テレビ版 「犬飼さんちの犬」を観る2022/02/01

猫に続き、今度は犬ということで。
これもテレビ東京で放映されたのかな?


犬飼保(小日向文世)は離島のスーパー、バスコダガマに勤めています。
店員たちはみなやる気がなく、店長(柳憂怜)は毎日釣り三昧。
面倒なことが起こると、すべて犬飼に押しつける始末。
店の裏に犬屋敷があり、そこの犬がスーパーに来るお客さんに吠えたり、匂いが強烈だったりするのでどうにかしろと店長に言われ、犬飼は犬嫌いだというのにしぶしぶ説得に行きますが…。

すべて東京に住む家族のための我慢です。
家族とは毎朝ネットで繋いで一緒に朝ごはんを食べます。
しかし今朝、何やら白い変なものが映っていました。
まさか…。

離婚をして家族のいない店長のやっかみから一年も家へ帰れず、やっと帰れたと思ったら、なんとそこに白い悪魔がいました。
そう、あれだけ苦手だと言っていたのに、家族は犬飼がいないことをいいことにしてサモエドという犬を飼っていたのでした。
パパがいない寂しさを埋めるためにというママの潤子(ちはる)。
僕とサモン(サモエドの名)のどっちか大事なのかと納得のいかない犬飼。

それから朝食のネット中継にサモンが現れ、パパはそっちのけwww。
それだけではなく、頭痛の種が増えます。
本社で持て余されていた菊田萌子が島に赴任してきて、犬飼は彼女の教育係を押しつけられてしまったのです。
萌子は融通がつかず、何でもすぐにはっきりと言ってしまう性格で、着任早々島の人たちから嫌われてしまいます。
もう少し上手くやれよと思う犬飼ですが、萌子には通用しません。
犬屋敷だけではなく、萌子のことでも頭の痛い犬飼でした。

しかしそんな時に犬屋敷の主がいなくなります。
これで犬屋敷問題は解決。
犬を一匹置いていったのには困りましたが、なんとか萌子に押しつけます。
犬飼はやっと東京に帰れることになります。
しかし、家には犬がいるし、潤子は謎のカラオケ教室に通っており、休日に家には犬飼しかいなくて、言うことをきかないサモンの面倒をみなければならなくなったりします。
会社では会長の息子(池田鉄洋)が店長の問題店舗を押しつけられます。
ああ言えばこう言うバカ息子に、温厚な犬飼はついつい怒鳴ってしまいます。
辛いね、犬飼さん。

さて、犬飼は犬嫌いを克服できるのか。
そして会社は…。

小日向さんが人のよい犬飼の役を好演しています。
登場人物たちが一癖も二癖もある人たちで、面白く観ていけます。
私のお気に入りはスーパーの店員の鳥飼カエデ(木南晴夏)と怪しいペットショップ店員の芝二郎(佐藤二朗)です。
サモエドはもちろんカワイイですけど。
でもあんなに大きな犬だと餌も沢山食べるし、出すものも多くて大変だろうなと思います。家の犬たちは基本家で排泄をやるように躾てあるのですが、大きい犬は…外でやるのかな?

「くろねこルーシー」同様にほっこりくるドラマです。


さて、我家の犬たちはというと、兄犬は幼い頃からよく吐きます。
弟は吐くことがないのに。
そのおかげでベッドやハウスは数ヶ月しか持たないので、いつも安いものを買います。
この前またベッドの上で吐きました。
そんなわけで、新しいベッドを買いました。
部屋に置いておくと、すぐに気づいて寝始めます。


これでSサイズです。こんなに大きなSサイズって初めてです。
仲がよかったら弟と一緒に寝せたいところですが、無理だわねぇwww。


「ママ、僕もベッドがほしいです」
「あなたはすぐに汚すので、パパの匂いのついたバスタオルで我慢してねww」

映画版「くろねこルーシー」&「犬飼さんちの犬」2022/02/02

「くろねこルーシー」と「犬飼さんちの犬」の映画版がありました。
ドラマとどう違うのかと観てみました。


鴨志田陽は自分の道を決めたはずなのに、性格の弱さが出て、家出しているようです。母親の命日に墓参りに行ったのですが、妻と子供たちが来たので墓の陰に隠れます。
妻の美紀はそれに気づき、わざと大きな声で陽に聞かせるように、子どもたちに陽と彼の父親のことを話します。

30年前、賢はリストラされ、脱サラして占い師になり、ボウリング場の一角で占っていました。しかし、口下手で人の顔を見て話せないような性格ですから、はっきりと占いの結果を伝えられるはずもなく、お客がつかず、一ヶ月の稼ぎはショバ代にもなりません。
そんな頼りにならない賢を妻の幸子は家から追い出します。そのため賢は安いアパートで一人暮らしをしています。

ある日、アパートの前にいた二匹の生まれて間もない黒猫をカラスから守るために部屋に入れます。
この子猫たちは行方不明になったルーシーという黒猫の子どもでした。
実は賢は黒猫が大の苦手。というのも黒猫は魔女の手先で不吉だという迷信を信じているからです。
仕事に行かなければならず、黒猫たちを家で預かってもらおうと連れて行きますが、陽は父親の顔を見るとすぐに窓の鍵を閉めてしまいました。
仕方なく賢は黒猫たちをカバンに入れ、仕事場に連れて行きます。

しばらくはペットショップ店員が猫たちを預かってくれましたが、店長に見つかり、預かってもらえなくなります。
やむを得ず賢は猫たちを仕事場に連れて行きます。
その日、たまたまやってきた男に占った馬番が当たって、それから賢の「くろねこ占い」は有名になり、沢山のお客がやって来るようになります…。

鴨志田賢役の塚地武雅さんが冴えないけど心根のいいおじさんを上手く演じています。彼の体型や雰囲気が役に合っていたのでしょうね。
奥さん役が安めぐみさんで、ドラマの人とは違い、急に美人になりビックリしました、笑。

たわいのない、これといった山場のない映画ですが、何も考えずに見る映画としてはお勧めです。


離島のスーパー、バスコダガマに勤める犬飼保は単身赴任で、毎朝ネットカメラを通して東京にいる家族と朝ごはんを食べるのを日課にしていました。

バスコダガマでは島ヶ﨑で獲れる「島待草」を使った「島石鹸」を売り出し、好評を博していましたが、会長の息子で島ヶ﨑店の店長・蓮田喜一郎が原材料を薄めて水増し生産をしたため、客からクレームが殺到します。
クレーム処理のため保と部下の鳥飼カエデは東京本社に出張となり、保は一年ぶりに家族に会えることになります。

ところが家に帰ると、出迎えたのは大きな白い犬。
なんと家族は保に内緒で犬を飼っていたのです。それもサモンという名のサモエドという大型犬を。
実は保は犬が大の苦手でした。
家に帰っても家族はサモンに夢中で、保は疎外感を抱きます。
妻の潤子によると、保が単身赴任の間、家族は何か新しいことを始めることにし、たまたま息子のが犬を飼うことだったと言うのです。
それを聞き、犬に慣れようと決心する保でした。

島石鹸のクレームも一段落しましたが、売り上げは回復しません。
石鹸の代わりにサプリメントを作ってはどうかと保は提案します。
CMにサモンと保が出て、サプリメントは大ヒット。
保は今度は島ヶ﨑店の店長として、また島へ赴任することになります。

保役の小日向さんの困り果てた、サモエドのような笑い顔が印象的な映画でした。
でもねぇ、お父さんが犬、苦手なことを知っていて、飼うかなぁ。それが唯一納得がいきませんでした。
変ったペットショップの店員・芝二郎こと佐藤二朗さんの主演するテレビドラマ&映画があるそうなので、次に見てみることにしました。

猫も犬も、動物はみなカワイイです。
猫好きや犬好きなら必ず楽しめる映画です。


お菓子は食べないぞといいながら、届いたお菓子です。


これを食べたら、終わりにしようとは思うのですが…。
スイーツは止められません。

風野真知雄 『いい湯じゃのう(一)』2022/02/04

風野さんの新シリーズ。
彼はユーモアに溢れた時代小説を書いています。
私はわるじいシリーズが好きなんですけど、今度のはどうなのでしょうか。


八代将軍・徳川吉宗がひどい肩凝りに悩まされているというのですが、史実なのでしょうか?

吉宗の肩凝りを癒やすための特効薬として、二代目板鼻検校に揉み治療をしてもらい、わざわざ熱海から湯を運ばせていました。
しかし、検校が三十二歳の若さで急死。その上熱海の湯が穢れたため来なくなってしまいます。
肩凝りで吉宗の不機嫌の度合いが益々強くなり、老中水野忠之と安藤信友、勘定奉行稲生正武の三人は困っていました。
熱海の湯が届かないことを聞いた吉宗は、お庭番の頭領川村一甚斎に調べさせることにします。

一甚斎が選んだのは、湯煙り権蔵です。
彼は全国の温泉は、山奥の秘湯まで全て入ったことがあり、その泉質から効能まで、全て知り尽くしたと豪語しています。
彼一人では心配なので、腕のいいくノ一のあけびをつけることにします。

その頃、江戸に「湯の神信仰」を説く天一坊という山伏が、「医者より病がなおる」と評判になっていました。
彼らの噂を聞いた南町奉行所の大岡越前守忠相は、素性を探るために天一坊に会いに行きます。
そこで弟子の山内伊賀亮からどんでもないことを聞きます。
天一坊の一番弟子、上野銀内に身体を揉まれた大岡は、上野に吉宗の肩凝りを治療させることにしますが…。

権蔵はスケベ親爺で、お湯の中では最強なのに、外に出ると最弱なんです、笑。
あけびは凄腕なのに、お嫁さんになることが夢という変ったくノ一です。
この本ではあの大岡越前はなんと自分に自信がなく、小心翼々とした男で、彼の有名な大岡裁きも、実は事件の真相は大したことがなかったので脚色をほどこしたことになっています。
まあ、お話ですから、どんなキャラにしてもいいですものね。

さて、熱海の湯は何故穢れたのか、そして天一坊は何者で、何を企てているのか、次回に期待しましょう。


昨日は節分でしたが、豆まきはせず、恵方巻きも食べませんでした。
その代わり、豆源のアーモンドハニーを食べました。


節分には全く関係ないですけどね、笑。

西加奈子 『夜が明ける』2022/02/05

本屋大賞にノミネートされているということなので、読んでみました。
受賞作品を知りたい人はここを見てください。
私は『赤と青のエスキース』と『黒牢城』ぐらいしか読んでいません。
ここ三年ばかりの本屋大賞って、生きずらい人を描いたものが大賞を取っているので、この本も取る可能性がありますね。


俺は父が死ぬまで世の中にある貧困のことなんかよくわかっていなかった。
友だちになったアキのことなんか、これっぽっちも知らなかった…。

俺たちが出逢ったのは1998年、俺が15歳のとき。
父親の部屋にあったVHSで『男たちの朝』という映画を見て、俺はアキ・マケライネンンのことを知った。
アキに会ってすぐに、俺は「お前はアキ・マケライネンだよ!」と声をかけた。
アキは191㎝の大男。3、4人は殺して埋めてきたような風貌だった。
『男たちの朝』を見たアキは、自身のことをマケライネンだと名乗り始め、それからのアキは人気者になった。

高校2年生の時、俺の父が死んだ。父には借金があった。
保険金で払おうとするが、自死とみなされ、保険金は出なかった。
母は弁護士の中島さんに紹介された仕事についた。
母は俺に奨学金を借りて大学に行くことを勧めた。

高校を卒業してからアキは週七日ガソリンスタンドや清掃のアルバイトをしていた。俺も、大学に通いながらアルバイト生活を始めた。
学校で友だちを作る時間などなかった。
アキと互いのアルバイトの合間を縫って会った。
俳優になりたいというアキの希望を叶えるため、俺は『団員募集』の劇団に連絡をした。なかなか大変だったけど、やっと一つの劇団に入団がきまった。

就職活動が始まり、俺はマスコミに絞った。
そしてやっと採用通知が届いた。キー局の下請けをしている制作会社で、エントリーは200人で雇われたのが6人。
喜びもつかの間、仕事は限りなくブラックだった。

そんな頃、アキの母親が死んだ。
葬式でアキに会って以来、それから一度もアキとは会わなかった。

仕事で身を削り、精神的に追い詰められていく俺。
いつしか限界になり、会社に行けなくなる。
そんな時に同僚の森が現れ、渡されたのが、フィンランドからの荷物だった。
森は「苦しかったら、助けを求めろ」というメッセージを告げて去って行く。
荷物はロッテン・ニエミなる人物の手紙とアキのノートだった…。

最初から最後まで重い内容の本です。
これが日本社会の一面なのです。
そういえば、新聞で読んだのですが、「厚生労働省は虐待や貧困などで保護され、児童養護施設や里親の家庭で暮らす子どもや若者が支援を受けられる年齢の制限を撤廃する方針を固めた(読売新聞、2022年1月31日)」そうです。
今までは18歳になれば、即自立と、施設や里親家庭から追い出されていました。
今の若者が18歳で自立しろといわれても、そう簡単にはいかないですよね。
サポート体制を強化するとありますが、どうでしょう。ちゃんと支援ができるでしょうか。



世の中チョロいやという感じの弟犬。
彼の犬生は遊びが中心です。
遊び⇒ご飯⇒睡眠。なんと単純で素晴らしいのでしょうか。

篠田節子 『贋作師』2022/02/06



栗本成美は美大を卒業後、少しばかり周り道をしてから、絵画修復を仕事にするようになった。
ある日、自殺した日本洋画界の大御所、高岡荘三郎の絵の修復の仕事を頼まれる。
高岡画伯のじきじきの指名だと言うのだ。
何故、自分が…と疑問に思う成美。

荘三郎は四年前の若い妻の失踪と同時に描かなくなっていた。
保管庫に遺されていた絵は、復活後に描かれた、いかにもやっつけ仕事という絵ばかりだった。
彼の絵を見ていると思い出されるのが、美大で同級生だった阿佐村慧のことだった。彼は画家の精神まで模倣してしまう才があり、卓越したデッサン力とめざましい認識力を持っていたが、絵を描くための本質的な何かはなかった。
そのため彼はあと数ヶ月で卒業というときに、荘三郎の下に行った。
そして荘三郎よりも一年早く、武蔵野線に飛び込んでいたのだった。
成美は慧が荘三郎のところで何を見て、何を得たのか知りたいと思った。

保管庫で成美は阿佐村慧の描いた自画像を見つける。
荘三郎の作品の中に慧の作品が紛れ込んでいると思った成美は、遺された作品の中から慧の作品を見極めようとする。
そしてわかったことは、絶筆の七、八年前に言われていた荘三郎の復活はなく、慧が彼の代わりに描いていたということだった。
慧は後半生を荘三郎として生きながら、死の間際に、独自の世界をみつけ、荘三郎を超えてしまったのだった。

成美は慧の代作の時期が荘三郎の妻、雅代と深く関わっているのではないかと考え、雅代のことを調べ始める…。

ミステリーとして読むと意外性がなく物足りないですが、美術界のことや芸術家の絵に対する執念とか、自分の才能に対する苦悩とかが書かれた作品として読むと面白いです。
『沈黙の画布』以上に男女間の異常な世界が描かれていて、そこがちょっと気味が悪かったです。


大きいベッドが気に入った兄犬。


ママのベッドの半分を占めます。


平日はパパが仕事に行ってから一時間ぐらいママのベッドに寝て、その後犬部屋で寝るのに、休日になると何故かママのベッドでずっと寝ています。
弟は残念ながら一緒に寝れない犬です。

村山早紀 『桜風堂夢ものがたり』2022/02/07



やっと梅の花が咲き始めました。


兄犬はお年なのか、散歩も20分を越すと足取りがゆっくりになります。
昨日は足の裏が痛いという仕草をしたので、抱いて帰りました。
だんだんと犬も人間も年を取ってきました。



今回の桜風堂のお話はファンタジー色の強いものです。
あとがきによると、桜風堂物語はもともとこんな風に描きたかったようです。
四編の心暖まるお話です。

第一話:「秋の怪談」
楓太が冒険をしようと言い出します。大人に内緒でハロウィーンの夜に『森の幽霊屋敷』に行ってみようと言うのです。
透も音哉も楓太を止められず、一緒に行くことにします。

第二話:「夏の迷子」
一整の元上司、銀河堂書店の店長・柳田は、桜風堂書店を訪ねてきました。
一整の申し出を断り、一人で歩き出したのはいいのですが、帰り道で迷ってしまいます。遭難しかかり、思い出すのは貸本屋のの猫田のおじさんといとこの美保、そして死んでしまった子猫のことでした。

第三話:「子狐の手紙」
一整の元同僚、三神渚砂はたまたま三日続けて休みが取れたので、桜風堂に行こうと思いました。店長が遭難したと聞き、私はそんなことないわと思っていたら、意外と駅からの三十分が遠く、荷物が重く、涙がこぼれた時に、聞こえてきたのは、懐かしい声でした…。

第四話:「灯台守」
叔母から送られてきた一冊のアルバム。その中には亡くなった父と母、姉の写真がありました。
一整は子どものまま死んでしまった、本が好きだった姉が喜んでくれるような棚をつくろうとしていました。
父は幼い彼に「世界の片隅に小さな灯りを灯すようなひとになってほしい」と願っていました。
猫のアリスは桜風堂に人間には見えない「お客様」がいるのに気づいていました。

桜風堂の続きのお話が読めるかと思って手に取ったのですが、違ったのでちょっと残念でした。
村山さんによると桜風堂のお話は完結しているそうなので、これからは番外編を書いていくようです。
桜野町は「お伽噺と伝説が息づいている」、「魔法の世界に近いような、そんな場所」。
柳田國男が書いた『遠野物語』のようなお話がこれから書かれていくのでしょうね。

大山淳子 『あずかりやさん 満天の星』2022/02/08



一日100円で何でもおあずかりします。
あなたなら何を預けますか?

「金魚」
あずかりやさんに物騒な男がやって来ます。
彼は心が荒んでおり、ともすれば持っているナイフで人を殺すこともいといませんでした。
最初、男は気づきませんでした。あずかりやが見えないことを…。

「太郎パン」
上等そうなスーツを着た紳士があずかりやさんに来て、明日の朝7時まで預かって欲しいと言ってあるものをあずけて行きます。
明朝七時、あずかりやさんはお茶を入れて待っていましたが…。

「ルイの涙」
子どもが欲しかったけど、恵まれなかった夫婦は犬を飼いました。
運命は皮肉なもので、諦めたというのに、また子どもが授かりました。
しかしママは怖かったのです。また子どもが育たないことを。
そのため…。

「シンデレラ」
千日前に名前も言わずにあずけていったものを取りにきた女性とヴァレンタインデーの贈り物をあずけに来た中学生の女子二人組。
女性は自分の話をした後、あずかりやさんに不思議なことを告げて、帰っていきました。

様々な人たちがあずかりやさんに預けに来ます。
それぞれの”もの”にはそれぞれの物語があります。
店主はやさしく受け止めてくれます。

「あずかりやさんに預けてみよう!キャンペーン」があるそうです。
選考で選ばれた「預けたいもの」が『あずかりやさん』の次回作に登場するそうです。


前に預けられた犬は大人しかったけど、家のこの子を預けると、落ち着きのない犬だから、あずかりやさんは困るだろうなぁ。
困ったあずかりやさんも見てみたいですけど、笑。

伏尾美紀 『北緯43度のコールドケース』2022/02/09

第67回江戸川乱歩賞受賞作の警察小説です。


沢村依理子は三十歳で北海道警察に入った。
大学院に通い、博士号を取ったが、あることをきかっけに大学に残ることを止め、警察官になったのだ。
2017年、沢村は北海道警察本部の刑事企画課をへて、札幌中南署捜査一課で現場研修につき、優秀な刑事である瀧本の下で現場捜査のイロハを学んでいた。

2018年1月、侵入窃盗犯が倉庫に侵入した時に女児の遺体を見たと証言した。
その遺体は五年前の未解決誘拐事件の被害者、島崎陽菜のものであることが判明。
犯人は事件発生時に亡くなっていたが、共犯者がいたのか。五年間秘かに陽菜を育てていたのに、何故今になって殺したのか…。
再び捜査が始まるが、勝手な捜査を行った沢村は捜査本部から外されてしまう。
結局新しい手がかりは発見されず、捜査本部は解散してしまう。

それから二年後、沢村は札幌創成署の生活安全課防犯係係長になっていた。
少女売春事件の捜査に当たっていた時に、陽菜誘拐事件の捜査資料が月刊誌にリークされる。
同じ頃、沢村のところに陽菜誘拐事件の捜査資料が送られてきていた。
道警は内部調査を始めるが、何の後ろ盾のない沢村は体よくリーク犯に仕立て上げられそうになる。
リーク犯に思い当たった沢村は、事件の解決が自分に託されているのではないかと感じ、ひとりで再捜査をすることを決意するのだった。

この作品は応募時に『センパーファイー常に忠誠をー』という題だったそうです。
改題してよかったですね。でも、改題してもわかりずらいかも。
北緯43度って札幌市のことらしいです。

何の思い入れもなく警察官になった沢村という女性が事件と関わっていくうちに一人前の警察官として成長していく様子が描かれています。
そのため家族や異性、同僚などとの関係が綿密に描かれていて、あっちに行ったり、こっちに行ったりとしますが、中盤以降から一気読みですので、止めずに読んで下さいね。
私には犯人の自供場面やある方の病気が、頷けませんでしたが、十分面白かったです。
是非、シリーズ化して沢村のその後を書いていただきたいと思いました。

そうそう、警察の階級について知らなかったことが書かれていました。
「警察官は警視の階級までは地方公務員だが、警視正以上は国家公務員となり、任命権も国家公安委員会が持つ」そうです。

映画版「幼獣マメシバ」を観る2022/02/10

「犬飼さんちの犬」で印象に残ったペットショップ店員・芝二郎が主人公のドラマと映画を見つけました。
「幼獣マメシバ」(2009年1月~3月)が一番最初で、それから「マメシバ一郎」(2011年10月~12月)、「マメシバ一郎 フーテンの芝二郎」(2012年10月~12月)、「幼獣マメシバ 望郷篇」(2014年7月~9月)と放送されたようです。
人気があったのか、それぞれ映画版が作られています。
ドラマの方を観たかったのですが、「幼獣マメシバ」と「幼獣マメシバ 望郷篇」はアマゾンのプライムビデオでは観られません。
そんなわけで、最初に2009年に作られた「幼獣マメシバ」の映画版の方を紹介します。


芝二郎(佐藤二朗)は映画では何があったかわかりませんが、昔辛いことがあったようで、35歳になるというのに引き籠もりをしているニートです。
ブログを書くのが趣味。うまい棒が大好きで、大人買いして主食がわりに食べています(たぶん、笑)。
いつも右手を顎につけていて、話しの合間に「ウン」というのが口癖。
ああ言えばこう言う、人の考えていることを勝手に妄想して、自分を責める言葉に置き換えるという困った性格の人です。

父(笹野高史)が急死して、四十九日の法要だというのに二郎は欠席し、親戚連中は呆れています。
母(藤田弓子)は失踪中で、親戚の郵便配達員、べーちゃんこと財部陽介(髙橋洋)がいつも母からの謎の絵が描かれたハガキを届けに来て、母を探すように言いますが、二郎はガンムシしています。

ある日、母から「一郎」と書かれたハガキとマメシバの一郎が届きます。
二郎は一郎を近所のペットショップに引き取ってもらおうとしますが、家族全員の承諾がないとダメだと断られます。
気のいい店長さん(髙橋直純)に「犬と人との合コン」を紹介され、べーちゃんと一緒に行きますが、人との関わりを避けていた二郎は雰囲気に馴染めず、途中で帰ってしまいます。
その時、べーちゃんは合コンの主宰者の巻可蓮(安達祐実)に犬好きが集まる音楽イベントに参加しないかと誘われます。歌手志望のべーちゃんはグランプリがCDデビューということに釣られて歌う気満々になり、二郎は一緒にイベントに行くハメに。

「自宅から半径3m」の範囲内で暮らしていた二郎が、山梨に幻のうまい棒があることを言い訳にして、生まれて初めて町を出ました。
歌を歌ったべーちゃんは、なんと優勝。よかったですね。
可蓮から一郎の里親を紹介すると言われたのですが、二郎は一郎をこちらにいるらしい母親に返せばいいと断ります。
しかし可蓮は何故か一緒に二郎の母を探すと言い張り、ハガキに描かれた居場所のヒントの絵を精力的に解いていき、二郎を引きずり回します…。

引きこもりの息子のために色々と考えたお母さんも大変ですね。
こうなる前に行動を起こせばよかったのにね。
35歳の息子に優しく「じろちゃん」と言ってんですから、子も子だけど、親も子離れできていなかったのね、笑。

何と言っても佐藤二朗さんがよく、一郎役のマメシバ君が可愛かったです。
躾がいいのか大人しい犬ですね。
家の犬たちはあんなに静かにしていませんわ(恥)。
マメシバは大人になってもあの大きさなのか気になりました。
もしかして数匹一郎がいたとか…?
しいて難を言うと、最後がちょっと壮大すぎwww。

気になった台詞。

「休息ってクセになるの知っていた。一回休憩すると、次に動きだすのに、すっごい力が必要なんだって」

なるほど…。

映画も悪くないのですが、私はドラマの「幼獣マメシバ」を観たいです。
中古のDVD買おうかしら…。

今頃食べたクリスマス・プディング2022/02/11

昨年イギリスのスイーツが色々と入った宅配便を買いました。
スコーンやヴィクトリアサンドイッチケーキなどは昨年中に食べたのですが、唯一クリスマス・プディングだけが残っていました。
いつまで保存できるのか見たら、今月の中旬まででした。
そういうわけで早速食べてみることにしました。

食べる前日に冷凍庫から出して、室温に戻しておきます。
それから一時間蒸します。蒸し器に入らなかったので、鍋に容器の三分の二のお湯を入れて蒸すことにしました。
さて、一時間が経ちましたが、上手く取り出せるでしょうか。


何もしないのに、このように上手く出ました。
半分に切って中身を見てみましょう。


ギッシリと詰まったドライフルーツが見えます。
ちなみにプディングの中身は、パン粉と小麦粉、沢山のドライフルーツ、スエット(牛脂や羊脂)、ナッツ類、卵、スパイスなどだそうです。
これらに黒ビールやラム酒を入れてかき混ぜ、五、六時間蒸し、冷暗所で少なくとも四週間は保存しないと美味しくならないそうです。

普通はクリスマス当日にラム酒やブランデーをかけて火をつけ、ブランデーバターを添えて食べるそうです。
カロリーがめちゃありそうです。

夫は不味くないと言いながら、ペロリと半分も食べていました。
私はいつも食べたいとは思わないけど、一年に一回だったら食べても良いかなと思いました。

さて、作り方ですが、イギリス大使館とイギリス王室の作り方がありました。
イギリス大使館のはcookpad、イギリス王室のはこちら(動画はこちら)です。
今頃ですが、今年の11月下旬になったら、作ってみるといいかも。
私は…、いつも通り日本のクリスマスケーキを食べますけど、笑。