ホリー・ジャクソン 『卒業生には向かない真実』2023/08/10

自由研究には向かない殺人』から始まり、『優等生は探偵に向かない』、そして『卒業生には向かない真実』と三部作が完結しました。


ケンブリッジ大学への入学が近づき、ピップは表面的には今までと同じような日常生活を過ごしていたが、彼女のメンタルは崩壊寸前だった。
死にとりつかれ、常に両手に血がついているのではないかという幻覚に悩まされ、眠れず、違法な薬の助けを借りていた。
もちろんそんなことを両親にも、友だちにも、そして恋人のラヴィ・シンにも言えない。
「もう一度、事件を解決できれば、なにもかもうまくいくようになる」
そう思うピップ。

そんな頃、ピップの身近で不審な出来事が続いていた。
自分はストーカーにまとわりつかれているのか…。
ラヴィに勧められ警察に行くが、相手にされない。
ピップは自らの手でストーカーを探すことにする。

調べていくと、六年半以上も前の連続殺人事件に行き当たる。
犯人は逮捕され、刑務所にいるというが…。

一作目ではイノセントで溌剌とした前途多望なピップだったのが、三作目では痛々しいとしか言いようがなくなり、悲しくてたまりません。
やっぱり殺人事件には近寄ってはいけませんね。
ピップにこんな思いをさせたくありませんでした。
何度、「止めて!」と思ったことか。
詳しくは書きませんが、驚愕の結末です。
賛否両論でしょうけど、こんなことがあると、ピップもラヴィも、もはやもとには戻れないし、幸せにはなれないと思います。
いいえ、なってはいけません。
一生その罪を抱えて生きていかなければなりません。

暗澹たるラストを知ると、誰にも勧められなくなった三部作です。


<今日のおやつ>
なかなか買えない、シヅカ洋菓子店のクッキーです。


今回は二度目の購入ですが、いつも発売日を忘れてしまい、気づくと売り切れです。
ザクザクとした噛みごたえのある、無骨なクッキーです。

コメント

_ ろき ― 2023/08/10 18時33分57秒

話題のシリーズですよね。たぶん読まないだろうなあと思っていましたが、やはりやめておきます…。

無骨クッキー、いいですね!美味しそう。

_ coco ― 2023/08/10 21時26分11秒

一作目が2020年のブリティシュ・ブックアワードの子どもの本部門受賞作品です。
だんだんとダークになってきて、子どもに読ませていいものかどうか、考えてしまいます。後味が悪くて、読まなきゃよかったとちょっと思いました。

このクッキー、食べ応えがあるので、1,2枚食べたら、もういらなくなります。

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