降田天 『すみれ屋敷の罪人』2019/03/06



日本推理作家協会賞や『このミステリーがすごい!』大賞を受賞してデビューした降田さんの作品です。
こう紹介しても、私、彼女の作品を読むのが初めてで、どういう作品なのかと思いながら読み始めました。

2001年、戦前の名家・紫峰邸の敷地内から2つの白骨死体が見つかります。
紫峰邸で働いていた女中や使用人たちのところに西ノ森と名乗る男が話を聞きにきました。
紫峰邸はすみれの花の咲く美しい館でしたが、当主と三人の美しい娘たちは終戦間近、東京大空襲で亡くなったということです。

ならば、白骨死体は誰なのか?

話を聞いていくうちに、美しい館で起こった隠された悲劇が浮かび上がってきます。

戦前の昭和、名家、すみれのステンドグラスのある館、美しい娘たち・・・こういうのが好きな人にはたまらない作品でしょうね。
正統派ミステリではないですが、漫画とか映像にするといいですね。
面白くはあったのですが、戦前・戦中の昭和嫌いの私には食指の動かないミステリでした。