吉永南央 『時間の虹 紅雲町珈琲屋こよみ』 ― 2024/11/29
紅雲町珈琲屋こよみシリーズの12作目。

雑貨屋の小蔵屋を営む杉浦草は悩んでいた。
身内のような正規従業員の森野久美が変なのだ。
一ノ瀬公介と婚約したはずなのに、彼はここ八ヶ月ほど顔を見せないし、いつまで経っても結婚式の招待状が来ない。
幼馴染みの由紀乃は九州の長男の家にいってしまった。
運送屋の寺田の父親で草の旧友の通称バクサンは和風フレンチレストランを人に譲って引退した。
草が主の変わったレストランにバクサンと訪れた時に、彼が一時止めていた小説を書き始めたと聞く。
その帰りに、一ノ瀬と久美のマンションにバクサンがいた時から大人気だった焼き菓子を持っていくことを思い立つ。
店に間違い電話がかかってくるようになった。
常連の阿久津から孫娘がカルト教団にはまってしまったという相談を受ける。
草は孫が店に来るなら話してもいいと答えておく。
しばらくして、その孫がやって来る。
七年後、一ノ瀬はガッシャブルムⅡ峰に登頂する。
日本に帰り、兄が社長の一ノ瀬食品工業で仕事をしていると、思いがけず久美と再会する…。
今回は驚くことばかりです。
このシリーズには秘められた悪意があり、イヤミスっぽいのですが、今回は強烈でした。
お話はこれで終わりなのか、続きが書かれるのかわかりませんが、書くなら蛇足にならないようにお願いします。
シリーズを続けて読んでいる方のために、詳しくは書かずにおきます。
シリーズの順番を載せておきます。
①『萩を揺らす雨』
②『その日まで』
③『名もなき花の』
④『糸切り』
⑤『まひるまの星』
⑥『花ひいらぎの街角』
⑦『黄色い実』
⑧『初夏の訪問者』
⑨『月夜の羊』
⑩『薔薇色に染まる頃』
⑪『雨だれの標本』
⑫『時間の虹』
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