エリー・アレグザンダー 『ビール職人の秘密と推理』2022/03/16

ビール職人シリーズの三作目です。


ビールで有名なレブンワース。
冬のイルミネーションイベントが近付いていました。
そんな中、市議会議員選挙が行われることになり、二名が立候補しています。
その一人、現職のクリストファー・クーパーは長年市議会議員を務めていましたが、何を血迷ったのか、最近になってビール産業の盛んなレブンワースで、禁酒政策を推し進めようとしています。
もちろん事業主たちは大反対で、彼の対立候補、ヴァレリー・へディを全力で応援しています。

ブルワリー<ニトロ>のビール職人であるスローン・クラウスは、クリスマス用の新作ビールを醸造しながら、宿泊施設オープンに向けて二階の改装に精を出しています。
私生活では真剣に夫と離婚しようと考え、結婚してから住んでいる家からもっと小さな、息子と二人で住むのに十分な家を買おうと思い始めました。
生みの親探しは何やらきな臭い感じがしています。

ある日、気になる家があったので、自称レブンワースの大使で不動産会社を経営しているエイプリル・アブリンと話をしようと思い立ち、オフィスに行ってみると、クリストファー・クーパーの死体と、エイプリルが容疑者として逮捕されるのを見てしまいます。
そういえば昨日、クリストファーはヴァレリーの集会が行われている<デア・ケラー>にやって来て、喧嘩を売っていました。

後日、エイプリルに会いにいったスローンは、彼女から助けを求められます。
親友だからと。親友?いつ親友になったのかしら?
そうは思いながらも、エイプリルが殺人を犯したとは思えないスローンは聞き込みを始めます。

クリスマス用の新作ビールが気になったでしょう。
どんなものかご紹介しましょう。
まず一つ目が、ローストしたヘーゼルナッツと砕いたカカオ豆、バニラビーンズを使ったチョコレートヘーゼルナッツ・インペリアル・スタウト。
二つ目が、塩とクランベリーとバター味のポップコーンでできた、酸味のあるゴーゼ。ゴーゼとはドイツ伝統のビールのことだそうです。
三つ目が、松で風味づけをしたIPA(インディアペールエール)。
びっくりしたのが、発酵したビールに直接風味付けのカカオ豆とか松葉、ポップコーンなんかを入れてるんです。後から濾すんでしょうけど、ちょっと想像できません。
私としてはアルコールに弱いので、飲むとしたら、デザートみたいな一つ目のチョコレートヘーゼルナッツ・インペリアル・スタウトかな。
出てくるお料理も美味しそうです。
今回はドイツのじゃがいもの団子・クヌーデルが私の推しです。
あ、ビールと合うかどうか、わかりませんけど。

このシリーズも殺人よりもビールと料理が気になります、笑。