ジョアン・フルーク 『プラムプディングが慌てている』2011/09/28

お菓子探偵ハンナ・シリーズの十二作目。
<クッキー・ジャー>というクッキー・ショップのオーナー、ハンナが主人公ですが、何故か季節が真冬のクリスマス・シーズンのお話です。
今年中に十三巻目が出ないのなら、十一月下旬過ぎに発売してもよかったかも。


クリスマスは日本では考えられないほど西洋では一大行事だと前に書きましたが、クリスマス・シーズンにはツリーを売る専用のお店が出来るとは知りませんでした。昔の映画でみたように街角で売っているのだとばかり思っていました。
ハンナの町には<クレイジー・エルフ・クリスマスツリー・ロット>があります。
そこには大ボリュームでクリスマス・ソングを流がされており、エルフの格好をした店員がいて、ツリー用のテントやおもちゃショップ、オーナメント・ショップ、ツリースタンド・ショップ、クッキー・ショップなどの他に遊園地にあるような乗り物まであるのです。郊外にあるショッピング・モールのツリー版ですかね。

ツリーも色々な大きさがある上に、もみの木って一種類だと思ったのですが、違うんですね。ブルースブルースとかスコッチパイン、ノーブルファーなんて名前が出てきてもピンときませんわ。種類によって針葉が柔らかいとか、暖かい部屋でも針葉が落ちずらいとかの違いがあるのだとか。

ハンナのボーイフレンドの歯科医のノーマンが、ハンナのためにツリーを買ってくれます。(やさしいですね)でも、猫はツリーが嫌いみたいです。ツリーをひっくり返しちゃうんですから。みんなで猫にお説教するところなんか、おもしろいです。猫は人間語がわかるのでしょうか?

ハンナは相変わらず優しくて誠実なノーマンと、イケメンでセクシー、浮気者の刑事のマイクとの間でうろちょろしています。サッサとノーマンに決めればいいのにと私なんかは思いますがね。

美味しそうなハンナのデザートがたくさん出てきます。今回のお勧めは「ホットファッジサンデー・ケーキ」です。

ケーキの「てっぺんをフォークで開き、流れ出たファッジソースが皿のまんなかにたまるようにして、ひとすくいのバニラアイスクリームを落とす」

ファッジソースってチョコレートのソースのことのようです。
アイスクリームはお好みで。コーヒーアイスクリームがハンナのお気に入りだそうです。
甘くてカロリーが気になります。

殺人はもちろん起こります。それよりも、アメリカのクリスマスの雰囲気を味合うために読むと楽しいですよ。