範乃秋晴 『装幀室のおしごと。本の表情つくりませんか? 2』 ― 2017/09/02

本を読みこみ、作者の意向をあくまでも装幀にこめようとするわらべと売上至上主義で本の中身なんか関係ないという巻島。
この二人のコンビがまたいい仕事をしました。
お話は2話。
第一章:『光をなくした目に、見えた音」』
盲目のヴァイオリニストの半生を描いた自伝を出版することになります。
彼の思いは、子どもの頃、事故で視力を失い、生きる気力を失くしていた時に、ヴァイオリンの演奏で自分を救ってくれた人を探して直接お礼を言いたい。
装幀はその人が手に取り読んでもらえるものを、という要望でした。
さて、わらべと巻島はどういう装幀をするのでしょうか。
第二章:『検閲』
ある人気作家の本の装画を描く、新人イラストレーターを探す装画コンペが開催されることとなります。
わらべと巻島はその審査員となります。
彼らが目をつけた作品は2つありました。
商業経験はありませんが、独特の感性がある木下という女性と画力が参加者の中でも群を抜いていた長岡という男性の描いたものでした。
わらべと巻島は二次審査を通った人たちと打ち合わせをしますが、どういう方針を打ち出すかということで二人の意見は合いません。
そのため二人は別々の方針を打ち合わせで提示し、どちらがいいか本人たちに選んでもらうことになります。
その結果、木下と長岡はすばらしい装画を描きますが・・・。
今の時代、何かあるとネットやマスコミが騒ぎ、大事になってしまうのはまずいから止めようなんてことになってしまいがちですよね。
それがいいのか悪いのか、よく考えていかないといけませんね。
騒ぐ人たちは一握りで、他の大多数はそう思っていないことがありますからね。
あまり装幀を重視していませんでしたが、どういう意図の装幀かをじっくり見たいと思います。
でも、この頃、kindleで読んでいるからどういう装幀かわからない・・・。
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