サラ・パレツキー『ミッドナイト・ララバイ』2011/09/21



久しぶりのV・I・ウォーショースキー・シリーズです。
私の記憶もいいかげんで、ヴィクはポーランド系だったのに、何故かイタリア系だと思っていました。ヴィクが亡くなった母親や父親のことを回想するシーンが多いので、家族思い=イタリア系と思い込み、勘違いしていたのでしょうね。どう考えてもウォーショースキーってイタリア系ではないでしょ。

イタリア旅行から戻り、久しぶりに事務所に入ろうとしたヴィクは、エルトンという知り合いのホームレスと偶然会い、彼が歩道に倒れたので救急車を呼び病院まで行くことになってしまいます。
病院で、ヴィクが探偵だと知った病院付きの牧師のカレン・レノンから知り合いの老婦人の行方不明の息子を探してほしいと頼まれます。
依頼人のミス・エラに会いに行ってみると、息子のラモントは1967年からいなくなったというのです。彼女の妹のクローディアが重い病気で長くないので、ラモントの身に何があったのか突き止めたいというのです。

重い気持ちで家に帰ると、隣人のミスタ・コントレーラスに捕まります。彼女のところに従妹だと名乗る女の子が来ているというのです。
その女の子は父親の弟ピーターの子供のぺトラでした。五月に大学を卒業し、アフリカとオーストラリアに旅行した後、父親の親友のハーヴィ・クルーマスの息子が上院議員に立候補するので、彼の事務所の手伝いをしにシカゴに来たというのです。

このぺトラが困ったちゃん。明るく、誰とでも(特に年配の男性)仲良くなる現代っ子ですが、他人に配慮できない、おしゃべりでなんでもペラペラしゃべりまくるという子で、後で困った状況に陥ります。まあ、自業自得なのですが、とっても迷惑な子です。
ヴィクの唯一の弱点が家族。こんな子、ほっておけばいいのに・・・。

何年も前にいなくなったラモントのことを調べているうちに、ヴィクの警官だった父親が関係していたことがわかります。
自分の父は不正に目をつぶるような警官ではなかったと信じていたヴィクですが・・・。

真実はいつもほろ苦いもの。

最後の母親ガブリエラの歌を聞く場面が印象的です。
ヴィクはいくつになっても格好いい女性です。彼女が50代に突入するなんて!