桐野夏生 『オパールの炎』 ― 2024/11/13

塙玲衣子。
彼女はピル解禁同盟(ピ解同)を一人で始め、その言説の激しさと活動の派手さ、そして美貌によって、マスコミに面白おかしく取り上げられた。
その後「女性光源教」という宗教法人を作り、「女の党」という政党を結成して参院選に候補者を出したりもしたが、結果は惨敗に終わり、「専業主婦になる」宣言をしてからしばらくして行方知れずになる。
四十歳のライターのわたしは、母親から塙玲衣子のことを聞き、彼女に興味を持つ。
わかったことは、塙玲衣子が1992年の週刊誌記事を最後に消えてしまったということ。
わたしはその謎を解くために、塙玲衣子を辿る旅を始める。
この本にはモデルがいるそうです。
中ピ連(「中絶禁止法に反対しピル解禁を要求する女性解放連合」の略)の榎美沙子だそうです。
実際の彼女は行方不明のままで、生きているのか死んでいるのかもわからないようです。
今から振り返ると、彼女の言っていることは正しいのですが、やり方を間違えたように思えますが、どういうやり方をしても、潰されていたのかもしれませんね。
日本では1999年にピルが解禁になってから25年経つというのに、未だに服用率は2.9%という少なさです。
一時期ピルを服用すると、高血圧になるとか、血栓ができるとか言われていて、私なんかはピルに対して怖いという印象がすり込まされています。
実際はどうなんでしょうか。
AERAの「桐野夏生さんに聞く 「中ピ連」代表の榎美沙子はなぜ消えたのか」によると、「ピルが普及しなかった理由には、背景に人口問題」があるとのこと。
本の中に書いてある、「国が女の身体と心を管理してきた」ということなのですね。
50年前と比べても、まだまだ男性中心社会である日本ではありますが、今の日本の状況では女性だけではない、男性だって生きにくくないですか。
本の最後の言葉を書いておきます。
「女たちが自分の身体を取り戻し、自分で管理できる社会に、という塙玲衣子の主張は正しかった。そして、塙玲衣子は、女たちがずっと闘い続けていかない限り、それはすぐに奪われてしまう大事なものなのだ、と警鐘を鳴らしていたのだと思います」
是非、女性たちに読んでもらいたい本です。
<今週のおやつとパン>

どこのお店か忘れましたが、モンブランを頼んでみました。
直径15センチぐらいなので、一回で半分、食べられましたww。

これはフィンランドのシナモンロールとカレリアパイです。
鎌倉にあるパン屋さんから取り寄せました。
温め過ぎて、焦げてますw。
シナモンロールはカルダモンがきいていて、うっすらと甘くて、美味しいです。
カレリアパイの真ん中にあるものはミルク粥で、ゆで卵をバターであえたものをのせて食べるらしいですが、このまま食べました。
次回はゆで卵をマヨネーズであえたものをのせようと思います。
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