響野夏菜 『ザ・藤川家族カンパニー あなたのご遺言、代行いたします』2014/02/18



遺言代行会社とはいかに?
人の死後にやりことしたことを代わりにやるという趣旨。
例えば、昔好きだった人に代わりに告白する。
故人が飼いたかった猫を探す。
ブイヤベースを美味しかったと伝える・・・などなど。
簡単に思えるでしょう。
でも、簡単じゃないんです。
書いた人は嫌なら詳しく書かなくてもいいんです。
好きな人の名前も住んでいたところも。
ブイヤベースをどこで食べたかも。
そんなんで代行しろというんですから大変です。

藤川家族っていうのがおもしろいです。
15歳から30歳までの6人の異母兄弟家族なのです。
父親は三里という詩人で写真家のいい加減な奴で、兄弟を残して逃亡、ではなくて放浪しています。
子供は①四寿雄②五武③六郎④七重⑤八重⑥九里というように数字がついた名前で、七重だけが女です。
長男の四寿雄が金にならない遺言代行カンパニーをやっており、弟たちが仕方なく手伝いをしています。

ある日、父の隠し子が見つかります。
名前は十遠。
母親が亡くなったので藤川家で引き取ることになったのです。
唯一の女の子である七重は彼女のことを受け入れることができませんでした。
一体十遠は父三里の子なのでしょうか。

響野さんはコバルト文庫でファンタジーぽいのを書いているようですが、この本が最初の(?)大人でも読める本ですかね。
結構いい味だしてます。
シリーズ物にしたらいかがでしょうか。
今後を期待します。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://coco.asablo.jp/blog/2014/02/18/7225963/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。