太田紫織 『櫻子さんの足下には死体が埋まっている ジュリエットの告白』2017/09/01



なかなか終わりそうで終わらないシリーズです。

今回は東京の大学に行っていて、年に一回ぐらいしか帰らない僕こと正太郎の兄が急に北海道に帰るから二人で一緒に旅をしようと言いだします。
旅先は正太郎が決め、お金はお兄さんが出すことに。
どこに行こうか悩んだ正太郎のすることといったら、もちろん櫻子さんに相談することです。
櫻子さんですから、行き先は骨のあるところに決まっています。
足寄と網走にいい骨があるらしいです(笑)。
ついでに櫻子さんも行くことになるのですが、男2人と泊まることはまずいということで、伯母さんに頼みます。
一緒に旅はしないけれど、ホテルには泊まってくれることになり、無事、旅立つ3人。
しかし、櫻子さんの他の人のことを考えずに自分の見たいものだけを見ようというマイペースさにいらだつ兄。
そばにいる正太郎は二人の間に立ちびくびくしているばかり。
二人で旅をしようと言ったお兄さんの意図は?

さて、櫻子と正太郎がそろえば、おきまりの死体がでてこないとダメですね。
二人が見つけた死体は白骨化した頭蓋骨。
それも博物館の展示物。
レプリカのはずなのに、櫻子さんが本物だと見抜いてしまうのです。
博物館の研究員(学芸員?)はずっと見ているのに気づかないということはあるのかという疑問もありますが、そういう疑問は置いておきましょう。
そのままにしておけばいいのに、櫻子さんの好奇心に火がつくと消えません。
正太郎とお兄さんは振り回されてかわいそうですね。

そして、後半に、櫻子の宿命のライバルの例のあの人が何やらやらかします。
果たして次回で対決となるのでしょうか?

このシリーズは北海道の各地のスウィーツが出てくるので食べたくなります。
旭川の紅茶屋、もう一度行ってもいいなぁ・・・。
北海道の平原ドライブがいいですね。




平和な兄犬の腹だし寝相。
たまに一緒に寝ると、足元で横になって寝ています。
この頃、いつもそばにいようとしています。
かわいいけれど、ちょっとうざい(ごめん)兄犬です。


範乃秋晴 『装幀室のおしごと。本の表情つくりませんか? 2』2017/09/02



本を読みこみ、作者の意向をあくまでも装幀にこめようとするわらべと売上至上主義で本の中身なんか関係ないという巻島。
この二人のコンビがまたいい仕事をしました。

お話は2話。

第一章:『光をなくした目に、見えた音」』
盲目のヴァイオリニストの半生を描いた自伝を出版することになります。
彼の思いは、子どもの頃、事故で視力を失い、生きる気力を失くしていた時に、ヴァイオリンの演奏で自分を救ってくれた人を探して直接お礼を言いたい。
装幀はその人が手に取り読んでもらえるものを、という要望でした。
さて、わらべと巻島はどういう装幀をするのでしょうか。

第二章:『検閲』
ある人気作家の本の装画を描く、新人イラストレーターを探す装画コンペが開催されることとなります。
わらべと巻島はその審査員となります。
彼らが目をつけた作品は2つありました。
商業経験はありませんが、独特の感性がある木下という女性と画力が参加者の中でも群を抜いていた長岡という男性の描いたものでした。
わらべと巻島は二次審査を通った人たちと打ち合わせをしますが、どういう方針を打ち出すかということで二人の意見は合いません。
そのため二人は別々の方針を打ち合わせで提示し、どちらがいいか本人たちに選んでもらうことになります。
その結果、木下と長岡はすばらしい装画を描きますが・・・。

今の時代、何かあるとネットやマスコミが騒ぎ、大事になってしまうのはまずいから止めようなんてことになってしまいがちですよね。
それがいいのか悪いのか、よく考えていかないといけませんね。
騒ぐ人たちは一握りで、他の大多数はそう思っていないことがありますからね。

あまり装幀を重視していませんでしたが、どういう意図の装幀かをじっくり見たいと思います。
でも、この頃、kindleで読んでいるからどういう装幀かわからない・・・。

久坂部羊 『人間の死に方 医者だった父の、多くを望まない最期』2017/09/03



久坂部さんのお父様のことを書いた本です。

久坂部さんのお父様は医者なのに医者嫌い。
人と争わず、先手必勝ではなく、「先手必敗」。
糖尿病になったのに、血糖値は測らず、薬は飲まず、ほったらかしで好きな物を食べて暮し、後に左足の指が壊死して真っ黒になっても、インシュリンの量を適当に増やすというとんでもないことをして、自然治癒させてしまいます。
外科医から麻酔科医になり、定年を楽しみに働き、定年になったら仕事をきっぱり辞めます。
85歳になって前立腺がんになった時は、「しめた!これで長生きせんですむ」と喜んだんですって(85歳ですから、どう考えても長生きですよね)。
晩年、認知症になりましたが、絶妙な認知症で、最期まで自宅で過ごしたそうです。

久坂部さんも書いてますが、お父様がこのように過ごせたのは息子の久坂部さんが医者であることが大きいと思います。
普通の人はこれほどおおらかにしていられません。
まあ、久坂部さんがずっと家にいて、つきっきりでお父様の世話をしていなかったということもありますよね。
圧迫骨折が治っても、リハビリを嫌がり、自分から動こうとしないで、周りの人にすべてやらせようとするなんて、まるっきり昔の男性です。
お父様の側にいたお母様がお父様に腹を立てて、虐待まがいのことをしたこともあると書いてありますが、お母様の気持ちもわかりますわ。
とにかくお父様、うらやましいです。

さて、私たちはこのような最期を迎えられるでしょうか。
これからどんどん老人人口が増え、病院や介護施設に入れる人数も限られ、在宅を余儀なくされますが、在宅医療を支える医師は増えていくのでしょうか?
医療に大きな期待をせず、あるがままにいくしかないようですが・・・。

西條奈加 『大川契り―善人長屋―』2017/09/05



「善人長屋」シリーズの三作目。
三作目は一作目と同様に短編集です。

相も変わらず真の善人、加助は長屋の人々を悩ませています。
人助けをすることに生きがいを感じているのですが、何故、自分一人でやらないで、長屋の人たちも巻き込むのでしょうか?
長屋の人たちが迷惑に思っていることに気づかないのでしょうか?
善人でも加助のような人は困ったチャンですね。

お縫には兄と姉がいました。
今まで出てこなかったので、お縫が一人っ子だとばかり思っていたのですが。
兄の倫之助は茶問屋に婿養子に、姉のお佳代は漆喰師に嫁入りしていたのです。
父の儀右衛門は倫之助に店に寄りつくなと言って、年に二回以上は会おうとはしませんでした。
お佳代は父の裏稼業をとことん嫌っており、家には寄り付きませんでした。
しかし、兄たちにある悩み事が・・・。

心配していたことが起こりました。
加助が連れてきた男が当たり屋で、居なくなる時に質屋「千鳥屋」から金や質草を盗んでいったのです。
盗品を金にしようと質屋に持ち込めば、千鳥屋のことが知られてしまいます。
さて、どうしたものかと頭を悩ます儀右衛門。

一難去ってまた一難。
加助のせいでまたまた一大事が。
今度はお縫とお俊が人質となり縛られる始末。
加助の人助けもいい加減にしてほしいですね。
この時、お俊がお縫に自分と儀右衛門とのなれそめを語ります。
お俊と儀右衛門にこんな過去があったとは・・・
母の語りを聞きしんみりとした後に、このまま縛られっぱなしではいけないと、お縫が盗賊一味にある提案をもちかけます。

こんな感じに善人長屋、特に長屋の差配の儀右衛門一家が加助に振り回され、散々な目にあっています。
前作までお縫が後先考えずにつっぱしる感じでしたが、やっと落ち着いて物を考えるようになったようです。
そろそろお縫も嫁にいけるかな?



ヘソ天までいきませんが、脚をあげて寝ている兄犬。
この頃、私が寝ようとすると起きてきます。
一緒に寝ると、ベッドの半分をのっとられます(笑)。
私が寝返りをうつたびに起き、体を寄せてきます。
かわいいです。

伊岡瞬 『痣』2017/09/07



一年目の結婚記念日に妻を殺された真壁は、妻の命日に警察を退職することにしていました。
退職まで後、14日。
明日から出署しないことになっていました。
しかし、真壁を引き止めるかのように、真壁の勤務する奥多摩分署管内で美女冷凍殺人事件が発生します。
被害者の左胸には亡くなった妻と似た痣がありました。
その後、次々と見つかる死体。
死体には妻の殺害との関連を臭わす物が。
妻の死後、抜け殻のようになっていた「野犬」、真壁ですが、元一課の血が騒ぎだし、事件を追うようになります。
そして明らかになる、意外な犯人・・・。

犯人と動悸が今一でしたけれど、真壁・宮下コンビがだんだんといいパートナーになっていくところがよかったです。
それにしても同じ刑事なのに、気に食わないからといって、あのようなとんでもない態度を取る奴っているのですね。
男の嫉妬は恐ろしいですわ。