と知り合い、運が向いてきます。
鄭から廃品を買って自転車やリヤカー、オートバイ、サイドカー付きオートバイ、原動機付き自転車「パラパラ」と作っていくうちに、儲うかるようになり、会社はだんだんと大きくなっていきます。
「パラパラ」が売れ始めた頃にエンジニアの吉田が多門の工場に現れ、彼が「いずれ、自動車を作りたい」と言ったのを聞き、大作は自動車を作るという夢を持ち始めます。
ただの整備工場から自動車会社を作り、ル・マンにも挑戦し、車を海外へ輸出するようになり、最後は・・・という日本の自動車産業の戦後史がこの本に描かれています。
実在の自動車会社ではないのですが、タモンクーペという自動車が本当にあるかのような錯覚に陥りました。
日本の良さは、ここに書かれているような中小企業の「ものづくり」ではないでしょうか。
前に勤めていた自動車整備工場にもう一度行ってみると、おかみさんがここで整備工場を続けてくれるのなら場所を貸してもいいと言います。
大作は早速土地を借りることにし、「自動車修理・整備全般 多門自動車」という看板を掲げます。
しかし、仕事は入りません。
六日ばかり経った時に、立ち往生しているトラックを直したことから、鄭という廃品回収業を営んでいる男と知り合い、運が向いてきます。
鄭から廃品を買って自転車やリヤカー、オートバイ、サイドカー付きオートバイ、原動機付き自転車「パラパラ」と作っていくうちに、儲うかるようになり、会社はだんだんと大きくなっていきます。
「パラパラ」が売れ始めた頃にエンジニアの吉田が多門の工場に現れ、彼が「いずれ、自動車を作りたい」と言ったのを聞き、大作は自動車を作るという夢を持ち始めます。
ただの整備工場から自動車会社を作り、ル・マンにも挑戦し、車を海外へ輸出するようになり、最後は・・・という日本の自動車産業の戦後史がこの本に描かれています。
実在の自動車会社ではないのですが、タモンクーペという自動車が本当にあるかのような錯覚に陥りました。
日本の良さは、ここに書かれているような中小企業の「ものづくり」ではないでしょうか。
資源もない日本ですから、技術を売るしかないですものね。中小企業のみなさま、頑張ってください。
ちょっと余計な大作のラブライフなどが書いてありますが、そんなことが気にならないほどで、厚くてもおもしろく読めてしまう本です。
私としては最後までエンジニアの吉田がどうなったのかという疑問が残りました。吉田のその後にも触れて欲しかったです。
ちょっと余計な大作のラブライフなどが書いてありますが、そんなことが気にならないほどで、厚くてもおもしろく読めてしまう本です。
私としては最後までエンジニアの吉田がどうなったのかという疑問が残りました。吉田のその後にも触れて欲しかったです。
「ぬぐ絵画―日本のヌード 1880-1945」展@東京国立近代美術館 ― 2011/12/10

黒田清輝の絵のポスターに惹かれて行ってきました。
この展覧会を見る前は、日本の絵画にヌードがどう描かれていたかどうか考えてもみませんでした。
浮世絵に水浴びする女性のもろ肌を脱いだ絵がありますが、そういえば全身裸というのは見たことがありません。春画がありますが、美術作品ではないですし・・・。
日本人が裸体画を鑑賞するということは明治になるまでなかったということです。
1895年にフランスから帰国した黒田清輝がフランスで描いた「朝妝」を第4回内国勧業博覧会に出品しました。この「朝妝」は空襲で焼けてしまいましたが、ちなみにこんな絵だったそうです。

今では何の変哲もないこの絵が、日本美術会初の裸体絵画だそうです。
裸体論争が起こり、風刺画家ビゴーは当時の様子をおもしろおかしく描いています。
この頃の日本人は公の場でのヌードを見慣れなかったということですね。
問題なのは胸ではなくて、下なのです。

この絵は前に三菱三号美術館の『三菱が夢見た美術館』展で見ましたが、発表された時はなんと下半身を布で覆って展示したそうです。
横に寝た絵はエロチックすぎるからと、黒田は横になった女性を縦に描きます。
そうすると立っているように見えるからだそうです。
横に寝た絵はエロチックすぎるからと、黒田は横になった女性を縦に描きます。
そうすると立っているように見えるからだそうです。

この「野辺」がそういう意図で描かれていたとは・・・。
上野の黒田清輝記念館にあった「智・感・情」も展示されています。
三人の神々しいような女性たちですが、裸体論争に抵抗を示し、裸体の美をしらしめるために描いたものなのでしょうね。
黒田清輝が日本美術会に与えた影響は大きいのです。
黒田清輝を見ただけで満足でした。
ちょっと思ったのが、美術館の部屋の違いでしょうか、飾り方の違いでしょうか、絵の美しさがあまり生きていないような気がしました。
黒田清輝が日本に裸体絵画を定着させ、定着したヌード絵画は開花し成熟していきます。
萬鉄五郎(よろずてつごろう)の絵なんかおもしろいですね。

自分の妻を描いたそうですが、黒田と比べると人間臭い、ムンムンとした生命力溢れる絵です。ゴーギャンのタヒチの女性を思わせます。
古賀春江(男です)の絵は好きです。彼はキュビスムやシュルレアリスムなどの影響を受けています。残念なことに、38歳の若さで亡くなっています。
古賀春江(男です)の絵は好きです。彼はキュビスムやシュルレアリスムなどの影響を受けています。残念なことに、38歳の若さで亡くなっています。

彼の代表作の「海」は4階の所蔵作品展に展示してありますので、この展覧会を観終わったら行ってみてください。
所蔵作品展もヌード満載です。
他にも梅原龍三郎や中村彝(なかむらつね)、村山槐多、熊谷守一、安井曽太郎など近代日本美術会のそうそうたるメンバーの作品があります。
見に来る人も少なく、ゆっくりじっくり見ることのできる面白い展覧会です。
とっても残念だったのが、疲れたのでお茶でもと思ったら・・・、喫茶室がありませんでした。どうもクイーンアリスが撤退したようです。他の美術館ほど人が来ないせいですかね。
流行りのお店でなくていいから、ブリジストン美術館のようなこじんまりした喫茶室を望みます。
大田黒公園のイチョウ ― 2011/12/11
しつこいようですが、また大田黒公園に行ってきました。
夫曰く、「京都のようだ」。
京都に怒られそうですが、匹敵するような、きれいな紅葉です。
これでお寺があればバッチリなのですが。
夫曰く、「京都のようだ」。
京都に怒られそうですが、匹敵するような、きれいな紅葉です。
これでお寺があればバッチリなのですが。

前回の写真との違いがわかるでしょうか。
そうです。イチョウの葉が地面を埋めているのです。

いつもは神宮外苑までイチョウを見に行くのですが、「その必要がない」と夫が言っていました。

こどもが嬉しそうにイチョウの葉を飛ばしながら走っていきます。
池の周りの紅葉はまだ綺麗です。


水に紅葉の赤が映えます。

前回はおばあさんたちのくつろぎでしたが、今回は奥様方の語らいです。

木が冬支度をしていました。

休憩所から見た景色です。

この公園に桜があればいいのですが。どうでしょうか。
善福寺川沿いの桜が綺麗だとのこと。
春を楽しみに冬を過ごすことにします。
コーディ ・マクファディン 『遺棄』 ― 2011/12/13

夫と娘を殺され、自身もレイプされ傷つけられたにもかかわらず、果敢にも仕事を続け、犯罪者を追っているスモーキーです。
そんな彼女が過去のトラウマを克服し新しい一歩を踏み出しますが、事件は待ってはくれません。
前回結婚予定だったキャリーの結婚式会場に、長期間監禁されていたらしい女性が遺棄されます。この女性は元刑事で八年間も行方不明になっていました。
夫のところに妻が見つかったことを知らせに行くと、夫は再婚しており、どうも行動がおかしいのです。
彼は今の妻と結婚するために邪魔な元妻を<ダリ>という名の男に始末するように頼んでいたようです。
同じように監禁されている女性がまだいました。
何年間も潜伏していたのに、何故今、<ダリ>は自分の存在をスモーキーたちに知らせてきたのか。
スモーキーのチームが<ダリ>を追い詰めていきますが・・・。
プロファイリングというものが犯人逮捕に何らかの働きをしているということを聞いていますが、今度は「地理的プロファイリング」なんてものが出てきました。
「地理的プロファイリングは、犯罪者を基本的に四つのタイプに分けておこなう。ひとつは狩猟型だ。このタイプは自宅を拠点にして獲物をさがす。二つめは密漁型。このタイプは自宅から離れた場所を拠点として狩りをする。こちらのほうが利口で、自分の裏庭で糞をするのはまずいと知っているんだ。次は流し釣り型。このタイプは出来心で動く。無秩序型の犯罪者である可能性が高い。なにかしているあいだに気に入った獲物を見つけ、衝動的に犯行におよぶ。最後は罠掛け型だ。このタイプは獲物を自分のところに誘い込んで襲いかかる」
犯罪を「空間的距離の視点から考える」らしいです。
刑事にはなりたくないですが、プロファイリングはおもしろそうです。
日曜日に散歩をしていると、神社に茅の輪がありました。
茅の輪は年に二回あるんですね。
6月は夏越しの祓、12月は年越しの祓というそうです。
本来は6月30日と12月31日にやるようですが、その日に行けない人のために幅をもって茅の輪をおいてくれているなんてありがたいです。

イチョウも綺麗だったので、茅の輪と一緒に写してみました。
ネットで調べてみると、「左に回る時は左足で茅の輪をまたいで輪をくぐり、右に回る時は右足でまたぎ、最後は左足でまたいでご神前まで行く」と書いてありますが・・・。知りませんでした。次回からやりますわ。
不思議な漫画三冊 ― 2011/12/14
不思議な漫画と言えば、高野文子。なんというかゆるキャラなんだけれど、なんか世間とずれているような、変わった主人公がでてきます。

昭和三十年ぐらいの(と思うのですが・・・)日本が出てきます。
彼女の描いた『絶対安全剃刀』なんかもお勧めです。
一気にメジャーになったさおり&トニーですが、映画は見ていません。
トニーの言葉に対する好奇心が面白い漫画シリーズです。
今回読んだのは『イタリアで大の字』。

別にトニーがイタリアで大の字になって昼寝をしたという話ではないです。
なんと、イタリアでいろんなことを体験しちゃうんです。いいですね。
例えば、仮面づくり、絵画修復、ジュエリーづくり、カヌー、中世料理、旗振り、トリュフ狩り、ぶどうの収穫、モザイクつくり、くるみ採り、温泉、カメオつくり、サボテンの実食・・・。
私もしてみたいものです。
おもしろすぎると思っていたら、取材が大変だったそうです。やっぱりね。
ぶらっといって、こんな体験できないですわ。
最後はIKARINGの『ハングリーorラブ』。
なんと、イタリアでいろんなことを体験しちゃうんです。いいですね。
例えば、仮面づくり、絵画修復、ジュエリーづくり、カヌー、中世料理、旗振り、トリュフ狩り、ぶどうの収穫、モザイクつくり、くるみ採り、温泉、カメオつくり、サボテンの実食・・・。
私もしてみたいものです。
おもしろすぎると思っていたら、取材が大変だったそうです。やっぱりね。
ぶらっといって、こんな体験できないですわ。
最後はIKARINGの『ハングリーorラブ』。

女30歳、独身、一人暮らし、恋人なし、お金なし。
常に身(おなか)も心もハングリーです。
お金がないので、お腹がすいたら、おごってくれる人を探します。
友人・知人におごってくれる人を紹介してもらいまくっています。
それでもダメなら、出会い系サイトでごはんをおごってくれる人を探します。
出会い系なんかでご飯をおごる=後で○をするんだと思っている私は世間知らずでしょうか。
今の若い子(おー、おばさんだ!)はあまりそうは思ってなくて、ただの出会いの一種だと思っているのでしょうね。
まあ、こんな人が本当にいたら、ある意味すごいです。たくましいです。
まさかIKARINGの実体験?
最後に一体どうなったのか、わけのわからない終わり方なので、戸惑ってしまいました。続きがあるんでしょうか?
どの漫画も不思議な魅力のある漫画です。
暇な時に手に取って、クスリと笑ってください。
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