小路幸也 『モーニング』2014/10/22



東京バンドワゴン・シリーズを書いている小路さんの他の作品を読んでみました。

『モーニング』とは、「朝(morning)」という意味ではなく「喪に服す」という意味です。スペリングが違って「mourning」です。

大学時代、今でいうシェアハウスのようなことをしていた4人が、その時一緒に暮らしていた仲間の突然の死により、20数年ぶりに葬儀で再開することになりました。

葬儀も終わり、それぞれの家に帰るために別れようとしている時に、俳優をやっている淳平が急に言いだします。
自殺をしようと思っていると。
自殺を思いとどまらせようと、私とワリョウ、ヒトシは淳平と一緒に車で福岡から東京へ帰ることにします。
淳平は自分が何故死のうと思ったのか、その理由を思い出してくれたら自殺を止めると言います。
4人は車の中で、大学時代のことを思い出し、語り合います。

学生時代で一番思い出があるのが大学時代です。
初めて親元を出て、一人暮らしを始めて、今思い返すと、あれほど自由な時はなかったと思います。
4人の思い出す大学時代も同様です。

彼らがある人物に最終的にどんなことをしたのかが気になりますが、大学時代はよかったなぁと純粋に思い、楽しく読める作品です。



この前、カレーを食べたくて行った吉祥寺の「まめ蔵」のスペシャルカレーです。
お肉は鳥肉でお願いしました。
このお店、かわいい店内で、カレー屋というよりも喫茶店風です。
ディナータイムがおすすめです。
カレー以外にヨーグルトとドリンク、サラダがついてきて、お腹がいっぱいになります。
カレーはもっとスパイスが利いていると私好みなのですが、カレー好きの相棒は気に入ったようです。

「チューリヒ美術館展」@国立新美術館2014/10/24



国立新美術館でチューリヒ美術館展を見てきました。
スイスにはまだ行っていないので、もちろんチューリヒ美術館へは行ったことがありません。
故に、初めて見る絵がたくさんありました。
ひょっとして、この美術館展って日本で初なのかしら?

展示されていた絵絵画は印象派からシュルレアリスムまでで、今まで見た展覧会の中で、私としては一番おもしろかったです。
平日でもたくさんの人たちでにぎわっています。
いつも思いますが、日本の展覧会はゆっくり鑑賞するという感じではありません。
私はいつも後ろから流して見て、気に入った作品をじっくり見るということにしています。

ざっと私の好きな絵を紹介しましょう。


これはゴッホの『タチアオイ』です。
オランダのゴッホ美術館で彼の花の絵が好きになったのですが、彼の描く花の絵はすばらしいです。


これはゴッホそのものですが、空の青を始め絵具が濁っていなくて、まだ精神的に落ち着いていた頃の作品ですかね。
ゴッホって日本人好みの画家らしく、嫌いな人はあまりいませんね。

モネの作品もありました。
『睡蓮の池、夕暮れ』は晩年の作品で、目を悪くしてからなので、大作ですが、ぼやけた絵でした(笑)。
友人は色がきれいとか言っておりました。

ムンクは景色は下手くそなのですが(私にはそう思えたの)、人はうまいです。
ピカソの『大きな裸婦』は初お目見えかしら?


クレーの『深淵の道化師』は色を厚く塗った上をひっかいて描いたもので、何故か目を引かれる作品でした。


これもクレー、『スーパーチェス』。
配色がいいですね。
フラッシュメモリーをなくさないようにつけようと、この絵のストラップを買ってしまいました。
カンディンスキーの『黒い色班』も目をひきました。

シャガールはシャガールらしい『婚礼の光』や『戦争』、『パリの上で』の他に『窓から見えるヴレア島』が展示されていました。


来年、展示会が開催されるマグリットは一枚だけ展示されていました。
不思議な題名です。『9月16日』。


一番最後にジャコメッティの作品が展示されていました。


彫刻が有名なようですが、彼の描く線画がおもしろいです。

このように印象派以降のナビ派や表現主義、フォーヴィスム、キュビスム、抽象絵画、シュルレアリスムの作品が展示されており、おもちゃ箱を覗くような感じでした。

もっと人が少なくて、じっくり見ることができるといいのですが。
仕方ないので、そのうちスイスに行きますわ。(行きたいけど行けるかしら?)

展覧会後のランチは、リッツ・カールトン・カフェ&デリで軽く食べました。


シーフードグラタン。
もっとちゃんとしたものを食べたかったわ。

次回はウフィツィ美術館展に行こうと思っていますが、私と友人の都合がつかないので、12月になってしまいそうです。
また混んでいそうです(泣)。

ベイリー・ケイツ 『隠し味は罪とスパイス』2014/10/25

コージーミステリの新しいシリーズ、「ハニービー・ベーカリーの事件簿」。


オハイオ州からジョージア州のサバンナに、おばの新しく開店するベーカリーで働くためにやって来たケイティ。
サバンナに来たのは自分のパン職人としての腕を振るうためでもありましたが、実は失恋のショックから立ち直るためでもありました。

叔母のルーシーと叔父のベンはサバンナ・ダウンタウン商工会の会計係のメイビスに、開店前で忙しいにもかかわらず、強引に商工会のブランチミーティングに食事を出すことを約束させられます。
その当日、メイビスが払った料金は約束していたものより少ないものでした。
そのためベンとメイビスは口論し、お店から出て行ったメイビスは車の中で殺されてしまいます。
ベンは容疑者とされてしまい、ケイティとルーシーはベンの潔白を証明するために奮闘することとなりますが、この時、ルーシーはケイティに彼女自身の隠された秘密を明かします。
それは幼い頃からケイティが不思議に思っていたことを納得させる内容でした。

さて、ケイティの秘密とは・・・。

この秘密が出てきた段階で、私は読むのを止めようかと思いました。
でも、出てくる犬のマンゴーがかわいいので、最後まで読みました。
犬や猫が出てくると、ちょっと甘くなります。
でも、このケイティの秘密のことがなければいいのに・・・。

ジョアン・フルーク 『シナモンロールは追跡する』2014/10/26


庭に毎朝、猫のう○ちがあり悩んでいると、この前書きましたね。
まだ続いています。

毎日、他人の猫の、それもうちの犬の4~5倍以上(ホントにでかいのです)もあるのを取るのは苦痛です。
犬のは固くて取るのも簡単なのですが、猫のは柔らかくて粘着質ですね。
食べるものの違いでしょうか。
猫好きの人は我慢せよとおっしゃいますかね。
でもね、自分の子のう○ちを取るのは平気でも、人様のは嫌ですよね。
それと同じですよ。
私は猫も犬も大好きですが、これには困りました。
そこで色々と調べて導入したのが、ガーデンバリア。


我が家の庭はL字なので、今までは横のじゃりのところにしていたのに、この機械を置いてしばらくして、リビングの前にされました。
仕方ないので、もう一台、これより安いのを買いました。


これって猫っぽいですね。
今日から2台で見張りです。

猫さん、うちの庭に遊びに来てもいいけど、う○ちはやめてよね。
あ、この機械があるから、来れないか・・・。

犬にも利くのかなと思って夫がわんこを連れていったのですが、わんこは別に嫌がっていなかったそうです。



<クッキー・ジャー>のオーナー、ハンナが活躍するシリーズ。
このシリーズ、もうハチャメチャです。
こんなことしていいのということ満載。
出てくる人たちはもう感覚が狂っているとしかいいようがありません。
警察の代わりに犯人捜しをするのは、いつものお約束ですが、初めはハンナだけがやっていたのに、今や家族総出。
お母さんが検死をする医師と親しくなり、こそっと検死報告書をコピーし、妹は夫の保安官の事件報告書や写真をコピーしてるんですよ。
それだけでもいけないのに、容疑者の家宅捜査までしちゃうんですから。
やり過ぎです。
このシリーズ、どこまでいくんでしょうか。
もう、ハンナ家族全員が保安官になるか、探偵事務所を開いちゃえばいいのにね。

今回殺されるのはジャズバンドのキーボード奏者。
車の事故で手首に怪我をし、病院に運ばれ、そこで刺されて殺害されます。
この犯人捜しと共に、ハンナの元ボーイフレンドのノーマンの結婚を阻むため、ハンナたちは結婚相手のべヴのことも調べることにします。
信じられないことにハンナ姉妹はべブのお母さんの家にまで押しかけ、ベブの子とノーマンの親子鑑定するため、毛髪なんかまで盗むんですよ。

だんだんとおかしなことになっていくハンナ・シリーズです。
次にどんなことをするのか、恐ろしいですわ。

ジェシカ・ベック 『誘拐されたドーナツレシピ』2014/10/28



この頃めっきり甘えん坊になってしまった我が家のわんこ。
私が仕事に行く日の朝、わざとご飯を食べません。
行かない日は、パパが起きても無視。
ママが目を覚まして起き上がる気配がすると、すぐにハウスから出てお迎えの準備をします。
パパがその姿を見て驚いていました。

庭で遊ばせてみると、猫用の超音波に反応しないようです。
耳が悪いのかしら?
それとも猫と犬とでは嫌な音の領域が違うのかしら?
ここ二日ばかり、猫のう〇ちはなくて、気持ちのいい朝が続いています。
このままで行って欲しいです。

ドーナツ屋、<ドーナツ・ハート>のオーナー、スザンヌの活躍するコージー・ミステリの五巻目。


スザンヌは友達のグレースと家に帰るために真っ暗くなった公園を歩いていると、裏切りの木に吊るされた死体を発見してしまいます。
殺されたのは、地域のみんなから愛されていた便利屋のティムでした。
彼を叔父のように好きだったエミリーに頼まれて、スザンヌはティムを殺した犯人捜査に乗り出します。
もちろんグレースと元警官のジョージの助けを借りて。
運よく、恋人のジェイクも手伝ってくれることになります。

ちょうどその頃、<ドーナツ・ハート>では売り上げを伸ばそうと、「ドキドキワクワクの火曜日」という企画を立てて新聞に公告を出しました。
ところが、広告が間違っていて、「ドーナツ1個無料進呈」が「ドーナツ11個が無料進呈」になっていて、押しかけたお客さんでたいへんなことになります。
お客でごった返している時に、何者かがスザンヌが大事にしているドーナツ・レシピ・ノートを盗んでいきます。

ティムの犯人捜しとレシピ・ノートの行方捜しにてんてこ舞いのスザンヌです。

三冊のコージー・ミステリを読んで思ったのは、アメリカの田舎の警察は住民が捜査に口をはさんでも寛容なのかしらということです。
どう考えても、こういうことはないですよね。
あまりにも現実離れしています。
シリーズ物として続いてしまうと仕方ないのでしょうね。

堂場瞬一 『壊れる心――警視庁犯罪被害者支援課』2014/10/29

今は前よりも事件の被害者のプライバシーに注意が払われています。
それでも被害者の顔がテレビに映るのに、加害者が未成年だと名前も顔も保護されているのをみると、何か割り切れないものを感じます。


元捜査一課の刑事だった村野秋生は事件の被害者となり、そのことが原因で恋人と別れ、その時の膝の怪我のため最前線では働けなくなり、被害者支援課に属することになる。
支援員は被害者の心に寄り添い、傷が癒えるのを助けるのを仕事とする。
村野は自分がこの仕事い向いているのかわからないが、これからもずっと支援課で働いていこうと決心している。

ある月曜日の朝、通学児童の列に暴走車が突っ込んできた。
3人の児童と2人の男女が亡くなり、他に負傷者もいた。
秋生たち被害者支援員たちはすぐに現場のある江東署へと向かった。
亡くなった女性は妊娠しており、お腹の中の子も亡くなってしまう。
秋生が関わることになった彼女の夫の大住はショックのためか、精神的に不安定で危うい状態だった。

轢き逃げ犯は逃走。
秋生は被害者支援にはマニュアルはないと、独自のやり方で大住にアプローチするが、大住は秋生の想像も及ばない行動をとってしまう。

事件に決着が付くまでは支援員が側に付き添ってくださるようですが、事件に決着が付くと、今度は民間の支援センターに引き継がれるようです。
悲しみに沈んでいる人にどのような言葉をかければいいのか、本当に難しいです。
本の中に出てくる「犯罪被害者支援基本三か条」が参考になるかもしれません。

1.常に自分のことと考えて被害者に接する
2.過剰な思い入れは排する
3.時には沈黙を選ぶこと

元刑事らしからぬ秋生が、これからどのように被害者の側に立つのか興味があります。
次が楽しみです。(シリーズになるわよね?)


<今日のおやつ>
美味しいと評判のどら焼きを買ってきました。


阿佐ヶ谷にある「うさぎや」のどら焼きです。
休日には人が並んでいるので、さぞ美味しいんだろうと思ったのです。
平日は並ばなくても買えます。
そういえば「うさぎや」って台東区にあったような・・・?
調べてみると、上野、日本橋、阿佐ヶ谷と三店あるんだそうです。
日本橋が本店なんですって。
それぞれのお店で独自のどら焼きを作っているようです。
食べた感じは普通のどら焼きのようです。
というか、違いがわかるほど他のどら焼き食べてないですけど。
前に同僚から有名などら焼きということでもらったものが美味しかったのですが、たぶん亀十のだったような気がします。
ここはあんみつなんかが美味しいらしいので、次回にトライしますわ。

岡田真理 『いざ志願!おひとりさま自衛隊』2014/10/31



自衛隊というと、何やら胡散臭く感じてしまいます。
けっして働いている方に対してではありません。
真面目に国のことを考えて活動をしてくださっているのはわかっています。
その理由は「自衛」隊という名称から来ているようです。
「ようするに軍隊だろっ」と言いたいんですね。
軍隊を持つのがいいかどうか、色々と考えなければならないでしょうから、ここでは論議しませんが。

岡田さんは酔ったいきおい(?)で自衛隊の「よびじほ」と言われている「予備自衛官補」に応募します。
普通の人は酔っても応募しないと思いますが。
そして、受かっちゃうんです。

自衛官になるにはどうすりゃいいのかと思い、自衛官応募ホームページを見てみました。
色々と募集しているんですね。
普通の自衛官は「一般曹候補生」なのかしら?
「自衛官候補生」というのもありますね。違いはなんでしょう。
どちらにしても私は年齢制限(18歳以上27歳未満)にひっかかっているので、興味のある方はHPを見て考えてください。

岡田さんの予備自衛官は34歳未満なら応募できます。
技能の方では53歳未満でも応募できるとか。
必要な国家免許資格ってどんなのかしら?
HPだけではわかりませんね。

そうそう「予備自衛官」って何かわかりませんよね。
ようするに、「普段は企業等の一員として社会で活躍し、いざというときは自衛官として社会に貢献できる。それが予備自衛官制度」だそうです。
これになるには50日間の教育訓練を受けなければならないそうです。
もちろん働いていますからぶっ続けで50日ではありません。
5日間の訓練を10回なのだそうです。
内容は現職の自衛官の新隊員教育と同じで、敬礼や行進、銃の扱い方、戦闘訓練、射撃などなど。
そうとう体力に自信がなければ最期までやれません。
私には絶対に無理です。

何もなければ召集はないそうです。
自衛官の訓練ってどんなのか、興味があり、体力と根性がありあまっている方は、本書を読んで自信が持てたら申し込んでみてはいかがでしょう。
くれぐれも表紙のかわいい絵に騙されないようにしましょうね。
こんなかわいい自衛官はいない・・・かな?