「マリー・ローランサンー時代をうつす眼」@アーティゾン美術館2023/12/14

コロナ禍になる直前に開館(2020年1月18日)し、ずっと行きたいと思っていたアーティゾン美術館に行ってきました。
この前行ったSOMPO美術館は人気のゴッホだったので、人が多くてゆっくり見られませんでした。
しかし、マリー・ローランサンは今はそれほど人気ではないので、人が少なくてよさそうということでネットで予約をしました。
時間間近になっても誰も並んでいませんし、バッグの中まで見られることもありませんでした。危険物検知ゲートシステムを導入しているのだとか。すごいですね。
贅沢を言わせていただくと、海外の美術館のように(大英博物館とかルーブル美術館を除く)もう少し人がいない方がいいのですが。


美術館の入り口です。



素敵なデザインの美術館です。トイレが広くてゆったりしていて、嬉しかったです、笑。
6階まで上がり、降りていきます。

さて、マリー・ローランサンについて簡単に復習しておきましょう。

1883年にパリで私生児として生まれ、1956年に亡くなった、20世紀前半に活躍したバイセクシャルの女性画家。
パリのアカデミー・アンベールで学び、ブラックと出会い、キュビスムの画家として活動を始める。後に、ピカソやアポリネールと知り合いになる。
アポリネールとは短期間付き合い、彼は「ミラボー橋」でローランサンへの思いを歌っている。
1914年にドイツ人男爵と結婚するが、1920年に離婚してパリに戻る。
パリの上流婦人の間で彼女に肖像画を注文することが流行る。
舞台装置や舞台衣装のデザインでも成功する。
73歳で亡くなるまで、制作を続けた。

序章:マリー・ローランサンと出会う
彼女の自画像が4点。

             ≪自画像≫ (1904年)
この自画像が彼女の本当の顔なんでしょうね。ルッキズムと批判されるかもしれませんが、彼女の描く絵の女性とは全く違いますね。

             ≪自画像≫ (1908年)
キュビスムの影響が強いですね。

         ≪帽子をかぶった自画像≫ (1927年頃)
これがもっともローランサンらしい絵といえるでしょうね。

第1章:マリー・ローランサンとキュビスム


これは誰でしょう?
答え:≪パブロ・ピカソ≫(1908年)
彼ってこんな顔をしていましたっけ?年老いた頃の写真しか見たことがないので、ピンときませんが、Wikipediaにある1908年の写真を見ると、似ています。
キュビスムはローランサンに合っていなかったのでしょうね。

          ≪ブルドッグを抱いた女≫ (1914年)
ローランサンの絵には犬がよく出てきます。猫は今回だけなのかどうかわかりませんが、一枚も描かれていません。犬好きなのかしら?

第2章:マリー・ローランサンと文学
ローランサンは詩も書き、詩人たちとも交流を持っていたそうです。
本の挿絵も手がけており、『スペイン便り』や『小動物物語集』、『椿姫』などの挿絵が展示されています。

第3章::マリー・ローランサンと人物画

            ≪女優たち≫ (1927年頃)
これぞローランサンという絵になっていますね。
人物画が得意だそうですが、こうなると誰が誰だかわからないのでは?
ローランサンの目指した絵というものは、モデルに似ているかどうかは関係ないのですねぇ。
1920年代にココ・シャネルがローランサンに肖像画を依頼しますが、似ていないと、肖像画の受け取りを拒否し、描き直しを要求します。
しかし、ローランサンは描き直しを拒絶します。
同族嫌悪ですかね、笑。
ちなみにこの肖像画です。(この展覧会にはありませんから、お間違えなく)


第4章:マリー・ローランサンと舞台芸術
バレエリュスのために衣装や背景画を制作していました。

第5章:マリー・ローランサンと静物画
初めて見るローランサンの静物画です。生涯を通じて描いていたそうです。

           ≪レモンのある静物≫ (1919年)
これなんか、一見すると誰が描いたかわかりませんね。

           ≪花を生けた花瓶≫ (1950年頃)
ローランサンらしい花です。

終章:マリー・ローランサンと芸術

           ≪三人の若い娘≫ (1953年頃)
晩年の作品。
左上にあるのがミラボー橋。
ローランサンは遺骨の心臓の上にアポリネールの手紙を置いてほしいと遺書に書き残したそうです。

展覧会の他に特集コーナー展示で野見山暁治の絵と石橋財団コレクション選が見られますので、展覧会だけではなく、是非ご覧ください。

1階にカフェがあったので、入りたかったのですが、電車が混む時間になりそうだったので、今回はパスしました。
次回は早めの時間帯を予約して、カフェでゆっくりお茶をしたいです。


<今日のわんこ>


おやじですが、ピンクが似合います。
最初にグイグイいくので、最後の方はペースが落ちます。

「あのね、昨日、パパが珍しく花を買ってきたよ。ぼく、びっくりして吠えちゃった」


花が欲しいと言ったら、こんなのを買ってきました。どうしちゃったんでしょうね。