退職後の仕事は、探偵2013/05/10

ミステリーファンの男性が定年退職したら、何をやるのでしょうか。
そう、探偵になるのです。


警視庁の経理課で37年働き、無事に退職を迎えた木野塚氏は、フィリップ・マーロウのような私立探偵になろうと決心します。
新宿の『栄光ビル』といううらびれた雑居ビルの四階に部屋を借り、電話をひき、求人誌に秘書募集広告を載せますが、木野塚氏の望むような美人秘書は現れません。(一体何を考えているのでしょうね。この男)
やっと現れたのが、ツィッギー(痩せたモデル)のような女性。
彼女はたまたまパチンコ屋で隣に座っていた看板屋から、大当たりが出たので手が離せられないので、プレートを持って行ってくれと頼まれ、プレートを持って来たのです。
彼女は暇なので、秘書を募集しているのなら雇ってくれと言います。
木野塚氏は不満ながらも、他に誰も来ないので、彼女を雇います。
しかし、世の中はそううまくいかない。仕事がないのです。
やっと仕事が来たかと思ったら、なんと金魚の誘拐事件・・・。


大企業のサラリーマンの仁木順平は、会社を辞めて新たな事業を始めたい人が退職前の一年間、休職扱いで自分の好きなように時間を使えるという『転身退職者支援制度』を使い、私立探偵になることにします。
しかし、依頼人はやってきません。
事務所を開いてから三日経って、安梨沙という少女のような女性が猫を連れてやってきて、仁木にパートの助手になってあげると言い出します。
彼らの最初の仕事は貸金庫の鍵探しです。

この二冊の本の主人公は探偵になりたいということは同じなのですが、全く違うタイプの男性です。
木野塚氏はさえない、推理もできないくせに自分はできると勘違いしているただのスケベおやじです。
一方、仁木は大企業にいても仕事ができたんだろうなと思わせられる、いい人です。
この主人公のタイプの違いは、作者が男か女かという違いでしょうかね。

どちらも殺人事件などは扱っていませんが、『螺旋階段のアリス』の方がファンタジーじみていて私の好みです。
『不思議の国のアリス』が好きな人はより楽しめるでしょう。


 

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