「フェルメールからのラブレター展」@Bunkamuraザ・ミュージアム2012/01/09



この≪手紙を読む青衣の女≫が修復を終わって、初のお目見えということで話題になっている「フェルメールからのラブレター展」に行ってきました。
展覧会も後半になると混むという噂でしたが、今でも混んでいます。
午前中に見たのですが、午後の三時過ぎに会場の前を通り過ぎると、入場券売り場に10人以上の人が並んでいました。
このままでいくと、後半には人の頭しか見えない状態になりそうです。
1時間ごとに入場者を決めるとかいうように、混雑状況を緩和することを美術館も考えていいと思うのですが。
日本にいてフェルメールを見られるということはありがたいことです。しかし、何万人入ったと自慢することはもう止めて、じっくりと落ち着いて鑑賞できる環境づくりをして欲しいものです。

思い返してみると、フェルメールがこんなに人気になったのはいつからでしょうか?私がオランダを旅行した頃は、フェルメールはそれほど評判になっていませんでした。

この展覧会にはフェルメールの作品は三作、展示されています。
ポスターの≪手紙を読む青衣の女≫の他に≪手紙を書く女≫と≪手紙を書く女と召使≫です。

左側に窓があり、そこから光が入っているという構図はフェルメール独自というわけではないようです。絵画史をよく知らないのですが、室内を描くというのが17世紀のオランダ絵画の主流だったのですかね。

ピーテル・デ・ホーホの絵(↓≪室内の女と子供≫)では奥の戸が開いていて別の部屋が見えるようになっています。こういう構図もこの頃の絵画に多いです。絵を習っている友人曰く。「遠近感がわかるように描いているのかしら」


この展覧会で私的に面白かったのが次の三点の絵です。
最初は学校の様子を描いたヤン・ステーンの≪生徒のお仕置きをする教師≫。


足元に破かれたテスト用紙。周りの子どもたちは面白そうにお仕置きをされる子を見ています。子どもの表情がいいです。
教師の持っている木の匙のようなものが生徒の手を打つんでしょうね。イギリスなどの映画で、罰としてお尻を打つ場面を見た覚えがありますが、オランダの学校では手の平を叩くんですね。この子は叩かれるのが怖くて泣いているんでしょうか。


エドワード・コリエルの≪レター・ラック≫のようなものが、この頃に描かれていたのですね。イギリスの新聞や羽ペン、レター・オープナー、封蝋、ろうそく、スタンプなど手紙を書く時に必要な道具が描いてあります。当時の手紙を書く道具がわかって面白いです。

この展覧会で一番好きなのが、若くで亡くなったというアンドリース・ファン・ボホーフェンの描いた≪テーブルに集うファン・ボホーフェンの家族≫です。


一人一人が生き生きと描かれています。やっぱり自分の家族ですから、一人一人の個性を知っていますからね。(こちらをジーと見られている感じでちょっと気持ち悪いけれど)宗教心の篤い家族の絆が感じられる作品です。

17世紀のオランダ絵画はこの頃の風俗がわかって面白いのですが、絵として好きかどうかと言われると、「好きでも嫌いでもない」としかいいようがありません。
友人は「私はこういう緻密な絵よりももっと大胆な筆遣いの絵の方を書きたいと思う」と言っていました。

ザ・ミュージアムでは3月31日から「レオナルド・ダ・ヴィンチ――美の理想展」、8月4日からは「レーピン展」、10月は英国水彩画展をやるようです。
怖い絵 3』で紹介されていたレーピンの『皇女ソフィア』が来るようです。怖いもの見たさで、見に行きたいですわ。

ドゥ・マゴ・パリでランチをしました。
フェルメール展開催記念メニューのひき肉のローストレモンソースを食べました。



友人曰く。「なんだ、普通のハンバーグじゃない」
そうですね。ハート形をした、ちょっと硬めのハンバーグという感じです。

この展覧会の後、友人と別れ、相棒と待ち合わせをして恵比寿まで行ってきました。
ガーデン・プレイスではまだライトアップをしていました。



用事をすませ、夕食に入ったのが駅からちょっと遠いイタリア料理屋。いつまでたっても客が入ってきません。最後まで私たちだけでした。


白アスパラガス(写真)とかフランス産三種類のキノコのソテー、イタリアの野菜(名前を忘れた)のフリットなど美味しかったのですが。場所ですかね・・・。

そろそろお正月気分から仕事モードに気持ちを戻さなければなりません。
あ、ついでに正月太りの2キロも落とさなければ・・・。
(写真はiPhoneで撮ってみました)