「デュオ1/ 2のピアニスト」を観る ― 2025/03/05
実在するフランスのダイアン&オードリー・プレネ姉妹をモデルにして作られた映画です。
原題が「Prodegieuses」。「驚異的な、素晴らしい」とかいう意味です。

クレール・ヴァロアとジャンヌ・ヴァロアは幼い頃からピアノを習い、ピアニストになることを夢見てきた。
父親のセルジュは何事も一番になることに価値を置く人で、娘たちがコンテストで二番になったことに不満を持ち、夜にできる仕事に転職し、日中、娘たちをしごくことにする。
そのかいもあり、クレールとジャンヌはドイツの名門カールスルーエ音楽院に入学する。
しかし、入学後のオーディションで、あがり症のジャンヌは実力を発揮できず、姉のクレールとは別のクラスになる。
この時、レンハルト教授はオリジナルがいるのにコピーはいらないなどと言う。
レンハルトは技術を重んじる教え方をする。
彼の厳しい練習に何とかついていこうとするクレールだったが、突然、手首に痛みが出て、病院で腱鞘炎と診断される。
しかし、次のコンサートでソロに抜擢され、無理を重ねる。
クレールが練習するたびに下手になっていくことに我慢できなくなったレンハルトはジャンヌが弾くのを聞いて、クレールの代わりにジャンヌにソロを弾かせることにする。
父親に手首のことがばれ、病院で詳しい検査をすると、遺伝性の難病で、ジャンヌも発病する確率が90%以上あることがわかる。
ジャンヌにそのことを隠していたが、やがてジャンヌも発病してしまう。
二人は音楽院を辞め、コンサート会場で働き始める。
ピアノへの思いを捨てきれず、終演後、二人は舞台にあるピアノを弾き始める。
やがて二人は痛みが出ないような弾き方を考えていく。
二人がピアノを諦めていないことに気づいた母のカトリーヌは音楽院に行き、娘たちを再入学させてくれるように頼む。
一端は断られるが、学校のスキャンダルを公にすると言うと、あっさり申し出は受け入れられた。
レンハルトは指揮者にピアニストの変更を訴えるが、拒絶される。
レンハルトはジャンヌは必ず失敗すると思い、自分の愛弟子を待機させることにする。
クレールとジャンヌはフィッシャー先生の助けを借り、二人で手分けして、二台のピアノを使い、曲を弾くことにする。
コンサート当日、出番が近づくが、クレールが現れない…。
双子という設定ですが、あまり似ていないと思っていたら、双子ではありませんでした。
二人はフランスの小さな村で育った同級生で友人なのだそうです。
初めて男性と付き合う時の初々しさが出ていたので、年齢が30代と聞き、びっくりしました。
演技がうまいんですね。
コンプライアンス的にどうなのというところがありました。
日本なら即、首です。
レンハルト役の俳優さん、無駄にイケメンですわww。
両親の叶えられなかった夢を託された子どもたちは大変ですね。
彼女たちがその重みに耐えられたのは、両親からたっぷり愛情を与えられているのがわかっていたからでしょうね。
お母さん、娘たちのために戦う姿が素敵でしたよ。
よくあんな時にあれを出しましたね。
気になったのは、お父さんが一番になれと言っていることです。
娘は二人いるんですけど。
どちらかが一番になると、もう一人はなれないんです。
なれなかった方のことを考えていないんでしょうかね。
病気になったから、二人で弾くようになったんですよね。
そうじゃなければ、二人の関係はどうなっていたんでしょうねぇ。
スポーツと芸術は違うということが、ひょっとしてお父さんはわかっていないのかしら。
レンハルトとお父さんは同じ穴の狢ですかね。
男と女が古風なステレオタイプに描かれているのが気になりました。
「コーダ あいのうた」のプロデューサーが作った映画だそうです。
コミカルな場面や突っ込みたくなる場面がけっこうあり、感動とまではいきませんでしたが、それなりに楽しめる映画でした。
流れているピアノ曲はヴェートーベンのピアノソナタ第17番「テンペスト」第3楽章のようです。
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