レジナルド・ヒル 『探偵稼業は運しだい』2011/08/11



これってシリーズの五作目だそうです。一作目と二作目は十五年前に翻訳されたのですが、それ以降中断していたそうです。読んでみたところ、結構おもしろいと思いました。

シックススミスはかっこいい探偵かと思うと、なんと小柄で禿げかけた、冴えない四十代の独身おっさんです。こういう彼でもガール・フレンドや頼りになる女友達はいます。意外と人好きのする人で、探偵とはいえ頭脳を使うよりも体を使い、本人も認めているように運のよさで何とかやっていくという人です。

今回の舞台は高級ゴルフクラブ<ロイヤル・フー>。
知り合いの警官から紹介されたからと、郡の古い家柄出身のクリスチャン・ポーフィリがジョーに会いに来ます。<ロイヤル・フー>はポーフィリの一族が創設しました。
彼はゴルフで不正を働いたと非難されていたのです。
一体誰が彼をはめようとしたのか、それを探るのがシックススミスの役割です。

私はゴルフは頚椎症が悪化したため、一回コースを回っただけで終わりになってしまいました。今はやる気にはなれません。
この本の中のゴルフの話題はついていけませんが、ゴルフ自体は謎解きとは関係ないので、ゴルフを知らない人が読んでも大丈夫ですよ。

実際には登場しないのに、ちょっと気になるミラベル伯母さんや、看護婦でガール・フレンドのベリル、怪力のボクサーのジョージ、弁護士のブッチャー(女性です)など、これまたお約束の主人公を取り巻く人たちもおもしろく、軽く読めるユーモア・ミステリーです。
暇つぶしにどうぞ。