「ブラック・スワン」を見る2011/09/16



この映画、怖そうなので映画館には見に行きませんでした。DVDになったので、どんなものか、怖いもの見たさで見ました。う~ん、怖いし、それにちょっとエロティックね。
ナタリー・ポートマンは綺麗だけど、こんな人、ダンサーにはなれないだろうし、こういうダンサーはいないな、と思いました。

どこまでが現実で、どこまでが幻覚なのか。

ニナはNYのバレエ団員。今度上演する『白鳥の湖』の主役に抜擢されました。
バレエがすべての生活を送り、家に帰ると過保護、過干渉ともいえる母親がいます。母は昔バレリーナをしており、28歳でニナを妊娠し、バレエを辞めていました。自分のかなえられなかった夢を娘に託していたのです。

優等生のニナは純真、無垢のホワイト・スワンにはぴったりでも、官能的で邪悪なブラック・スワンにはなれません。
ブラック・スワンを踊るためには自分を解放しなければならないのです。

練習では振付のトマスが彼女のことを「不感症だ」だと言ったり、パートナーに「彼女を抱きたいと思うか」と聞いたりと、セクハラもどきのことを言われ、責められます。
その上、ニナと正反対の新人リリーが主役を奪おうと虎視眈々としているようです。

やがてニナは精神的に追い詰められていきます。

ナタリーはこの役を演じるために減量に励み、一年間バレエのトレーニングをしたそうです。
ABTのサラ・レーンがボディダブル(替え玉)をしています。
アップのシーンが多いので、ナタリーがどれほど踊れるのかわかりません。
サラによると全身が写っている場面では5%ぐらいしかナタリーは踊っていないそうです。ナタリー側の人たちは80%と言っていますが。
たぶんサラの言うことの方が本当だと思います。
小さい時にバレエをやっていたからといって、いくらなんでも一年ぐらいでは踊れないでしょう。
腕と顔だけのシーンも入れて、ナタリーが写っているのが映画の80%ぐらいになるでしょうけどね。
クレジットにサラの名前が出るかと思って見ていましたが、私の見間違えかもしれませんが、なかったです。どうしてなのでしょう。ちゃんと載せてもらいたいですね。
後から起こった騒動はこの辺に理由がありそうです。

映画としては、精神的に脆い女性が徐々に壊れていく様がスリラー風に描かれていて、スリラーとして見る分にはいいです。
しかし、実際のバレリーナは、ニナのような人では途中でダメになるでしょう。
振付の人もあんなセクハラまがいのことはしないでしょうし。
監督がバレエを通して何を撮りたかったのかわかりませんでした。
バレエ映画としては見ない方がいいですね。
ナタリーの演技はよかったですけど。