M.C.Beaton『As The Pig Turns』 ― 2020/09/21
アガサ・レーズン・シリーズ22作目。

1月末、アガサはカースリーに戻ろうと車を走らせていました。
ところが急に周りの車が動かなくなりました。
どうも道路のポットホール(路面のくぼみ)を直しているようです。
鼻水が出たので、ティッシュで鼻をかいでいると、警官がアガサの車の窓を叩いてきます。
ウインドウを下げ、道が直るまでどれぐらいかかるかと聞いたところ、とんでもないことを言われます。
ハンドルから手を離したから違反切符を切るというのです。
反論しましたが、相手にされません。
家に帰ってから友達で警官のビル・ウォンに電話をし、その警官のことを言うと、彼はGary Beechと言い、石蹴り遊びをした9歳の子を落書きの罪で逮捕までした奴だというのです。
彼は他にも色々なことをやって恨みを買っているようです。
探偵事務所の方はなんとか続いています。
前回、新しく雇ったサイモンがトニのことを好きになったようなので、アガサはトニはまだ若いので三年待つように約束させました。
ところがサイモンは探偵事務所を辞め、軍隊に入り、アフガニスタンに行ってしまいます。
トニの方は、夕方のフランス語のクラスを取っており、講師のPaul Finlayと付き合い始めたようです。
ポールがトニには年上過ぎないかと心配するアガサ。
ロイが週末に来ると連絡を寄越します。
何か楽しいイベントがないかと新聞を見ていると、Winter Parvaで土曜日にブタの丸焼きイベントをやるようです。
これはいいと思っていると、停電になってしまいます。
仕方なく、食事をしようとパブに行くと、友人で牧師の妻であるミセス・ブロクスビーが一人でいるではありませんか。
話を聞いてみると、夫のアルフが浮気をしているようだと言うのです。
何もしないと約束しますが、もちろんアガサですから、ミセス・ブロクスビーのために行動します。
次の日、事務所に行く途中でミスター・ブロクスビーの車がカソリック教会のSt Mary'sの前に止まっているのを見て、アガサは教会に入っていきます。
ミスター・ブロクスビーはちょうど告解室に入っていくところでした。
彼が何を告解しているのか聞こうと、アガサは靴を脱いで告解室に近付いていき、耳を近づけると・・・、運悪く人が来てしまい、見つかってしまいます(笑)。
アルフの浮気疑惑はいい結果で終わったので、よしとしましょう。
仕事を終わらせ、事務所に戻ろうとしていたアガサはトニがひげをはやした背の高い三十代後半の男と歩いているのを見かけます。
アガサは二人をブタの丸焼きイベントに誘います。
ブタの丸焼きイベントにはアガサとロイ、ちょうどやって来たチャールズ、トニ、ポールの5人で行くことになりました。
楽しいイベントもアガサが行くと、お約束通り大変なことになってしまいます。
アガサは丸焼きするブタの臀部の矢で射られたハートマークにエイミーと書かれているタトゥーを見つけてしまいます。
ブタはタトゥーをしませんよね。
さて、この首なし死体は誰なのでしょうか。
アガサは「pig」から思いつきます。
俗語で軽蔑を込めて「pig」というと、そう「警官」のことです。
ビルに行方不明になっている警官はいないか尋ねると、あのGary Beechがいないというのです。
アガサたちはGary Beechの元妻のエイミーに雇われることになります。
殺人事件の捜査ではエイミーが何者かに殺され、アガサにビーチの頭部が送られてきたり、ロイが誘拐されたり、トニの誘拐未遂があったり、サイモンが大怪我をしたりと、様々なことが起こります。
のどかで平和なコッツウォルズは一体どこに行ったのでしょう?
トニの問題は年上の駄目男に惹かれるというところです。
自分のことは棚に置き、アガサはトニが心配なようで、友人を総動員してトニの危機を救いますが、間の悪いことに、サイモンが町に帰ってきます。
アフガニスタンで兵士をしている女性を妊娠させてしまい、結婚することになったようです。
アガサとの約束のことは黙っていればいいのに、サイモンはトニに言ってしまい、トニはアガサに腹を立て、事務所を辞めることにします。
でも、アガサの事務所以外に良い働き場所がないことがわかり、辞めませんけどね。
サイモンはろくでもない男です。
前作で両親が交通事故で亡くなったと言っていたのに、生きているではありませんか。それも金持ちのようです。
自分で自分の評判を落としているのに、アガサに復讐しようとするなんて、なんて奴でしょう。
この頃の若者は何でも他人のせいにする傾向があるんですかね。
でも、上手くいかないとアガサの所に戻ろうとするんですよ。
アガサは寂しがり屋だから、わかってはいても、人が頼りにしてくれると嬉しいのよね。
もっと人を見る目を磨こうよ、アガサ。
アガサの男関係ですが、進展はありません。
ロイはよせば良いのに、アガサよりも探偵仕事ができるところを見せようとして、墓穴を掘ります。
チャールズはチャールズで、前回一緒に暮らそうと思ったにもかかわらず、相変わらずきままに行ったり来たり。
元夫のジェームズもアガサと一緒に家に忍び込んだりしますが、これまた肝心な時にいません。
珍しく何事もなく終わるかと思ったら、最後に現れました。
George Marstonです。
彼は40代の退役軍人で、大工仕事や庭仕事など何でもやるそうで、彼にポッとなったアガサは彼を雇い、庭仕事をしてもらいます。
アガサの男友達たちはアガサの悪い癖がまた出始めたことに気づきます。
ロイはジェームズにご注進に及びます。
ジェームズはミセス・ブロクスビーにアガサとジョージの居場所を聞き、わざわざ会いに行きます。
そこで判明したのは、ジェームズもジョージも面識はないのですが、軍隊にいた時の互いのことを知っていたのです。
二人は意気投合します。
庭が綺麗になり、後はメンテナンスだけという時に、アガサはジョージに会えなくなることに耐えきれず、家の本棚を壊し始めます。
彼に大工仕事をしてもらおうという魂胆です。そこまでやるか、アガサ。
ちょうどミセス・ブロクスビーがアガサに会いにやってきて、この有様を見てしまいます。
さて、次回はジョージとアガサの関係がどうなるのかが焦点でしょうか?
アガサ・レーズンのDVDが発売されていました。
頼んだら日本の業者ではなく、スイスの業者だったらしく、一ヶ月以上もかかって届きました。

私の予想とは違うアガサです。
コッツウォルズの村の様子は素敵なのですが、住んでいる人たちが、当たり前なのですが、噂好きの現代人。
ビルがイケメンで、チャールズがイメージと違いました。
聞き取れないので、コッツウォルズの景色を見て楽しんでいます(恥)。
字幕はないのかしら。
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