明けましておめでとうございます。2024/01/01



わんこたちからの御挨拶です。
今年、兄、12歳、弟、10歳になるシニア犬です。
病気もせずに元気に過ごしています。


昨年、弟にはおもちゃ、兄には洋服をクリスマスプレゼントにしました。
おもちゃは紹介したので、洋服をお見せしましょう。
セールで白いのを買おうと思ったのですが、ノロノロしていたら売り切れてしまいましたwww。


黄緑色、似合っていますね(親バカ)。
兄だけでは弟が怒るので、弟もおめかしをしてみました。(一昨年買ったのだけど)


弟だけの写真を撮ろうとしたのに、兄がどきません。
タテガミが見事です。


洋服の後ろが可愛いので、後ろ姿を撮ろうとしましたが、顔を向けるので、こうなってしまいましたww。おちゃらけヨーキーに合わせてミッキーです。
犬に洋服を着せることに疑問な方がいるとは思いますが、犬も人間と同様に寒さに弱いのですよ。お散歩に行く時に喜んで着ています。

今年もドッグフレンドリールームがあるホテルを探し、彼らと一緒に色々なところに行きたいと思います。


辰年なので、龍の置物を買ってみました。
右側のかわいい龍は秩父今宮神社のおみくじのです。可愛いので飾っておきます。

さて、恒例の昨年読んだ本の中から面白かったものや考えさせられたものをご紹介いたしましょう。

<日本ミステリ>
『未明の砦』 太田愛
『四日間家族』 川瀬七緖
『看守の流儀』&『看守の信念』 城山真一

<日本文学>
『逆ソクラテス』 伊坂幸太郎
『正欲』 朝井リョウ
『永遠と横道世之介』 吉田修一

<歴史・時代小説> 今後の活躍を期待して
『写楽女』&『おくり絵師』 森明日香

<外国ミステリ>
『卒業生には向かない真実』 ホリー・ジャクソン
シリーズ三部作の最終話で、驚愕の最後です。是非『自由研究には向かない殺人』と『優等生は探偵に向かない』を読んでから読んでください。

女性警部フルダ・シリーズ  
『闇という名の娘』
『喪われた少女』
『閉じ込められた女』 ラグナル・ヨナソン

刑事ヴァランダー・シリーズ  ヘニング・マンケル
グレーンス警部・シリーズ  アンデシュ・ルースルンド&ペリエ
ボッシュ&バラード・シリーズ  マイケル・コナリー

ヘニング・マンケルさんはお亡くなりになっていますので、ヴァランダー・シリーズは途中で終了しています。
グレーンス警部とボッシュはまだ続きますが、最後(最期?)までいけるかしら。
北欧ミステリは今年も続けて読んで行きます。

<TV番組> Amazon Prime Videoで鑑賞
「ホームカミング シーズン1」
「ボッシュ:受け継がれるもの シーズン2」
「占いタクシー」
「天狗の台所」

<この頃好きなVlog> YouTubeで見られます
「英国暮らし」 mikazuki
「北欧暮らし」 Karu&Siiri
バックグランドミュージックと映像が素敵です。イギリスやフィンランドに住みたくなります。

今年1年でブログに紹介した本はおよそ250冊です。
読書はストレス解消や認知症予防になるといいますので、気になる本があったら、是非図書館へ行って手に取ってください。
私と趣味が合わなくて、面白くなかったら、読むのを止めればいいんですから。

昨年、沢山の方々がブログを読みに来て下さったようです。
というのも、この頃、アサブロのランキングがおかしいのです。
年末最後に3位、今朝は5位ということで、驚いています。


「ママ、それは僕たちのおかげです」 

お散歩から帰って来たわんこたちがおやつを求めて五月蠅いので、御挨拶をして終わりましょうね。

「皆様、今年もよろしくお願いしますワン」 

刑事マルティン・ベック 『ロセアンナ』2024/01/03

年の初めから、地震と飛行機事故という思ってもみなかったことが起りました。
地震では東京の方も揺れ、東日本大震災を思い出し、原発は大丈夫かと心配でした。
一日も早い復旧と、被災された方々が日常生活に戻れるよう、お祈りいたしております。

グレーンス警部シリーズを読み終え、昨年末から刑事マルティン・ベック・シリーズを読み始めました。
気をつけてください。シリーズ物ですが、スウェーデン語から直訳された新訳版が四巻から刊行されていたのです。
私はそれを知らなくて、四巻目の『笑う警官』を先に読んでしまいました(恥)。
どうりで読んでいて、おかしいと思ったわwww。


1964年、7月8日。
ボーレンスフルトの閘門で、全裸の女性の死体が見つかる。
モーターラ署の警察官、アールベリが担当になり、女性の身元を探るが、モーターラの町にも、その周辺の警察管区にも捜索願が出されている行方不明者や公示されている失踪者もいなかった。

それから八日が経ち、女の身元も、犯行現場も、容疑者もわからず、捜査が行き詰まったため、スウェーデン警察本庁の刑事殺人課の捜査官マルティン・ベックとレンナルト・コルベリ、フレドリック・メランダーがモーターラに赴く。
しかし、それでも捜査は進まず、彼らはストックホルムに戻る。

八月に入り、アメリカ合衆国ネブラスカ州リンカーン警察の殺人課捜査官エルマー・B・カフカから電報が来る。
その電報には身元不明の女性の名前と年齢、職業が載っていた。
このことが突破口となり、捜査が進展するように思われたが…。

1964年のお話なので、携帯電話もパソコンもなく、郵便と電報、電話でやり取りする時代です。
登場人物たちが煙草を吸う場面が多過ぎです。ゴホ、ゴホ。
スタンダードな刑事物ですね。

表紙を見るといかにもマルティン・ベックが主人公のように思われますが、残念ながら彼はヴァランダーやグレーンスほど活躍していなくて、拍子抜けします。
似ているのは家庭が上手く行っていないことだけですww。
洋の東西を問わず、警察官って忙しすぎて、妻が不満を持ちやすい職業なんですね。
マルティンは1964年当時は胃弱な42歳。
29歳の時に妻のインガと結婚し、一男一女がいます。妻が主婦で暇なせいか、マルティンに五月蠅くかまうので、彼は妻には働いてもらいたいのですが、妻が働くのを嫌がり、主婦のまま居座っています。
私の見た、いえ読んだところ、マルティンはそれほど魅力的な人のようではないので、お互い様ですね。
今のままでいくと、末は離婚かなぁ?

スウェーデン警察本庁のエキスパートの捜査官だからか、もしくはスウェーデンの警察組織のやり方なのか、日本のように二人で組んで動くことがなく、互いに何をやっているのか知らないことが多いです。
同僚のコルベリとはいい関係が出来ており、助けられることが多いし、メランダーは抜群の記憶力を誇り、何でも彼に聞くと思い出してくれ、便利な人です。
この三人がこのシリーズの主要人物です。

タイトルの『ロセアンナ』は殺された女性の名で、彼女は今では当たり前なのですが、1964年当時は最先端を行く女性で、自由と自立を重んじる人でした。
時代を感じますが、刑事物としてはなかなかよさそうです。
スウェーデン社会と他の国々がどう犯罪に関わってくるのか。
ヴァランダーやグレーンスの先駆けとなる小説です。

凪良ゆう 『星を編む』2024/01/05

汝、星のごとく』の続編。


「春に翔ぶ」
北原草介(後の北原先生)の父は老舗旅館の跡継ぎで、彼が小学校に上がる前に旅館を潰し、自己破産もせずに借金を返済し続けた。
そのため家計が苦しく、高校受験では私立の高校をあきらめ、大学は奨学金を利用した。大学院に入って触媒を研究し、研究者になろうと思っていたが、母が入院したため、大学院を中退し、地元の教員採用試験を受け、教職についた。
草介の中には両親に対して疎ましい思いがある。
ある日、草介は父の見舞いに行った病院で、勤務している高校の生徒、明日見奈々と出会う。

「星を編む」
柊光社ヤングラッシュ編集長・植木渋柿と薫風館Salyu編集長・二階堂絵理は青埜櫂の小説を世に出し、小説の刊行に合わせて漫画を復刊させ、物語を完結させようと奮闘している。

「どれだけ近くに寄り添って物語を共に作ろうと、ぼくたちは星にはなれない。けれどぼくたちは光輝くそれを愛して、編んで、物語を必要としている人たちへとつなげることができる。ぼくたちは、ぼくたちの仕事に誇りを持っている」

「波を渡る」
櫂が亡くなってからも人生は続く。その後の北原暁海と北原先生のお話。
互いに相手に好きな人ができたと思い離婚を申し出たりすることもあったが、二人には二人の夫婦の形がある。たとえそれが世間でいう夫婦と違っていても。

心に残った言葉。
「愛はどこまでもパーソナルなもので、逆に『瑕疵』や『不完全』こそが、最後まで心に刺さって抜けない甘い棘になるのかもしれない」

「おいしいねって一緒にご飯を食べられるのは、それだけで最大の幸せです」

「自分は自分、他人は他人、とそれぞれ別の個であることを理解できさえすれば、自身の暮らしと関係ない他者への攻撃が無用かつ無駄であるとわかるだろう」

それにしても毒親を持ったにしては、人間として素敵に育った方々ばかりです。
できすぎ感がちょっとありますが。
北原先生が暁美に手を差し伸べさせたわけが何となくわかりました。
出版社の人たちの忙しさは聞いてはいましたが、実感できませんが、大変さはわかります。
二階堂さんの女であるがために被っている苦い思いには共感しました。

「若いころから、わたしがどれだけ組織内の人間関係に苦労したと思ってるの。男性上司や同僚からはかわいくないって敬遠されて、後輩からは怖いって敬遠されて、円滑になるのであればと当たりをやわらかくしたら、なにを企んでるんだって敬遠されて」

まるで私のようではないですかぁ、笑。
二階堂さんが夫の優しさにあぐらをかいていたら、しっぺ返しを被ったのにはゾッとしました。
話し合うべきことはちゃんと話し合っておかなければね。

読みながら人生にはいいことばかりではないけど、それでもちょっと視点を変えてみると、それが幸せだと思えることもあるんじゃないかと思いました。
刺さる方には刺さるお話です。
『汝、星のごとく』を読んでいない方、よかったですね。是非、『汝、星のごとく』を読んでから、記憶の新しいうちにこの本を読んでください。
私は時間が経ってから読んだため記憶が定かではなく、これは誰で、どういう関係だったっけとなってしまい、感動も何もあったもんじゃないですわwww。

<今日のわんこ>


遊んでとママのそばに来たので、カメラを向けると、すぐにお座りしてポーズを取ります。


兄も同様です。おやつをもらえると思うのか、舌まで出します。


例の一日で音のしなくなったカモシカちゃんですが、喜んで追っかけ、こんないい笑顔をくれました。

井草森公園へ行く2024/01/06

石神井公園に行った時に前を通った井草森公園に行ってきました。
杉並区に住む女性と話した時に、犬が多く、犬じゃなくて子どもが柵の中に入れられている公園と言っていたので、どんな公園か興味を持ったのですww。
行ってみると、柵の中は乳幼児スペースでした。
大きい子が側で遊んでいると危ないし、交通量の多い道路がすぐ近くだからという配慮のように思います。

井草駅から徒歩5、6分ぐらいです。
自転車置き場と地下駐車場があります。駐車場は30分100円。私たちが行った時は休日でしたが、駐車場はガラガラに空いていました。
徒歩か自転車で来る方が多いのでしょうね。
駐車場から出ると、原っぱがあります。


写真の奥の中央左に乳幼児スペース「すくすく広場」があり、その隣に遊具があります。
犬は散歩していましたが、時間が遅かったのかそれほど多くはないです。
端っこで犬連れマダムたちがお話をしていました。
朝は犬が沢山いるのかもしれませんね。
行った時はあまり人がいませんでしたが、帰る頃には家族連れでいっぱいになっていました。

右側は森と水のゾーンというらしく、池があります。


この池の周りをグルッと回れます。
原っぱの左側に行くと、グラウンドがあり、サッカーやラグビーが出来るようです。


この写真の後ろに菜の花が咲いているスペースがありました。


季節によって植えてある花は変わるのでしょうか?

 
わんこたちは初めての場所で落ち着きがありません。


兄犬は臭い嗅ぎで大忙し。ヨーキーは挙動不審です。

杉並区で一番大きい公園ということで、小学生低学年以下の子どもが遊ぶにはいい公園のようです。トイレも綺麗でした。
近所に住んでいれば、早朝に犬の散歩が出来そうですが、家から遠いので、これからもわざわざやって行くまではしないですねぇ。

帰る途中でコムギノホシというパン屋を見つけました。
人がそれほど大きくない店内に溢れています。人気があるんですね。


サンドとジャム、食パンを買ってみました。
サンド、美味しかったです。

わんこたちは家に帰ってからしばらく起きていましたが、今はぐっすり寝ています。疲れたみたいです。
次はどこに行きましょうかね。


「ママちゃん、ぼくはママちゃんといっしょなら、どこにでも行きます」by 弟

「バカ、そんなことを言うと、ママはとんでもないところにぼくたちを連れて行くぞ」by 兄

アラビアの福袋2024/01/07



散歩の途中に咲いていたピンクの椿。綺麗ですね。

珍しいことに昨年末は福袋を買う気にならず、1つも福袋を買っていませんでしたが、イッタラから福袋のお知らせが来たので、アラビアの一万円福袋を買ってみました。
イッタラのは2、3年前(かな?)に買い、持っているものばかりだったので、アラビアにしたのです。家の中に、結構沢山食器があるんですが(苦笑)。
柄の好き嫌いがありますが、私的には結構いいものが入っていました。


持っていない「フヴィラ」というシリーズのものです。
ピンクが心を明るくしてくれます。
イッタラのローズと色が合いそうです。
食卓が華やかになります。

初売りに行きましたか?
三年ぶりに二日の日に駅ビルの初売りに行ってみました。
コロナ禍前にはタオルは初売りで買っていました。
しかし、タオル屋の前はガランとしていて、人がいません。
セールはやっていたのですが、前のような長蛇の列はありません。
午前中で終わってしまったのか、もうコロナ禍前のような初売りはやらないのか?
日本のお正月の風物詩がなくなりそうで、残念です。

新年と言えば、食いしん坊の私には花びら餅です。


大福茶(おおぶくちゃ)を探したのですが、探せず、ほうじ茶と一緒に食べました。
今日は七草粥の日です。皆さんは食べましたか?
今年のような年にはなおのこと、縁起を担ぎたくなります。


縁起とは関係ないのですが、夫が仕事始めの日にこれを買ってきました。
ただの唐揚げに見えますが、北海道の「ザンギ」です。
「ザンギ」は醤油ベースのたれに鶏肉を漬けこんでおいてから衣をつけてあげるというものです。
実家ではショウガを多くいれていました。
普通の唐揚げの二倍ぐらいの大きさで、食べ応えがあります。
お試しを。


「ママたちはいいですね。ぼくもたべたいです」by ヨーキー弟

兄よりも早く食べ終わり、兄の食べ残しを狙っているヨーキーですwww。

伏尾美紀 『数学の女王』2024/01/08



大学院で博士号取得後に警官になった異色の経歴を持つ沢村依里子は階級は警部補で、道警本部警務部付に異動になる。
前回、監察官室に目をつけられたための報復人事かと疑う沢村だったが、配属されて十一日目に、捜査一課の課長補佐、奈良勝也から非常招集を告げられる。
JR新札幌駅の近くの北日本科学大学大学院で爆発が起り、沢村は今から捜査一課配属になり、負傷者が運ばれた病院へ直行するように指示されたのだ。

学長宛ての荷物が運び込まれた学長室で爆発が起ったらしく、テロなのか、個人的な恨みなのか…。
上層部はテロ事件と位置付け、公安案件とする。

沢村の辞令は「警務部付刑事部捜査第一課警部補を命ず」。
ようするに籍は警務部に残したまま、一時的に捜査一課へ出向するということだ。
彼女が配属された特捜第五係のメンバーは警部で課長補佐の奈良、警部補の榊と育休中の浅野、巡査部長の木幡と松山、高坂、花城。
彼らは事件番として事件発生に備えて二十四時間待機状態となる。

なかなか捜査に進展がない中、沢村は奈良に呼ばれ、特命捜査の捜査班長を命じられる。
榊も浅野も家庭の事情で指揮を執れないためだが、経験が乏しい沢村が指揮を執ることに懐疑的な班員たちをまとめていけるのか。

やがて沢村たちはある人物に的を絞る。

犯人が早めにわかってしまい、そこが残念。中だるみもありますが、後半から読むスピードがあがっていきますので、ご心配なく。
そうそう、題名どうにかならなかったのかしらねぇ。

捜査をしながら沢村は自分の中にあるジェンダーバイアスに気づきますが、ジェンダーバイアスは誰にでもありますよね。
大学の学長というと男性を思い浮かべたり、女性は数学が不得意とか…。
私も気をつけるようにしていますが、なかなかバイアスはなくならないものです。
このバイアスも女性の社会進出がもっと進むとなくなっていくのではないかと思いますが、どうでしょうね。

色々と書きたいことがありますが、ネタバレになってしまうので、止めます。
沢村は敵もいますが、瀧本や奈良のような強力な味方がいて、恵まれていますね。
彼女の真摯な姿勢が評価されているのでしょう。
過去の出来事も清算でき、新しい一歩を踏み出せそうです。
今後の彼女の活躍が楽しみです。
 

小西マサテル 『名探偵じゃなくても』2024/01/10

第21回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した『名探偵のままでいて』の続編。


小学校教師の楓の祖父は元小学校の校長で、「まどふき先生」と呼ばれ、子どもたちに愛されていた。
彼はレビー小体型認知症を患っていて、幻視や記憶障害などがあるが、話を聞いただけで謎を解いてしまうという安楽椅子探偵なのだ。

第一章:サンタクロースを見た男
楓の同僚教師、岩田は小学生の時にサンタクロースを見たことがある。
あるクリスマス・イブの夜、目覚めるとサンタクロースがいて、サンタクロースを追いかけてベランダに行くと、彼は跡形もなく消えていたのだ。
消えたサンタクロースの謎を割烹居酒屋『はる乃』で岩田が楓と四季に話していると、紳士然とした男が話しかけてきた。彼は楓の祖父の教え子だと言う。

第二章:死を繰る男
楓は美咲から連続自殺未遂の話を聞く。
フランソワという若い俳優が自殺し、彼のファンの二人の女性が後追い自殺をしたが、彼らはみな不思議な状態で、不確実な服毒自殺をしていたというのだ。
次なる犠牲者がでないうちにと思った楓は、居酒屋で出会ったK県警の刑事、我妻に連絡する。

第三章:泣いていた男
ある日、我妻は自宅の近くで起った殺人事件に呼び出される。
殺されたのはK県警二課に所属する刑事で、不思議なことが二つあった。
遺体の彼が泣いていたことと、ステンレス製のビールジョッキを手にしていたということ。ダイイングメッセージなのか?

第四章:消えた男、現れた男
この頃、四季の行動がおかしい。連絡がつかないのだ。
ある日、楓と美咲、そして岩田でY基地主催の国際フェスティバルへ行く。
そこで楓は、かつて母のストーカーとなり彼女を殺し、その二十七年後に今度は楓のストーカーになり、拉致しようとした、”親バカさん”こと九鬼を見かける。
彼は無実になり、釈放されていたのだ。
九鬼は楓に「私と楓の邪魔をする男はひとりずつ消していきますからね」と告げる。

終章:時間旅行をした男
美咲から楓はすずという少女に起った”学校の七不思議”を相談され、クリスマス・イブの昼間に祖父のところにすずを連れて行くことにする。

レビー小体型認知症(DLB)のことはよく知りませんが、楓の祖父の主治医がいいことを言っています。
DLBは「あらゆる病気の中で、唯一、時間旅行が可能な病気」で、怖い幻視や苦しい幻視じゃなく、「美しい過去へと旅行できる」限りはいいことなのではないかと。
どうなんでしょうね。少なくとも楓のおじいちゃんは幻視を見ている時は微笑んでいますものね。

登場人物たちにはそれぞれに悲しい過去や現実がありますが、このお話は暗いものではありません。
元小学校教師だったおじいちゃんのキャラクターがそうさせているのではないでしょうか。彼にとって登場人物たちは皆教え子のような、慈しみ、育てていく対象なのですから。
彼が我妻に言った言葉がいいです。

「人生はいつもままならない。それでも前を向き、ハッピーエンドを目指すべきだ。いや、目指さなければならないんだ」

今回は主にヒッチコック作品と古典的なミステリ作品が色々と出てきますので、興味を持ったら読んだり、見たりするといいでしょう。
私の覚え書きとして載せておきますが、抜けているものがあっても許してねww。

ミステリ本:
『サンタクロース殺人事件』 ピエール・ヴェリー
『真珠色のコーヒーカップ』 赤川次郎
『僧正殺人事件』 S・S・ヴァン・ダイン
『そして誰もいなくなった』 アガサ・クリスティ
『ヒルダよ眠れ』 アンドリュウ・ガーヴ
『夏への扉』、『輪廻の蛇』、『時の門』 ロバート・A・ハインライン
『ローマ帽子の謎』 エラリー・クイーン
『Xの悲劇』、『ジャム双子の謎』、『顔』、『間違いの悲劇』 
  エラリー・クイーン
『コーマ、昏睡』 ロビン・クック
『緊急の場合は』、『ジェラシック・パーク』、『アンドロメダ病原体』
  マイケル・クライトン
『大鴉』 E・A・ポー
『10月はたそがれの国』 レイ・ブラッドベリ
『J・ハバクック・ジェフソンの証言』 アーサー・コナン・ドイル
『シンデレラの罠』 セバスチアン・ジャプリゾ
『たんぽぽ娘』 ロバート・F・ヤング

アルフレッド・ヒッチコック監督作品:
『舞台恐怖症』、『私は告白する』、『汚名』、『断崖』、『めまい』、『疑惑の影』、『フレンジー』、『ダイヤルMを廻せ!』、『サイコ』、『ロープ』、『裏窓』、『第3逃亡者』、『救命艇』、『鳥』、『知りすぎていた男』、『暗殺者の家』、『スミス夫妻』、『見知らぬ乗客』、『北北西に進路を取れ』

ドラマ:『刑事コロンボ』
絵本:『あのね、サンタの国ではね…』 嘉納淳子作 黒井健絵

読んでいない本や映画が沢山ありますわ(恥)。
小西さんは全部読んで、見ているのですね。すごいわぁ。
「刑事コロンボ」は見ていたけど、「CAT」が出てきたかどうか、記憶がないです。セリフで「うちのネコが」って言っていたら、猫の名がネコってわからないわよね。

今回も全く謎を解けませんでした。すずちゃんだけわかったかな。
楓が岩田先生と四季のどちらを選ぶのか、思わせぶりで終わっています。
私はどうでもいいのですが、楓のどっちつかずが嫌ですわ。いい加減に決めろよと言いたい。
とにかくおじいちゃんが長生きしてくれれば、それでいいです。
三作目でまた「まどふき先生」に会えるのを楽しみにしています。

近藤史恵 『ホテル・カイザリン』2024/01/12

ずっと前に非常食を買って置いておいたので、賞味期限がどうなっているのか確かめてみました。
そうすると、ビスケットなどは昨年の10月ぐらい、アルファ米は今年の1月、パンの缶詰は2月に期限が切れます。気づいてよかったわ。


ネットで調べると、ビスケットなどは期限が切れても六ヶ月ぐらいは食べられるというので、ビスケットを食べてみました。全然大丈夫です。
アルファ米は別の容器に入れてお湯を入れると、米の芯が残りました。
おかしいと思って作り方をよく見てみると、お湯の場合は15分、水の場合は60分待つそうです。作り方をよく読みましょうねww。
量が多いと思ったら、お茶碗で軽く二杯分で、意外と美味しかったです。
これからしばらくランチは賞味期限切れの非常食になります。

うちの場合はわんこたちがいるので、避難所には行けないと思いますので、どう避難するのか、考えておかなければなりません。



近藤さんの本は好きなので、新刊がでたら読むようにしています。
この本は長編小説だと思って図書館に予約したら、八篇の短編集でした。
実は私はあまり短編小説って好きじゃないんです。
この前、原田マハさんの『黒い絵』は二篇ぐらい読んでパスしてしまいました。
ダークなのは嫌いですもの。
この本もどうかと思って読み出したら、最後まで読んじゃいました。

「降霊会」
学園祭実行委員だったが、家の都合で学園祭当日までの一週間を休んでいたぼくは、幼馴染みの宮迫砂美がペットの降霊会をやるということを聞き驚く。砂美が何を企んでいるのか、心配になったぼくは降霊会に参加することにする。

「金色の風」
幼い頃からやっていたバレエを止めたわたしはフランス語を学びにパリに行く。
パリでベガという犬とランニングしていた女性と知り合い、わたしも走ってみることにする。
走っているうちに、わたしはあることに挑戦することにする。

「迷宮の松露」
わたしはモロッコにもう二週間も滞在している。
思い出すのはわたしを育ててくれた、美しい祖母のこと。
ある日、道に迷った日本人夫婦に話しかけられる。
ホテルまで送ってあげた翌日、お礼にもらったのが松露。
それは祖母との思い出のお菓子だった。

「甘い生活」
わたしは子どもの頃から誰かのものが欲しくなるタチだ。
しかし、誰かのものを欲しがるのはよくないことと知ってから、上手く立ち回る方法を考えた。
小学校の六年生の時、沙苗が持っていたオレンジ色のボールペンがどうしようもなく欲しくなったわたしは…。

「未事故物件」
植野初美は東京に引越し、一人暮らしを始めた。
それからしばらくして、朝の四時から洗濯機の音が聞え始めた。
管理している不動産会社に苦情を言うと、上の階は空き室だという。
音は一体どこからしているのか?

「ホテル・カイザリン」
ホテル・カイザリンはわたしのお気に入りのホテル。
わたしは毎月好きなマクベスの部屋に泊まる。
そんなある日、よく見かけていた女性のひとり客と知り合い、意気投合し、都合がついたら同じ日に泊まろうということになる。

「孤独の谷」
大学で風土病を研究している白柳は、『文化人類学Ⅰ』を履修している波良原美希から相談を受ける。
それは彼女が九歳の時に養子として引き取られた纏谷村に住む家族に関する妙な噂のことだった。「纏谷という村に住むものは、たったひとりで死ぬ」というのだ。
実際に彼女の父が謎の死を遂げていた。
興味を持った白柳はヘルシンキでの学会を終えた後、美希の叔母に会いにラトビアまで行ってみる。

「老いた犬のように」
ぼくは小説家。ぼくのミューズ、妻の葵が出ていってから書けなくなっていた。
彼女はぼくの半身で、優しい人だったはず、なのに…。
ある日、SNSでリプライしてきたハンドルネーム「南風」さんと、いつも行く喫茶店で、偶然話すことがあった。
行きがかり上、彼女の書いた短編を読んでアドバイスをすることになるが…。

しょっぱなからいや~な感じの終わり方だったので、イヤミスでいくのかと思ったら、違いました。
多彩な近藤さんの色々な面を見させてくれます。ダークサイドに寄ってますけどね。
八篇の中で、私は主人公が再生するお話の「金色の風」とモロッコの異国情緒漂う「迷宮の松露」が好きです。
松露って和菓子なんです。食べたいわぁ。
読みながら、そろそろ外国に行きたいなと思いました。

表題の「ホテル・カイザリン」はこんなホテルがあったら泊まりたいというものです。
明治時代の洋館を改装した、各部屋には創業者が好きだったシェイクスピアの戯曲の名前がついているホテルだそうで、主人公が泊まったマクベスの部屋はくすんだ紅色のカーテンで、ベッドカバーもカウチに置かれたクッションも炭灰色で、キングサイズのベッドと暖炉、ベランダがある部屋です。
ロミオとジュリエットの部屋は、シフォンのカーテンが繭のようにベッドを包んでいて、ベッドリネンは白いレースで揃え、ベッドのクッションにひとつだけ赤いクッションが紛れ込んでいるんだそうです。
ハムレットの部屋はどんななのか、興味があるわぁ。

それなりに楽しめた短編集でした。
読むと、それぞれの方が気に入る物語が見つかるでしょう。

仕事で頑張る若い女性のお話(文庫本)2024/01/13

原発性アルドステロン症の診察で内分泌科に行ってきました。
年末、食べ過ぎたため、1~2㎏太り、中性脂肪が増えてしまい、主治医がめちゃ怖かったですww。
12月に健康診断をしたのですが、腎臓の機能を表すeGFRの値が若干低く、軽度の腎機能障害があるかもと指摘されていたので、そのことを言うと、今飲んでいる薬でそういうことが起るのだそうです。
薬を減らすとeGFRの値は高くなるけど、それでは血圧が上がってしまうので、仕方ないそうです。
知りませんでしたわ。
原発性アルドステロン症の方で腎臓の機能低下がある方、そういうことだそうですので、ご参考までに。


『ユリイカの宝箱 アートの島と秘密の鍵』 一色さゆり
桜野優彩は家の都合で高校を卒業してから画材店に就職した。しかし、画材店は半年前に店じまいをしてしまう。絶望感に襲われた優彩は、友人から仕事の誘いはあったが、その仕事は自分には無理なんじゃないか、本当に自分のやりたいことなのか考え始め、袋小路にはまってしまう。
そんな頃、梅村トラベルという見知らぬ旅行会社からアートの旅への招待状が届く。担当者の志比桐子に問い合わせてみると、新しくアートの旅行を企画する予定で、モニターとして参加し、サービスの感想や改善点についてのアンケートに答えるだけで、旅費のほとんどを負担してくれるのだとか。優彩は思い切って参加することにする。
行き先は「現代アートの聖地」、瀬戸内海に浮かぶ直島。
旅の終わりに優彩は桐子から一緒に働らかないかと誘われる。それだけでも驚きなのに、優彩と桐子は優彩が小学校の頃に会ったことがあるというのだ。
優彩は梅村トラベルで働くことにするが、桐子のことは思い出せない。
一方、桐子と巡るアートの旅は、人生に迷う人に寄り添い、前へ進もうと優しく誘ってくれるものだった。

一色さんは原田マハさんとは違った角度からアートを描いています。
この本では、アートは難しく考えることはない、自分自身と向き合うことだと教えてくれます。
アートは優彩に「自分の可能性を削っていたのは、他でもない自分自身」であり、「壁だと思い込んでいた境は、じつは、つぎの世界への入り口かもしれないのだ」と気づかせてくれました。

アートに関する印象に残った言葉をいくつか書いておきます。
「アート鑑賞って、基本的に誰にとっても、ユリイカの連続だと思うんです」
(注:「ユリイカ」とはギリシャ語の『わかった』)
「民藝では、美しいものは特別な人だけが生みだすものではなく、無名の職人の手仕事にも宿っているという考えがある」
「アートは決して、日常とかけ離れたものじゃない」
「アートって、自分の人生を見つめ直すきっかけをくれるから。道に迷ったときに光を照らしてくれる存在」

ちなみに彼女たちがお客様と訪ねた美術館は、直島の地中美術館、京都の河合寅次郎記念館、安曇野の碌山美術館、佐倉のDIC川村美術館です。
私は地中美術館とDIC川村美術館に行ったことがあります。どちらもお勧めです。
実はとても碌山美術館に行きたくなり、電車の時刻表を見たり、松本のホテルを探したりして、旅行日程を作ってしまいました。暖かくなったら、一泊二日の予定で行ってきますわ。
是非桐子たちとアートの旅へ行ってください。

『上毛化学工業メロン課』 奥乃桜子
瓜原はるのは上司、坂上の命を受け、『上毛高分子化学工業株式会社 赤城第二工場』に異動になる。工場は見渡す限り荒れた畑の中にある物置みたいな二つのプレハブ小屋で、入り口に『メロン課』と書いてある。まさかここ?なんとそこは問題社員を集めた「追い出し部屋」だったのだ。しかし、社長賞をとった、はるのの憧れの先輩で天才研究員と言われた南がいるはず。だが、南はパワハラ上司に逆らい左遷され、今や酒浸りだという。彼らは三年以内にメロンを収穫しないと首だと言い渡される。はるのはなんとかしてみんなをやる気にさせ、メロンを栽培しようとするが、前途多難。

なんとも情けない南と何があっても挫けない、前向きなはるのとの対比が面白かったです。パワハラ上司、室谷、最悪。会社の権力争いっていうものは…溜息。
できすぎ感はありますが、お仕事の本としては面白いですよ。
メロンは栽培がとっても難しいんですって。知りませんでした。
メロン農家さん、いつもありがとうございます。もう少し価格が下がれば、もっと食べますけどww。

『わたし定時で帰ります。3 仁義なき賃上げ闘争編』
定時帰りをモットーとする東山結衣は残業をしたがる若い部下、本間に悩まされていた。二週間前に仙台支店が炎上し、それを鎮めるために結衣の婚約者である種田晃太郎と甘露寺勝が仙台に行き、彼らの代わりとして仙台支社から来たのが平のディレクターの本間とサブマネージャの塩野。会社から残業削減指令が出ているにもかかわらず、本間と塩野谷は残業は仙台では当たり前だという。それでは収まらないのが結衣。本間から残業代がないと生活が苦しいという話を聞き、仙台支所の実態を探っていくと、思ってもいなかった事実が発覚する。定時帰りを死守するために、給料アップを目指し、結衣は人事評価制度の改革を提案するが…。
一方、結衣と晃太郎の結婚は仙台支社の炎上が収まらず、棚上げとなる。
はたして晃太郎との結婚はどうなるのか。

いろいろと問題山積のネットヒーローズ株式会社です。といってもこの会社だけの話ではないですよね。
生活残業や創業メンバーと中途採用の扱い、世代間の給与格差などの問題がわかりやすく書かれた作品です。
出世する気になった結衣がどこまでやるのか、楽しみです。

簡単に読める、面白い本ですので、お暇な時にどうぞ手に取ってみてください。

茨城の海に行く2024/01/15

テレビで茨城県日立市にある泉神社が2024年最強開運神社だと紹介されていたというので、わんこたちを連れて行ってみることにしました。
常磐自動車道の守谷SAにドッグランがあるというので行ってみました。
SAに入って左端にありますが、意外と小さいです。


結構犬たちがいて、犬が苦手な兄が吠えるとうるさいので、ドッグランはあきらめ、その周りを歩きました。


猟犬らしいわんこが鳥を狙っていました。
うちのわんこたちは落ちつきなく動き回っていますww。

泉神社に近付くと、車が多くなり、駐車するところを見つけるのが大変そうです。
わたしだけ車を降り、泉神社に行ってみると、お正月が終わっても休日なので激混み。水戸ナンバーの車が多いので、近くの人が来ているみたいです。
わんこたちがいるのであきらめて宿に行き、海に行くことにしました。
途中に東海村があり、原発らしき建物が見えました。


これは違うかな?


原発の研究施設?
海のすぐそばなので、津波が来ると大変そうです。

海には行きたいですよね。
行ってみたのは、後から聞いたのですが、お亡くなりになった三浦春馬さんがよくサーフィンをしていたと言うところです。


暗くならないうちに散歩に行きます。
テトラポットの上に鳥がいました。


サーフィンをしている人がいます。
何回かトライしてやっと波に乗れました。


なかなか波が荒いですね。


黄昏れるパパ。


わんこたちは海なんか関係ないみたいですww。


波しぶきがすごいです。


寒いので、そろそろ帰りましょう。
宿では弟がママに甘えて膝に乗ってきます。


兄には絶対にママの膝の上を渡しません。


パパが何をしているのか、そっと覗いています。

翌朝、6時半頃に朝日が昇るというので、起きて待ちます。


だんだんと太陽が昇ってきます。


窓ガラスが汚れていたので、よくよくみると汚れが見えますが、無視してね。


雲があるので、水平線から登る太陽がそれほど鮮明に見えません。


iPhoneとカメラで撮ると色が違いますね。
また、わんこと海に行きました。


波が荒いです。


水はあまり好きではないらしく、近寄ろうとはしません。


流木の臭いを嗅ぎにいきます。


何か変なものが見えます。


誰かが作ったものみたい。


日差しが強くなってきました。

昨日、泉神社で拝めなかったので、再度挑戦します。
泉神社は縁結びの神社で、縁切りの神社と一緒に拝むといいと言うので、そちらにも行くことにしました。
詳しくは明日書きますね。