明けまして おめでとうございます2009/01/01

2009年になりました。
今年もよろしくお願いいたします。
今頃と思うかもしれませんが、昨年のベストを書いてみようと思います。

<舞台ベスト3>
 ・シュツットガルト・バレエ団
 ・ボリショイ・バレエ団
 ・劇団四季の昭和の歴史三部作

<初心者向けベスト能・狂言>
・能「安達原」 
・狂言「博奕十王」、「唐相撲」のような新しい狂言

<ベスト作家>  帚木蓬生

<ベスト漫画家>  よしなが ふみ

<ベストな人>
   辺境生物学者、長沼さん
   脳外科医、上山医師
   心臓外科医、南淵医師

2008年はこれらの人たちによって、楽しい(いろいろな意味で)一年になりました。
さて、今年は昨年以上にバレエや舞台を見ることにしました。
体調もだんだんよくなっていますから、どんどん出かけて、楽しく生きていこうと思います。
今年もよろしくお願いいたします。

レニングラード国立バレエ 「新春特別バレエ」2009/01/03

ボリショイ・バレエがよかったので、二大巨頭といわれている片方のレニングラード・バレエもいいのだろうと、すごく期待をしていました。
今回は相棒(夫)も一緒。
彼はバレエ初体験なので、わかりやすいものをと思って、これにしたのですが、よかったのかどうか…。
とにかく地味に見えてしょうがなかったのです。
ボリショイのダイナミックさを知った今、何を見ても地味にしか見えないのかしら。

第1部「くるみ割り人形」より第2幕~おとぎの国~
マーシャ:イリーナ・ペレン
王子:アルチョム・プハチョフ

第2部「白鳥の湖」より第1幕2場~オデットと王子、湖畔の出会い~
オデット:イリーナ・コシェレワ
王子:ニコライ・コリパエフ

第3部「眠りの森の美女」より第3幕~オーロラ姫の結婚式~
オーロラ姫:サビーナ・ヤパーロフ
デジレ王子:アンドレイ・ヤフニョーク

レニングラードの「くるみ割り」は2007年12月に見ていますが、舞台は前の方がいいような。
スペイン人形のオリガさん以外はこれといってよくもなく悪くもなく…。
見てもいいかなと思えたのが「白鳥の湖」です。
レニングラードのは、最後にオーソドックスに二人が共に消えていく版のようです。
コールド・バレエがきれいそうです。
「眠り・・・」では、王様が白塗りで出てきてびっくり。
その上、オーロラとデジレはかつらをかぶっているんですよ。
地毛ではだめなのかしら?
衣装もかわいくないし…。
ボリショイの時も思いましたが、ファッションセンスが違うのかもね。
御伽噺の中の登場人物が出てくるんですが、なんか今一。
狼や長靴を履いた猫のみかけがかわいくないのです。
それに人食い鬼なんか出さなくてもいいんじゃないなどと思ってしまいました。
フロリナ姫と青い鳥のパ・ド・ドゥは好きなのですが、ちょっと華がありません。
一番のハイライトのオーロラとデジレ王子の踊りは何故か盛り上がりませんでした。
何故でしょうね。
サビーナさんにオーラが少ないのかしら?
オーケストラのテンポのせいかしら?観客のせい?
「眠り・・・」のチケットは買っていないので、よかったかも。
日本に来たばかりでしょうから、ダンサーも疲れているのかもしれませんね。
ひょっとして、レニングラード・バレエは「白鳥」とか「ジゼル」系のバレエが得意なのかもしれませんね。
次回に期待しましょう。

相棒にまた見たいかと聞くと、「見てもいいかも。なにか曲芸を見ているようだ。何かすごい技をすると、拍手をするんなら、マッスル・ミュージカルを見るほうがいいんじゃない」と言っていました。
これにはボリショイ・バレエの岩田さんが言っている言葉が関係しているのですが、詳しくは明日にでも書きます。

北川裕子・剛史 『ボリショイ・バレエ―その伝統と日本人ソリスト岩田守弘』2009/01/04

ユーラシア・ブックレットのNo.129がこの本です。
こういう主にロシアや中央アジアに関するブックレットがあるとは知りませんでした。
前半は岩田さんのバレエ人生、後半がボリショイの伝統という内容になっています。

この本の中で岩田さんが言っている言葉がボリショイだけではなく、芸術の意義を表しているように思います。

「『すごい』というのは、技術的、いわばサーカス的な要素なんです。他方で『素晴らしい』というのは芸術的な要素であり、内面と表現的な要素です。バレエというのは芸術なんだから、絶対的に重要なのは『素晴らしい』ということです。それに加えて『すごい』要素ももちろん必要です。」

今のバレエ学校の生徒は「すごい」かもしれない。しかし自分達の学生の頃の方が「素晴らしかった」のではないかと岩田さんは言っているのです。
私が見たボリショイの「ドン・キホーテ」は「すごかった」のです。
相棒が昨日言ったのも、技術は「すごい」でもそれ以上は・・・ということだったのですが、はっきり言って、昨日のような見所ばかり集めたものに、芸術性を求めてもね。
「くるみ割り人形」や「眠りの森の美女」の昨日の場面は純粋に「すごい」と思っていいものですよね。
下手にこの本を読んだものだから、えらそうに言いたかったようです。
人のことばかり言えませんが(私もそういう傾向があるので)、頭で感じようとするのも考えものです。
芸術は形ではなく、表現である、だからその人が舞台の上で丸裸になります。
それを感じるためには頭ではなく心で感じなくては…。
この本を読んで、もっと岩田さんのバレエを見たくなりました。

「ワールド・トレード・センター」と「赤毛のアン」、「魔法にかけられて」を観る2009/01/05

お正月に映画を見には行きませんでしたが、DVDを3本見ました。

まず、「ワールド・トレード・センター」。
この映画はオリーバー・ストーンが製作した、同時多発テロで崩壊したワールド・トレード・センターに関わった人たちの実話を基にした映画です。
2001年9月11日、港湾局警察官、ジョン・マクローリンとウィル・ヒメノは、ワールド・トレード・センター内部に遭難者の救出に向かいます。
しかし、彼らは瓦礫の下敷きになってしまい、身動きがとれなくなってしまいます。
彼らが救出されるまでの救出活動と家族、そして彼ら二人を描いた、ヒューマン・ドキュメントです。
あれから世界は着実に変わっていきました。でもいい方にでしょうか?

二本目は「赤毛のアン」です。
アンは私にとって永遠のアイドルです。というのも、実は私も小さい頃、赤毛だったんです。
マニラがアンが成長して、自分達のところから巣立っていくことが悲しいというところで、涙がこみ上げてきました。
美しい自然と素晴らしい俳優達の演技に、アンの物語をもう一度読みたくなりました。

最後の三本目は、「魔法にかけられて」。
なんでアニメの中のお姫様が現実のニューヨークに現れるのなんていうことは、忘れてください。
ジゼルの明るさと前向きさが、私達の忘れていたものを思い出させてくれます。
誰だって、夢見たいのよ。
でも、ゴキちゃんとかねずみが現れて、掃除を始めたら…気持ち悪いですよね。
笑いたいときにどうぞ。楽しい大人のファンタジーです。

休みに読んだミステリー2009/01/06

12月はシリーズ物がたくさん出版されていました。
その中の1冊目はクッキング・ママ・シリーズ、『クッキング・ママのクリスマス』。
ケータラーのゴルディ・シュルツが主人公ですから、おなじみの美味しそうな料理の数々が出てきます。
ケータリング料理ってそんなに美味しいと思ったことがないのですが、アメリカのは読んでいるだけで、本当に美味しそうです。
ミステリーとしては、ゴルディと離婚した、いけすかない暴力夫が、前作で死んでからトーンダウンです。
なにやらゴルディは危ない感じになってきました。
殺人事件を解決することに生きがいを感じているような、自ら進んで危ない目にあっている感じになっています。
シリーズとして続けていくのも大変なのでしょうね。
今回は古い地図にまつわる殺人ですが、死んだはずの女性が現れたりと、ゴルディーピンチ。

2冊目は女性検事補アレックス・シリーズ第十弾『焦熱』です。
マンハッタン地方検察庁性犯罪訴追課長アレグザンドラ・クーパーが、相棒のニューヨーク市警殺人課刑事、マイク・チャップマンと特殊被害者課刑事、マーサー・ウォーレスと共に性犯罪に挑みます。
ニューヨーク湾に浮かぶガバナーズ島が事件の舞台になります。
ガバナーズ島はバッテリー・パークからフェリーに乗って行けますが、かつては海軍施設があり、近年では海上警備施設として使用されていた島で、今は夏季に一般公開されているそうです。
前作ではマンハッタンの地下の様子が出てきて、今回はガバナーズ島。
ニューヨークの歴史の勉強になりますわ。

三冊目は転職・ミステリ・シリーズ第三弾『おかけになった犯行は』。
夫への慰謝料を払うのが嫌で逃げているヘレン・ホーソンは前回までブティックから本屋と職場を変え、今回は電話セールス会社に勤めています。
ヘレンはセールスの電話をかけているうちに、女性の断末魔の叫びを聞いてしまいます。
警察に殺人があったと電話しても、信じてくれません。
しかし、被害者の姉は信じてくれ、二人で事件を調べることになります。
となりの透明人間だった男性が現れて、ヘレンといい関係になったりと、ヘレンの生活にも変化が現れますが、三作目になるとマンネリかしら?

四冊目は本当にシリーズになってしまったガラーノ・シリーズ第二弾です。その名も『前線 捜査官ガラーノ』
また女地区検事、モニーク・ラモントから45年前に起きた事件の捜査を押し付けられます。
結構モニークに事件を押し付けられるのが快感だったりして。
彼女もいろいろとあるんですよ。
話は前回ほどスピード感がなく、凡庸ですね。
私は前回同様におばあちゃんにとっても興味があります。
というわけで、シリーズ物、今ひとつでした。

カズオ・イシグロ 『わたしを離さないで』2009/01/07

カズオ・イシグロは名前からわかるように、日本の長崎で生まれ、後にイギリスに帰化した作家です。
5歳でイギリスに渡ったため、すべての作品は英語で書いています。
本人曰く、親との会話は日本語でも5歳の日本語だと。

『わたしを離さないで』の舞台は、ある目的のために作られた施設ヘールシャム。
そこで主人公である介護人キャシー・Hは育ったのです。
最初、ヘールシャムのことはイギリスの寄宿舎のようなものかと思っていました。
読み進むうちに、だんだんと明らかになってくるのですが、そこは臓器移植のためのクローン人間を集団で育てる場だったのです。

介護人とは、臓器提供者のそばにいて、精神的な支えになるような係りのことです。
キャシーは介護人を11年以上もやっていますが、今年限りで止めようとしています。
本には書いてありませんが、介護人を止めるということは、臓器提供者になるということなのでしょう。

キャシーの記憶の中にあるヘールシャムと友人の思い出が淡々と語られています。
クローンでも感情はあるから、楽しいこともあれば、悩むし、苦しむ。
でも彼らは外の世界のことを知りながら、ヘールシャムから出ようとはしません。
ヘールシャムから出されても、臓器提供者としての自分達の使命を静かに受け入れるのです。

何故なんだろう?
そういう思いで読み進みました。

何度も出てくるヘールシャム。
子供時代の記憶は人の人生で生きるための糧になりうるのかもしれません。

英語でもう一度読み返してみたいと思います。

杉本亜未 『ファンタジウム 1~3』2009/01/08

夢を忘れようとし、仕事に熱中していることってありませんか?
人は誰でも、小さい頃に夢見たことがあります。
でも成長するにつれ、それを忘れようとし、無理に社会に適応していきます。
夢見ていたら、生活ができないよと言い訳しながら…。

監視カメラを売っている会社に勤めている工藤は、マジシャンだった祖父のようになりたいという夢を捨て、普通の生活をおくっていました。
しかし、カジノバーに営業で行った時に、イカサマをしている少年に出会い、祖父とのことを思い出します。
その少年のカードをパームする(手の中にコインやカードを隠し持つ)技術は、神業だったのです。
あれほど自然にカードを隠せるのは、祖父以外にいないと思っていたからです。
その後、祖父がマジックショーをしていたキャバレーで、イカサマをしていた少年が、祖父からマジックを教わっていたことを知ります。
少年の名は長見良といい、難読症で字も書けず、字も読めません。
そのために学校でいじめられ、登校拒否になっていました。
良のマジックの腕を見込んだ工藤は、自分と同じ仕事に就かせようとしていた父親から良を引き取ることにします。
工藤は良を世界で名高い一流のマジシャンにすることを夢見ます。
しかし、良は純粋にマジックが好きで、マジックで人を喜ばしたいだけだったのです。
二人の夢はどうなっていくのでしょうか?
と書くと、よくある話に思えるかもしれませんが、細部は書いてありませんので、とにかく読んでください。
感動して、必ず泣きますよ。
作家の三浦しをんさんお勧めの漫画です。

レニングラード国立バレエ 「ジゼル」を観る2009/01/10

昨日の雨の中、BUNKAMURAまで行ってきました。
白いチュチュを着て踊る女性って、好きです。
私は結構「白鳥の湖」や「ジゼル」のような群舞が好きなのだということがわかりました。
まあ、初めての「ジゼル」ですから、比べようがなく、自分で見たまんまを書きますが。

2009年1月9日(金)

ジゼル:イリーナ・ペレン
アルベルト:アンドレイ・ヤフニューク
ミルタ:ヴィクトリア・クテポワ
森番ハンス:ウラジーミル・ツァル

《第一幕》
いつものバレエより、マイムが多用されています。
よく内容を理解していなかった私も、ジゼルが美人だとか、心臓が弱いことなどがわかりました。
伯爵アルベルトは、従者の止めるのも聞かずに、農民のふりをして、ジゼルに会いに行っていました。
考えてみると、今のように自由に恋愛もできずに、政略結婚をさせられてしまうアルベルトもかわいそうですね。
だからといって、騙すのも…。
同じようにジゼルを愛する森番のハンスはアルベルトのことをうさんくさく思っていました。
ある日、アルベルトが着替えをしている小屋に忍び込み、服と剣を見つけます。
たまたま伯爵一行が狩りにやってきます。
そして、ジゼルの家で飲み物をもらうことにします。
アルベルトの婚約者のバチルドも一緒に来ていて、ジゼルのことを気に入り、首飾りを与えます。
ジゼルは素敵な衣装を着た彼女にあこがれます。
村の収穫祭が始まります。
ハンスはアルベルトの嘘を暴こうとしますが、ジゼルはなかなか信じようとしません。
そこで、ハンスは角笛を吹き、伯爵一行を呼びます。
真実を知ったジゼルは悲しみと絶望で、精神に異常をきたしていきます。
今までういういしくも、かわいいジゼルを演じていたペレンが、狂気に陥るジゼルをうまく演じています。
やがてジゼルは息絶えます。

《第二幕》
真夜中。ジゼルの墓のある森の中には、結婚前に死んだ女がなるというウィリ(精霊)達がいました。
そのウィリ達を率いているのが、ミルタ。
ミルタに呼び出され、ジゼルもウィリの一員になります。
そこにやってくるのが、ハンスです。
ここで疑問。何故ウィリがいるのがわかっているのに、真夜中にお墓にやってくるのかしら?
ハンスはウィリ達につかまり、踊り殺されます。
その後、アルベルトが、またまた止める従者の言うことを聞かずに、ジゼルのお墓にやってきます。
アルベルトもウィリの餌食になるのか…と思ったら、ハンスが殺される時は何もしなかったのに、ジゼルはアルベルトを殺さないでと、ミルタに頼むのです。
かわいそうなハンス。
ウィリ達が集団で集まったところなんて、ゾクっとしました。
ミルタ役の人は冷たい金髪美人です。
やがて夜明けの鐘の音が聞こえ、ウィリ達は消えていきます。
アルベルトは命拾いをし、一人残されます。
ウィリになったペレンもよかったです。
アルベルト役のヤフニュークはパンフによると、初めての主役デビューだそうです。
プレイボーイという感じではなく、純粋にジゼルを愛するアルベルトという感じでした。
彼もハンス役の人もそうですが、足が長くてびっくりしました。
胴体と足が半々ぐらいなんですよ。
ジャンプなどは、ボリショイのダンサーに負けてましたけれど。
「ジゼル」はまた観たいです。

レニングラードは女性の群舞とこういうロマンチックな演目が得意かしらと思いました。

レニングラード国立バレエ 「白鳥の湖」を観る2009/01/11

「ジゼル」を観て、がぜん楽しみになったレニングラード国立バレエですが、その期待通りの舞台でした。
やっぱり私、群舞が好きです。
バレエ団により振り付けが違うのは当たり前なのですね。
ボリショイでは個々のバレエダンサーの踊りが多かったので、群舞があまり活用されていませんでした。
「白鳥の湖」では群舞を観たいですし、この方が最後の二人の悲劇がより強調されていいように思いました。

2009年1月11日(日)   13時開演 国際フォーラムホールA

オデット/オディール:オクサーナ・シェスタコワ
ジークフリート:イーゴリ・コルプ
ロットバルト:ウラジーミル・ツァル

《第一幕》
湖のそばの森でジークフリートの成人式の祝宴が開かれています。
ボリショイでは宮殿で、舞台回しとして道化が登場していました。
舞踏会で花嫁を選ぶように言われ、憂鬱になった王子は白鳥狩りに湖畔へ行きます。
コルプは意外と背が低く、あまりスタイルはよくありませんが、流石オーラが違います。
存在感があります。
踊りも的確で、特に手を伸ばした時の姿がきれいだと思いました。
湖畔で出会うオデットとジークフリート。
二人はだんだんと惹かれあい、最後にジークフリートはオデットに愛を誓うのですが…。

《第2幕》
舞踏会。
ロットバルトがオデットそっくりのオディールを連れて登場します。
ジークフリートを誘惑するオディール。
シェスタコワはオデットの時とは違い、妖艶に舞います。
「新春バレエ」で観たロットバルトは今まで見た中で衣装も貧乏くさく、はっきり言って期待していなかったのですが、ツァルさん、結構いいかも。
オディールをオデットと取り間違え、愛を誓ってしまったことを知ったジークフリート。
湖畔で、オデットはジークフリートの裏切りを嘆き悲しみます。
もはや呪いから逃れることはできません。
そこにジークフリートが来て、二人は愛を貫き、湖に身を投げるのでした。
や~、感動しました。
技術的に「すごい」というものはなくても、これぞ芸術という感じでした。
シェスタコワは安定した踊りですし、コルプはジークフリートそのものでした。
二人の「ジゼル」観たかったです。

「絵画の森。戦後日本美術の作家たち」@川村記念美術館2009/01/14

だいぶ前に同僚がいい美術館があると言って教えてくれていた所にやっと行ってきました。
簡単に行ける所ではありませんが…。
なにしろ都心から約1時間半強。
JR佐倉駅から無料送迎バスに乗って30分かかります。
横須賀美術館は海沿いですが、川村記念美術館は里山の中にあります。
「リニューアル2008コレクション展示」ということで、冬季と夏季にそれぞれ120点所蔵作品を展示しているそうです。
入ってすぐにレンブラントの「広つば帽を被った男」に出会えてびっくりしました。
海外の絵画は他にルノアール、ピカソ、モネ、シャガールなどがあります。
日本のものでは、長谷川等伯の「烏鷺図屏風」や尾形光琳 「柳に水鳥図屏風」があり、等伯好きの私としては、行って良かったと思いました。
「戦後日本美術の作家たち」では、荒川修作の「風景」、杉本博司のアメリカの劇場を写した写真「パラマウント、ロサンジェルス」、中西夏之の「4ツの始まり」などがよかったです。

広々とした部屋にゆったりと作品が展示してあるので、現代美術に食傷気味の私でも平気でした。
横須賀は狭い空間にギュウギュウ絵を展示している感じがしました。
展示にも空間が大切ですね。

美術館の外には池があり、白鳥が泳いでいます。
自然散策路があり、もっと暖かくなったら歩いてみたいものです。
レストランがあったので、入ってみました。
残念ながら味は今一でした。
ショップにはいろいろなものが売っていました。
私はフクロウの置物と地元のお醤油、ピーナッツクリームを買いました。
美術館に入らなければ、無料です。
お弁当を持って、広場でゆっくりするのもよさそうです。
次は桜の頃に訪れようと思います。