新野剛志 『あぽやん』2011/09/13



この本も、私が選ぶお仕事本の一冊に入りました。こういうのが好きです。

「あぽやん」とは、テレックスを使っていた時にアルファベット三文字で事物を表しており、空港がAPOだったことから取ったもので、「ツアーの出発点となる空港で、様々なトラブルを排し旅客を無事に送り出す空港のエキスパートを、賞賛を込めて読んだのが始まり」だとか。ところが今は空港勤務は閑職という位置づけになっているそうです。

大航ツーリスト本社から成田空港所に送り込まれたのが、29歳の遠藤慶太。
なんでこんなに若くでという疑問が湧きます。本人曰く、仕事を大量に与えられている課長補佐のことを課長に「これはいじめと一緒です」と諫言したためとか。
銀行にしろ旅行会社にしろ、上司にはむかうと怖い人事が待っているんですね。

空港勤務の人がどんな仕事をしているのか、初めて知りました。
何回かカウンターの人にお世話になったことはありますが、あぽやんなどという人がいるとは知りませんでした。私はとってもいいお客さんですから、迷惑かけることなかったですから。

知らない旅行会社のお仕事のひとつなので、読みながら「へー」とか「ふむふむ」とか思わず声をあげたくなります。新野さん、旅行会社に勤めていたんですって。やっぱりね。

なんで俺があぽやんなんだ、と思いながらも、いい先輩たちに鍛えられていき、一人前のあぽやんに成長していく慶太がいいですね。
どんな仕事でも、ベストを尽くす、その姿が美しいです。

「楽しんでいる?」と手鏡で笑顔をチェック、今度やってみようかしら?