近藤史恵 『シャルロットのアルバイト』2022/03/21



桜の開花宣言が出て、いよいよ花見の季節になりますね。
近所の桜は満開です。花が小さいので、豆桜の一種でしょうか?


犬たちは一匹ずつのお散歩よりも、家族全員のお散歩の方が好きみたいです。
写真を撮ろうとすると、珍しく兄がカメラの方を見ています。
兄は20分を過ぎ、水分補給をした後に、ママに抱いてくれよと言いました。
楽することを覚えたな、笑。
兄を抱くと、弟まで僕もと言ってきます。
人間の兄弟と同じで、なんでも一緒がいいんですね。



『シャルロットの憂鬱』に続く元警察犬、シャルロットのシリーズの二作目。
シャルロットは雌のジャーマンシェパードで、前回は6歳、今回は7歳から8歳になります。池上真澄&浩輔夫妻に飼われています。
元警察犬ですから、躾が行き届いている賢い温厚な犬です。
犬にまつわるコロナ禍の人間の歪な心が起こす日常の謎を描くコージーミステリーです。

「シャルロットと迷子の王子」
真澄は散歩途中で出逢った迷子の茶色いトイプードルを保護する。人に慣れているようだが、夜以外に散歩をしようとせず、餌は食べず、人間の食べ物を食べようとする。
迷子犬サイトに書き込みをしてみると、変なメールが…。

「シャルロットと謎のお向かいさん」
向かいの家に引越して来た白木さん一家。
挨拶に来たのは夫婦と息子だけど、もう一人いるようだ。
公園ではゾンビ犬の話題が…。

「シャルロットと紛失した迷子札」
シャルロットと家族旅行に出かけた。
犬と一緒に泊まれるペンションはよかったのだが、宿泊客に犬を連れていない男性の二人組がいて、雰囲気が最悪に…。
次の日、犬たちの迷子札がなくなる。

「シャルロットのアルバイト」
動物病院で出逢った男性がシャルロットにバイトをしないかと言ってくる。
その男性は犬のしつけ教室をしており、シャルロットにようちえんに来ている子犬たちと遊んだり、触れ合ったりして貰いたいと言う。
承知して連れて行き、一時間ほど子犬たちと遊び帰ろうとすると、女性が一人やってきて、しつけ教室で犬が死ぬことになったと言う。

「天使で悪魔とシャルロット」
浩輔が勤め先の同僚から生後三ヶ月のラブラドゥードルを預かって来る。
同僚の妹の犬で、妹はもう飼えないと言っており、同僚の家はペット禁止だったのだ。
名前はラテ。ラテは見かけは天使だけど、やることは悪魔。
ある日、二人の男の子がやって来る。

「家族」
ホームセンターで浩輔の同僚の妻と偶然出会い話をすると、変なことを言われる。後でメッセージが来て、浩輔がシンガポールへの転勤を断ったことがわかる。

コロナ禍になってからペットを飼う人が増えているそうです。
動物はかわいいけれど、人の思い通りにならないし、手もお金もかかります。
家で仕事をしている間はいいけれど、出社するようになるとお留守番をどうさせるのかを考えなくてはならないですね。
家の兄犬は私がフルで仕事をしていたので、お留守番の時間が長く、可哀想な思いをさせたと思っています。
その点、弟はそんなに長いお留守番をしていないはずなのに、わがままです。
犬種やその犬の持って生まれた性格にもよるのでしょうね。
そういえばテレビが壊れた話があり、びっくりしました。
大型犬だとそういうことがあるんですかぁ?
大型犬の仔犬を飼うには「菩薩の心」が必要だなんて…。

本を読んでいて気になったのが、犬のご飯の時間のことです。
夫婦二人の帰宅時間が随分遅いのですが、ご飯をどうしたのか気になりました。
家は兄がお腹が空くと胃液を吐くので、出来るだけ遅くならないようにしていました。
メラノーマにかかった犬が出てきますが、犬が病気になったり、老衰したら、できる限り最期まで面倒をみたいと思います。
でも苦しんでいたら…。安楽死は罪なのでしょうか。

心にチクッとくるお話やイヤミスほどではないけれど、嫌~な気分になるお話もあります。
まだまだ私たちは社会的な型にはめられ、捕らわれているのですねぇ。
ともすれば暗くなりそうな話でも、シャルロットに救われました。
犬は、もちろん猫も、動物は皆、カワイイです♡。