堂場瞬一 『影の守護者―警視庁犯罪被害者支援課5』 ― 2018/09/01

北多摩団地交番で警察官が射殺された。
被害者は定年間近な益田警部補。
被害者遺族のケアのために村野たち支援課員も現地に向かった。
益田の息子・智樹は捜査一課の刑事で、捜査に参加したいと主張する。
しかし、事件の身内は捜査に参加できないことになっている。
支援課の村野は、何をするかわからない智樹の世話を担当することになる。
捜査が進み、益田を撃った銃が五年前の交番襲撃事件で奪われたものだと判明する。
五年前の事件と今回の事件はどう繋がるのか。
被害者家族が警官だとお世話が大変です。特に刑事は。
事故で膝を痛めている村野は若い智樹と一緒に行動することになり、大分お疲れのようです。
被害者支援といっても、被害者家族は様々。
これが正解というものがないから、その場に応じて対処しなければならないところが、被害者支援の難しい所です。
今回は相手が刑事だったせいか、村野が事件解決に関わってしまいます。
捜査一課にもどりたくなったかもしれませんね。
アナザーフェイスと同じように支援課もそろそろ終わりに近づいたのかもしれません。
どう終わるのかしら?
今までに読んだ漫画 ― 2018/09/02

桜沢鈴 『義母と娘のブルース』上下
ドラマで評判らしい『義母と娘のブルース』。
マンガが原作ということで、漫画を読んでみました。
結構おもしろいです。
ここで内容をバラしてしまうとドラマを見ている人に悪いので書きませんが、漫画もお勧めです。
ジョージ朝倉 『ダンス・ダンス・ダンスール』1~10
村尾潤平は幼い時にバレエに魅了されるも、亡くなった父親の影響で「男らしくある」ために格闘技のジークンドーをやっていました。
しかし、五代都が転校してきてから彼の人生は変わります。
母親がバレエスタジオを経営している都は、潤平がバレエに興味があることを見抜き、彼をバレエへと誘います。
曽田正人 『昴』1~11
双子の弟が脳腫瘍で入院しているので毎日お見舞いに訪れていたすばる。
彼女は弟の回復を祈り、日々の出来事を踊ってみせていました。
しかし、弟は亡くなってしまいます。
失意のすばるは場末のキャバレーの支配人の日比野五十鈴と出会い、踊ることを自らの生きる道とし、過酷なレッスンを乗り越え、ローザンヌ国際バレエコンクールへ出場することとなります。
コンクールでは最優秀賞を取るのですが、スカラーシップを蹴り、単身アメリカへと渡ります。
竹内友 『ボールルームへようこそ』1~9
まだ何をやりたいのかわからずにいた中学生の富士田多々良は不良に絡まれているのを助けられ、連れて行かれた先は社交ダンスの教室。
誘われるままに社交ダンスを教わり始めると、合っていたのかダンスにのめり込んでいきます。
ダンス漫画の3つは絵がそれほど上手くないのですが、読んでいくと引き込まれます。
ダンスにのめり込んでいく姿がうらやましいですわ。
それほど熱中するものが未だにない私ですから・・・(恥)。

田亀源五郎 『弟の夫』1~4
双子の弟が死んだ。
マイクという弟の夫がカナダからやって来た。
彼は弟の結婚相手で、彼は弥一と家族になるために日本にやってきた。
弥一の娘・夏菜の純粋さがすばらしい。
ずっとその心を持ち続けていたら、世の中から差別など無くなるのに・・・。
ちぃ 『花嫁は元男子。』
元男子のちぃさんが体も戸籍上の名前も性別も女性になり、結婚するまでのエッセイ漫画。
『弟の夫』と共に読むと、LGBTについて少し理解が深まるかも。
矢部太郎 『大家さんと僕』
ほのぼのとした漫画です。
こんな大家さんがいたら、ずっと一緒にいたいですね。
残念ながらお亡くなりになってしまったようですが・・・。
ご冥福をお祈りしています。
信濃川日出雄 『山と食欲と私』
私、元ワンゲル部でした。
今でいう山ガールだけど、今ほどファッショナブルじゃなかったわ・・・。
あんなにかわいい登山用の服なんて売っていなかったもの。
この漫画ではおいしそうな山の食事が出てきて、作ってみたいと思いますが、やっぱり山じゃないとおいしくないかもしれませんね。
山に行こうかな・・・と思っていても未だ行けてない人は、読んでみると山に行きたくなっちゃいますよ。
ただし、くれぐれも自分の体力に応じた山に登りましょうね。
初めは絶対に単独登山は止めましょう。
どんな山でも何が起こるかわかりませんから。
後はかわいい漫画、『パティシエさんとお嬢さん』と『金の国、水の国』を読みました。
山本雅也 『キッチハイク!突撃!世界の晩ごはん』 ― 2018/09/03

450日をかけて世界一周をし、見知らぬ地元の人に家庭料理をおごってもらおうという調子のいい本。
全く知らない人とどうやって知り合って、どういう声掛けをしたのか知りたかったのですが、これは書いてありません。
家に行って、料理を作ってもらい、食べるまでしか書いていません。
全く知らない人に声をかけて食べさせてもらうよりも、知り合いの紹介の方が多いです。
まあ、そうでしょうねぇ。
日本のテレビ番組でも「あなたのご飯をみせてください」などという図々しいものがありますが、よくみなさん、見せてくれるなと思います。
もう少し、写真が欲しかった。
料理を作っているところ、料理の写真、食べている写真等がふんだんにのっているとよかったのに。
個人的には各国の家庭料理を御馳走になるというコンセプトはいいけれど、著者の性格があまり好きではないです。

谷中に用事があったので、行ってきました。
鰻を食べたのですが、前日の残りをまた焼いたのかと思えるほど皮が焼き過ぎで堅く、タレも甘辛く、残念な鰻でした。
もう行きませんわ。
谷中に新しくカフェがオープンしていました。
「CIBI」という本店がメルボルンにあるカフェです。
時間がなくて入れなかったのですが、見た感じ、流行っているようです。
鰻よりもここに入ればよかったわ(笑)。
よしながふみ 『きのう何食べた?』 ― 2018/09/04

このシリーズも長いです。
男同士のパートナーの関係も安定しています。
この頃は周りのことで色々ありますねぇ。
美容師のケンジは店長になっちゃったし、二人の仲を認めないはずのお母さんがお墓は一緒でもいいって、どういうこと?
シロさんの作る夕食が美味しそうなのだけど、よくよく見てみると簡単に作れそうです。
品数はよく食べる我家には少ないけど・・・。
普通の人はそんなにおかずを食べないのかな。
米澤穂信 『王とサーカス』 ― 2018/09/06

『さよなら妖精』では高校生だっ太刀洗万智が大人になっており、びっくりしました。
私の好きな女探偵の羽村晶と似た女性に育っています。
新聞社を辞めた太刀洗は海外旅行特集の仕事をすることになります。
そのため事前取材でネパールへと向かい、カトマンズにしばらく滞在しようとした矢先に、王宮で王族殺害事件が起こります。
ディペンドラ王太子が父親である王・ビレンドラ国王ら多数の王族を殺害したというのです。
太刀洗はジャーナリストとして取材を始めます。
ホテルの女主人の紹介で事件当時王宮にいたという軍人と接触できたのですが、彼は痛烈にジャーナリズム批判をして、取材を拒否します。
次の日、彼は死体となって太刀洗の前に横たわっていました。
「この男はわたしのために殺されたのか」と苦悩する太刀洗・・・。
『さよなら妖精』を読んでいなくても、問題ないです。
私が読んだ米澤さんの本の中では一番おもしろい本です。
何故、題名が「王とサーカス」かは読んでからのお楽しみに。
米澤穂信 『真実の10メートル手前』 ― 2018/09/07

太刀洗万智シリーズの2(『さよなら妖精』を入れると3)作目。
太刀洗の推理が冴えます。
6つの短編からなる本です。
まず、東洋新聞の記者だった時代のお話から。
ベンチャー企業が経営破綻し、社長の妹で広報だった女性が失踪。
太刀洗は後輩を連れ、彼女の行方を推理し、山梨まで行きます。(「真実の10メートル手前」)
2話目は、電車に飛び降り、轢かれた人の写真を携帯で撮る女。
その女に近づく男・・・。(「正義漢」)
3話目、高校生カップルが心中。遺書が書かれていたノートの最後に書かれていた「たすけて」の文字。
彼らは一緒に黄燐を飲んで死のうとしたのに、何故、別々の場所で亡くなったのか。
太刀洗の推理は・・・?(「恋累心中」)
4話目。何かにつけ難癖をつける嫌われ者の男性が自宅で亡くなっていた。
見つけたのは近所に住む高校生。
男性は「名を刻む死を遂げたい」と日記に書き残していたが、一体「名を刻む死」とは?(「名を刻む死」)
5話目。『さよなら妖精』にでてきたマーヤの兄が日本に来て、観光をせずに太刀洗の取材に付き合い、行動を共にすることになります。
太刀洗が調べていのは、幼い女子をナイフで刺し殺した事件でした。
犯人は逮捕されていますが・・・。(「ナイフを失われた思い出の中に」)
6話目。長野県で発生した水害で救出された戸波夫妻は、三男が置いていったコーンフレークを食べて何とか生き延びたとのことでした。
しかし、このことを不思議に思っていた人がいました。
それは三男にコーンフレークを売った店の息子でした。
彼と一緒に戸波夫妻に会いに行った太刀洗は彼らに変な質問をします。
「コーンフレークには、何かかけましたか」と。(「綱渡りの成功例」)
どの真実も人間の悲しさ、性が垣間見られます。
太刀洗の冷徹さと見る目の確かさ、そして、人間に対する優しさと暖かさ。
恰好いい女性です。
彼女の物語をもっと読みたいです。
海に行く・・・ ― 2018/09/09
千葉の海に行ってきました。

鴨川シーワールド行きのバスです。
あしか(とど?)がかわいいですね。

かの有名な亀田総合病院。
結構大きな病院です。
ヘリポートがあり、千葉県一体の救急救命を一手に引き受けているのでしょうね。

犬たちはカートに乗ってご機嫌です。

どうです、兄の嬉しそうな顔。
弟は前に乗り出し過ぎて落ちてしまい、見ていた女性に笑われてしまいました(恥)。

ホテルのドッグランで、弟はママとボール遊び、兄は駆けていました。

兄の嬉しそうな顔。弟は暑さでヘロヘロです。

ひとり遊びのできない弟です。
二匹で遊んでくれればいいのにとママは思います。

ポツポツと雨が降ってきたので、浜辺はあきらめました。

夕食は刺身とまつたけの土瓶蒸し、牛肉などでした。

犬たちは一緒にいられるのが嬉しいらしく、ママがソファに座ると、すぐにソファに飛び乗ります。
二匹でママの膝の取り合いをしていますが、兄は弟が嫌なのでしばらくすると諦めます。

「ママ、何やってるの。早くお散歩に行きましょう」という目をしている二匹。

ママが見えない所に行くと、こうやって見ようとします。

日の出を少しだけみることができました。
観光地は混んでいるようなので、行ったことのない酒々井プレミアム・アウトレットへ行ってみることにしました。
途中の市原SAにドッグランがあります。

一匹も犬がいなかったので、遊ばせました。
(奥がドッグラン)

兄は走ったり、臭いをかいだりして遊んでいます。
弟はパパとボール遊びをしましたが、疲れて座り込んでしまいました。
市原SAのドッグランは芝生なので、いいです。
ドッグランの周りも野原なので、お散歩にいい、お勧めのSAです。
海に行ったはずなのに、全く浜辺には行かず、アウトレットでも何もかわず、何しにいったのかわかりませんが、犬たちは楽しんだようです。
弟は暑さに弱いので、アウトレットでハアハアと息をしていて熱中症にならないかと心配しましたが、家に帰ると全く何ともなく、おやつの袋の音が聞こえると、すぐにハウスから出てくるぐらい元気でした。
人間たちは思いました。
これからはアウトレットには人間だけでいこうと(笑)。
川名壮志 『謝るなら、いつでもおいで 佐世保小六女児同級生殺害事件』 ― 2018/09/10
暗い報道が多い中、大坂なおみさんの全米制覇の話題は嬉しいものですね。
グラフの頃からテニスの試合を見ていた私にとって、日本人が取ったというのが驚きです(彼女のことを日本人じゃないと言う人もいるようですが、お母様が日本人ですから、OKじゃないですか?)。
セリーナさんの行動が残念でしたが、あれは考えてやっていたのでしょうね。
まともに戦うと負けるのがわかっていたので、精神的に弱いなおみさんを揺さぶる意味もあったのでしょう(と思いたいけど、そうじゃなかったら、怖いわぁ。)
とにかく、おめでとう!
と書きながら、紹介する本は重いものです。

1997年に酒鬼薔薇聖斗事件が起こり、少年犯罪の凶悪化がマスコミで取り上げられるようになり、この小学校6年生の女の子が、同級生を殺したという事件は2004年に起こりました。
本を書いたのは、被害者の少女の父親の直属の部下で毎日新聞記者の方です。
加害者と被害者の両方を知っている、事件当時から関わってきた人です。
当時の学校の混乱した様子や佐世保支局内のこと、被害者家族のこと、加害者と被害者の関係、加害者の父との会話、被害者の父と兄の話などが克明に書かれています。
勉強不足で、この本で知ったのですが、14歳以下の子どもには少年法ではなく「児童福祉法」が適用されるそうです。
「児童福祉法」では非行少年の「保護」をうたっており、犯した犯罪の軽重は問わず、「加害者」であっても「社会の網の目からこぼれ落ちた被害者」とみなし、子どもの福祉を一番の目的としています。(p.53)
そのため刑も罰も科せられず、加害者の少女は児童自立支援施設に収容されました。
少年たちは「可塑性」に富んでいるから、大人と同じ刑を科すことができないとは言うけれど、どうなんでしょうか。
この事件とは関係ないのですが、足立区で起きた「女子高生コンクリート詰め殺人事件」で逮捕された4人の少年たちは出所後、また犯罪を犯していると聞きました。
彼らは特別なんでしょうか?
少年であっても罪の重さに応じて刑を科す方がいいのではないでしょうか?
被害者の家庭は母親が癌で亡くなっていました。
被害者の女の子はその寂しさや友達とのことを父親には言えなかったようです。
父親は加害者の少女に関してこう書いています。
「あの子とあの子の家族はやり直しができるんですよね。でも、僕のところはやり直しができない。失ったまま。それはわかってくれど。もちろんね、相手も平穏な生活が崩れたことは承知している」
「それでもやり直しができるということは、向こうにとっての「救い」だよね」
「被害者なんてものは、救いがあるなんて思っていないんだよ」
「あの子には生きて抱えてもらいたいと思っている」
この本を読んで一番の被害者は殺された少女の兄ではないかと思いました。
彼は被害者家族でありながら、必要な援助がなされていなかったのです。
警察からも教師からも誰からも事件について聞かれず、父は悲嘆に沈み、精神的におかしくなりそうな状態だし、周りは何を彼に言ったらいいのかわからず、声をかけられず、学校にいたスクールカウンセラーさえも話しかけてこなかったそうです。
彼は話したかったのです。
怒りをぶつけたかったのです。
中1だった彼は高校を卒業するような年齢になっています。
彼は加害者の少女に対して、「普通に生きてほしい」、「一度きちんと謝る。謝ってもらった後は、お互い自分の生活に戻る」などと言っています。
自分の妹を殺した相手にこんなことを言えるなんて・・・。
彼こそ、一番ケアが必要だったのに。
彼の言葉は彼女に届いているでしょうか。
ペンギンが好きです♡ ― 2018/09/11

いつも弟に取られてしまうおもちゃを、弟が使わないうちに兄にあげました。
弟が邪魔しないと、こういう風に咥えて、ママにとってみろよと言ってきます。
いくつになっても(もう人間でいうと40歳を超す中年です)犬はおもちゃが好きなんですねェ。
花田菜々子 『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』 ― 2018/09/12

夫と別居し、一人暮らしを始めた書店員の菜々子さんは、出会い系サイト「X」に登録し、そこで出会った人にぴったりの本をお勧めすることを思い立つ。
「X」のコンセプトは「知らない人と30分だけ会って、話してみる」
初めの2人はできればセックスをやりたいという人でしたが、それ以降は「X」の使い方がわかったからか、それなりの人と出会えています。
しかし、なんで出会い系?
勇気あると思います。
私なんか、知らない人と会うのが大嫌いですから。
でも、その人に合った本を紹介するというのはおもしろいですね。
私も本を紹介してもらいたいものです。
それにしても、会って本をすすめた人たちの何割がその本を読んだんでしょうね。
気になります。
後ろに紹介した本のリストがありますが、実は花田さんの紹介した本のほとんどを読んでいません。
彼女と私の好みが全く違います。
まあ、それもおもしろいのですがね。
気になった本をこれから読んでみますわ。
題名に惑わされて、間違って買わない様にね。
まじめな自分探しと本紹介の本ですから。
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