桜木紫乃 『青い絵本』 ― 2024/12/14

「卒婚旅行」
子どもが巣立ってから、晴美は二年前に絵本セラピストの資格を取得した。
二ヶ月前に生涯学習セミナーで講座を持つことが決まった。
そんな時に春に退職した夫が応募したJR九州の豪華列車ななつ星の抽選に当たり、九月に定年退職記念旅行に行くことになる。
その旅行は晴美にとって…。
「なにもない一日」
やや子は夫の昭彦の道楽と言われている地元FM局を引継ぎ、自らパーソナリティを務める番組を持っている。
姑の陽子は入院しており、生きて病室から出られる確率は低い。
昭彦には婚外子がいるが、陽子に秘密にしている。
陽子の命が尽きたとき、やや子は決めていることがある。
「鍵 key」
小説家だった夫が自死してから十五年、寿々は書店員としてひまわり堂に勤めていた。しかし、ひまわり堂は今日、五十年の歴史に幕を下ろす。
寿々は帯広に就職した息子が持っていった本『鍵 key』を買い、急に思い立って息子に会いに帯広行きの電車に乗る。
「いつもどおり」
十年前に小夏は華々しく作家デビューをし、しばらく昼も夜もないぐらい原稿を書いていたが、今は細々と書く仕事をしている。
上京するとデビューした時の編集者、小川乙三に連絡すると、ホキ美術館で会うことになる。
そこで小夏は乙三からイラストレーターのキダジュンの絵に文章を付け、本を作らないかと言われる。
「青い絵本」
漫画家のアシスタントをしている美弥子は、かつての美弥子の三番目の母だった、絵本作家の高城好子から旅に誘われる。
支笏湖の湖畔のホテルで再会した好子は余命幾ばくもない様子で、今度『あお』という絵本を出したいから、美弥子に絵を描いて欲しいと言う。
各お話毎に絵本が出てきますが、出てくる絵本は実際にはないそうです。
主人公は四、五十代のもう若くはない、色々なことに我慢をし達観してはいるけれど、でも思い切って人生に区切りをいれようとしている女性たちです。
主人公に近い年齢の女性が読むと身に染みることでしょう。
五編の中で私は「青い絵本」が一番好きです。
支笏湖は行ったことがあるのですが、あまり覚えていません。
「支笏湖ブルー」と言われるほど美しい青色が見られなかったからかもしれません。
ホテルは1軒、お高いホテルがありますが、そこがモデルなんでしょうか。
一度泊まりに行きたいものですが、わんこたちを連れて行けないので、当分行けませんわね。
ちょっと年齢が上の女性にお勧めの小説です。
<今年の花>

昨年からパパが花を買ってくるようになりました。
百合が咲くと見事でしょうね。
何故か今年もわんこたちが吠えまくっていました。
「山逢いのホテルで」を観る ― 2024/12/15

クロディーヌはアルプスの山間の村に障害のある息子と洋服の仕立てをして暮らしている。
毎週火曜日に息子を隣人の女性に預け、白い服を着て、グランド・ディクサンス・ダムにあるホテルに行く。
そこに宿泊している男性の中から一人を選び、後腐れのない情事を楽しむのだ。
その帰りに、その男から聞いた男の住んでいる町の様子を手紙に書き、ポストに投函する。
ある日、クロディーヌはドイツ人の水力発電の技師で写真家のミヒャエルと関係を持つ。
一度きりのはずが、翌週もミヒャエルはホテルにいたので、また…。
やがてミヒャエルとの情事に夢中になり、クロディーヌは息子を迎えに行くのを忘れてしまう。
その後、息子を施設に預けるようにする。
アルゼンチンに出張で行くことになったミヒャエルはクロディーヌをいっしょに行こうと誘う。
クロディーヌは迷うが…。
主人公のクロディーヌを演じたジャンヌ・バリバールさんは「ボレロ」にも出ていた女優で、56歳だそうですが、もっと年上に見えてしまいました。
日本の女優さんたちがシワもなく、若く見えるだけですかね。
息子は20歳以上になっているようですが、特に何をしているわけではないようです。息子を施設に入れずにずっと手元に置いてきたようです。
1997年頃のスイスでは大人になった障害のある子どもが親と暮らすというのは、よくあることなのでしょうか。
大人になった息子と二人で暮らすことには限界が来ていたのかもしれません。
そんな時に男と出会ってしまい、男を取るか、息子を取るかで、クロディーヌは迷います。
私ならどうするかと考えてみると、息子を施設に入れて、男のところに行くかもしれませんね。
こう思えるのは、他人事だからなのでしょうかね。
赤い口紅をつけ、煙草をプカーと吸い、あなたの部屋に行こうと誘うジャンヌさん、妖艶過ぎます。
ミヒャエルは独身だったので、いいのですが、他の男はよく簡単についていくものだと感心しました、笑。
何歳になっても男と女という社会と、日本のように男も女も年を取ると枯れるのが当たり前という社会との違いを感じさせられました。
音楽や美術関係の映画だと眠くならないのですが、この映画でも二人がダムの内部を歩いている場面ぐらいから私は夢見心地になってしまいました。
いけませんね。映画を選んで観ましょうねww。
ダムの風景が美しかったので、一度行ってみたいです。
<週末のわんこたち>
お年なので、暖かい日中にしか散歩をしません。今日はポカポカしててよかったですが、日陰は寒かったです。

MはミッキーのM。お調子者のヨーキーにぴったりです。

気むずかし屋の兄はイチョウといっしょに撮りました。(前を向いてくれないのよ)
まだイチョウの葉が残っています。
<今週のおやつ>
今週はケーキを食べることが多かったです。

「FOUNDRY」のモンブラン。上にのっている栗が大きいです。
クリスマスまでケーキは食べないようにしないと。
太ってしまった気がします。怖くて体重計にはのれないわぁ…。
読んだ日本のミステリ(文庫本) ― 2024/12/16

澤村御影 『准教授・高槻彰良の推察11 夏の終わりに呼ぶ声』
「第一章 影の病」
夏休みのバイトが終わり、深町尚哉が高槻の過去の事件に出てくる天狗に関する本を借りに大学の図書館に行くと、高槻とバッタリ会ってしまう。誘われて彼の研究室に行って話していると、瑠依子先輩が現われる。彼女は講師をしている塾の休み時間を利用して、最近の子ども達の間で話されている怪談の聞き取りをしていて、聞き取りした中に、『影取り』という話があったという。
そこに文学科二年の二人の女子がやって来て、知り合いの女子のドッペルゲンガーが出たという話を始める。
こういう話に目がない高槻は尚哉を連れて調べに乗り出す。
「第二章 入ってはならない場所」
高槻ゼミでは毎年九月に2泊3日のゼミ合宿をする。合宿は三年と四年の合同で、四年生が卒論の中間発表をやり、発表の後に質疑応答をすることになっている。
今年は山梨県の西湖の近くにあるホテルで行われるのだが、地図の読めない高槻なので、尚哉は高槻といっしょに行くことにする。
合宿二日目の自由時間にみんなで樹海の洞穴に行くと、そこに沙絵と高槻の友人で刑事の佐々倉がいた。佐々倉は異捜の手伝いをしているという。
そこから帰ろうとすると、前日に『禁足地』についての発表をした河合という女子が、誰かが呼ぶ声が聞えると言い出す。
その夜、河合がいなくなる。
「第三章 夜との約束」
尚哉と高槻はある事件で出会った優斗と美華子夫婦の食事会に招かれる。
食事の後、高槻は自分の『神隠し』の真相を知るために、疎遠になっている祖父の嘉克と会いたいのだが、どうしたら会えるのか、従兄弟の優斗に訊く。
尚哉は高槻といっしょに嘉克に会いに行こうと思う。
実は高槻は尚哉と図書館で会ったときから、尚哉が鞍馬の高槻が発見された場所に行くつもりなのに気づいていた。
そのため急遽、尚哉と高槻、佐々倉の三人はいっしょに鞍馬に行くことにする。
鞍馬寺から貴船神社に行き、奥宮まで行こうと歩いていると、大きな鴉が数羽飛んで来て、鳥が苦手な高槻は意識を失ってしまう。そのため旅館に泊まることになる。
次の日、思いがけない訃報が届く…。
このシリーズは毎回面白くて好きです。
民俗学がこんなに面白いものなら、大学で学べばよかったと思います。
そうそう、鞍馬寺から貴船神社は山を越えますので、くれぐれもヒールのある靴を履いていかないようにしましょう。私の友だちは大変でしたよww。
「准教授・高槻彰良の推察」シリーズの順番
『准教授・高槻彰良の推察 民俗学かく語りき』
『准教授・高槻彰良の推察 怪異は狭間に宿る』
『准教授・高槻彰良の推察 呪いと祝いの語りごと』
『准教授・高槻彰良の推察 そして異界の扉が開く』
『准教授・高槻彰良の推察 生者は語り死者は踊る』
『准教授・高槻彰良の推察 鏡がうつす影』
⑪『准教授・高槻彰良の推察 夏の終わりに呼ぶ声』
番外編
小松亜由美 『遺体鑑定医加賀谷千夏の解剖リスト 溺れる熱帯魚』
シリーズの一作目ではまだひよっこ解剖技師だった久住遼真君でしたが、一年が経ち、それなりに仕事ができるようになってきています。
加賀谷千夏助教のことは苦手でしたが、やっと少し、彼女のことがわかるようになり、今や憧れの人になっています。彼女や教授に褒められることもあり、自信がついてきています。
今回解剖したのは両手首切断された寺の住職の遺体、二次溺水を疑う若い女性の遺体、腹部をめった刺しにされた女子高校生の遺体、レストランの爆発火災で発見された左腕などです。
医学部に入れたら、遺体鑑定医なんか面白そうだと思いました。
堂場瞬一 『聖刻 警視庁総合支援課0』
ワイドショーの大物司会者・前尾昭彦の息子の弘大が元恋人を殺害したと六本木署に出頭してきた。
警視庁捜査一課殺人犯捜査第八係の柿谷晶が取り調べをするが、動機を頑として話さない。
弘大が芸能活動をしていたせいかネットは炎上し、罵詈雑言の嵐。
晶は刑事総務課の理事官から呼び出され、特別に加害者家族のケアをするように指示される。納得のいかない晶。
どうも理事官は晶がどういう立場の人間かわかって指示しているようだった。
柿谷晶がまだ捜査一課の刑事だったころのお話です。
この事件で彼女が支援課に向いているかどうか試されたようです。
「正義中毒」という言葉が出てきますが、そういう人がネットの世界にはいっぱいいますね。正義をふりかざし、あることないことを書き立てるなんて、どういう出自の人たちなのかしら。
アナザーフェイス・シリーズの大友鉄が電話で登場し、刑事・鳴沢了シリーズの鳴沢と失踪人捜査課シリーズの高城賢吾の噂話や犯罪被害者支援課の面々が出てきました。
前に読んだような気がしてしょうがなくて、読んだ後に調べてみると、読んでいました。文庫になる際の副題に「警視庁総合支援課0」など入れるのを止めて欲しかったです。
悔しいので、書いておきますが、わたしのように勘違いして買う人がいるかも(いるよねwww)。
益田ミリ 『近くも遠くもゆるり旅』 ― 2024/12/17

益田さんの旅行記はわたしと違うところが沢山あって、それが面白いので読んでいます。刺激を受けて、行ってみたところもあります。
例えば『47都道府県 女ひとりで行ってみよう』を読んだ後に、石川県の金沢に行きました。
そういえば、この本を読んでから10年以上も経つのに、石川県以外に行っていませんわ。
行っていないのはほぼ四国と九州の県で、ワンコたちを連れて行けないので、しばらくは行けませんねぇ。
老後の楽しみに取っておきます。なんて行っていると行けなくなるかもねww。
この本の益田さんはもう旅慣れたものです。
『47都道府県…』の出版から16年経ちますからね。
ひとり旅かと思ったら、どうも彼か夫といっしょの旅もあるみたいです。
「うちの彼」って書いてあるので、始めは「どこの彼?」と思いました、ようするに「私の彼」ってことですよね。
行くのは身近な新宿や上野から遠くはスイスやポーランドなど、17の場所。
わたしも行ったことのあるのは、新宿と上野を抜かすと、ポーランドと軽井沢、函館、大阪、沖縄、奈良、倉敷ぐらいです。
同じ場所に行ったはずなのに見事と行っていいぐらいにすれ違っています。
わたしは食べ物よりも観る方に重点があるのですが、益田さんは感心するほどよく食べます。
ラーメンとか餃子って、わたしあまり好きじゃないので、旅先では食べませんが、益田さんは好きなのね。
胃が丈夫で、太らない体質なのかしら?そうなら羨ましいですわ。
読んでみて行ってみたいと思ったのが、高知とスイスです。
高知の沢田マンションって面白そうです。中に入って迷いたいわぁ。
スイスは旅の王道ですね。物価が高いのがネックですが、ひとりではつまらなそうなので、夫が退職したら連れて行きたいです。
まあ、ガツガツと観光地を巡るよりは、益田さんのように気楽に食べたい物を食べ、見たい物を見て、のんびり喫茶店に入って和むのも旅ですよね。
次はどこに行こうかしら。
<今年のクリスマスのお菓子>

ミンスパイです。今年もウォーカーのものを買いました。
温めると美味しいです。これに生クリームをつけるといいそうです。
ミンスパイって日本のお店では売っていませんよね。
イギリスに食べに行くしかないのかしら?寒いのは嫌だわ。
ウォーカー以外のものを輸入してくれないかしら。
大山淳子 『猫弁と奇跡の子』 ― 2024/12/19
猫弁シリーズの第二シーズン完結篇です。

猫弁こと百瀬太郎は大福亜子と入籍して夫婦になり、いっしょに暮らしていますが、未だに結婚式を挙げていません。
刑務所に入っている百瀬の母親が出所するまでは挙げないということになっていました。
しかし、亜子の勤め先のナイス結婚相談所に百瀬法律事務所の事務員の仁科七重が現われます。
彼女が婚活か?と思ったら、さにあらず。
百瀬の母親が一ヶ月後に仮釈放になるので、百瀬には内緒で結婚式を挙げようと言うのだ。
そんなことも知らずに、百瀬は仕事にいそしむ。
相変わらずの猫案件。
ひなた商店街の野原鮎太が商店街のミステリーくじで一等賞を取り、景品が後で送られてきた。
その景品が猫で、妻は猫を飼うことを大反対しているのだ。
百瀬の前で喧嘩を始める野原夫婦を見て、百瀬またやっちゃいました。
猫を引き取ったのです。
猫にはマイクロチップが埋め込まれており、登録されている持ち主はフランス人らしい。
さっそく持ち主捜しを始める百瀬。
猫案件だけでは特に問題はなかったのだが、とんでもないことが持ち上がる。
まずサビ猫テヌーがいなくなる。
その日にしばらくあずかったことのある柊木小太郎がまたやって来た。
母親の真弓曰く、これからイスタンブールに行くので、しばらく帰らないからよろしく。
小太郎の将来を考えた百瀬は亜子に相談もなく、あることを決意する。
そのため、百瀬と亜子の結婚生活に暗雲が…。
さて、全ての案件は無事に解決し、二人は結婚式を挙げられるのか。
新しく登場する猫はセルカーク・レックスという毛がカールした可愛い猫です。
毛を触ってみたいわぁ。
とてもおせっかいな七重さんですが、今回は大活躍です。
なかなか結婚式をしようとしない百瀬と亜子たちを見て、亜子をその気にさせ、小太郎の居場所を探してやり、すべては収まるところに収まりました。
なかなか貴重な人です。
そうそう、野呂が「百瀬は壁紙なのだ」というところがなるほどと思いました。
第二シーズンが終わりということは、第三シーズンもあるということなのかしら。
次は百瀬の母親のことがメインになるのかな。
二人に子どもが生まれているといいですね。
③『猫弁と指輪物語』
南杏子 『いのちの波止場』 ― 2024/12/20

まほろば診療所の看護師・星野麻世は院長の白石咲和子からすすめられ、能登さとうみ病院が主催する『緩和ケア病棟エキスパート看護実習』の実習生として六ヶ月間、最新の緩和ケアの知識と技術を学ぶことになる。
元院長の仙川徹が故郷の穴水町に帰っていて、能登さとうみ病院の顧問として週一回勤務している。
麻世が関わったのは、頑なにモルヒネを使うことを拒む老婦人、ICD(植え込み型除細動器)が埋め込まれている元海女、認知症と癌で余命幾ばくもない父親に胃瘻をつけようとする息子、両親を面会拒否にしている息子、そして、実習の最後に、仙川徹。
実習が終わり、麻世はまほろば診療所に戻る。
2024年1月1日に能登半島地震が起る。
その八ヶ月後、麻世は野呂を誘い穴水を訪れる。
緩和ケアというと、とにかく患者の症状や苦痛を和らげるというのが第一だと思いますが、家族の中には余命が少ないことを認められない、いいえ、認めたくなくて、余命を伸ばせるのなら何だってしてもらいたいと思う人がいて、必要のない医療をしてくれということがあるようです。
その人の気持ちはわかりますが、自分がされる身だったらと考えると、無駄なことはして欲しくないです。
死ぬなら静かに苦痛無く死なせて欲しいです。
こういうことは元気なうちから家族に繰り返し言っておき、書いておいた方がいいですね。死はいつ来るかわかりませんし、死は何回も経験できるものではないし、その時になるとどうしたらいいかわからなくなると思うので、自分の意志は伝えておけば、どうにかなるでしょう。たぶんww。
緩和ケアと言ってもピンとこない人がいると思います。
本にはこう書いてあります。
緩和ケア科で目指すのは、「心地よく生ききるための医療」すなわち「心地よく死ぬための医療」で、「より苦痛なく死を全うできるよう、患者さんを支えるために緩和ケアがある」のだそうです。
だから患者が行きたいところに連れて行ってくれるのですね。
でも本当にこういうことをしている緩和ケア科はどれだけあるのかしら。
このような緩和ケアが一般的になるといいですね。
仙川先生がいいこと言っているので、参考に書いておきます。
「機嫌よく生きる、と決心」
「あとは、死ぬまで成長」
「最後に、『これも人生の味わいだ』と現状を楽しむこと」
何故成長かというと、「人間、年を取ったり病気になったりすれば、できないことが次々に増えてくる。そんなできない自分を受け入れるには、心の成長が必要だ」そうです。
この心の成長がわたしには一番難しいかもしれません。
心穏やかに暮らしたいものですが、まだまだ修業が足りませんww。
緩和ケアについて知りたい方や自分の最期の時にどう死にたいか考えたい方、どうぞ読んで下さい。
わたしは本の中に出てくる能登半島の景色の描写が素敵で、いつか行きたいと思いました。
メリー・クリスマス ― 2024/12/24

まず、ヨーキー弟からクリスマスのご挨拶です。
鴨川のホテルにあったクリスマスツリーの前でポーズを決めています。

お兄ちゃんはいっしょに写真が取れなかったので、保険会社のクリスマスカードを使ってみました。
ちゃっかりヨーキー弟はこういう時だけちゃんとポーズを決めるのです。
長崎と五島列島に行ってきたので、その時に撮った写真を載せておきます。

福江教会のイルミネーション。
各教会はイルミネーションをしているようですが、ここのしか見れませんでした。

福江教会のマリア像。

長崎空港のクリスマスの飾り。

サンタさんたちの隣にいたクマさんとツリー。
クマさんたちはくつろぎ過ぎの様子ですww。
ツリーには地元の園児が書いた願い事のカードが飾られています。

出島の新石倉シアターにあったクリスマスツリー。

長崎県立美術館にあったツリー。
写真写りがよくないですが、青いツリーでした。

ワンコたちのケーキはこちら。文庫本と比べると小さいです。半分こにして食べさせます。

こちらは人間のクリスマスケーキ。Dean & Delucaのピスタチオケーキです。

半分に切ると、こんな感じです。普通のスポンジケーキよりも崩れやすいです。
でも、とっても美味しかったです。二日に分けて食べます。
今年のクリスマスの歌は、エド・シーランの「Under the Tree」。
クリスマス気分に浸りたいときに見るのは、アメリカの田舎に暮らしている女性の「Under the Tin Roof」とフィンランドに住んでいる日本人とフィンランド人夫婦の「北欧暮らし」。
Vlogは言葉のない方が好きです。
2泊3日の長崎旅 ・一日目 出島付近をうろつく ― 2024/12/24
今のうちに行きたいところに行ってこよう思い、長崎県の五島列島に行ってきました。
ワンコたちはパパがお世話をします。
しばしの別れだ、と悲壮な気分で出かけたママでしたが…。
初めてリムジンバスを使い空港まで行きました。
電車の乗り換えが少ないので、心持ち身体が楽なようです。
飛行機では隣が若い女性で、カップルだったようで、彼と別の席でしたが、いっしょに座りたいらしく、彼から席を替わって欲しいと頼まれました。
彼の席は壁の後ろで通路側だったので、喜んで替わりました。
足が伸ばせてラッキー。
彼も嬉しかったらしく、何回もお礼を言われました。
いい旅になりそうです。
飛行機はそれほど揺れることもなく長崎空港に着きました。
ちょっと空港の中を歩いてみました。
お土産物を売っているスペースとレストランやスタバがあります。
展望デッキに行ってみました。

飛行機が三機、スタンバイしていました。

よく見えませんが、「NAGASAKI」と書いてあります。
朝方、雨が降ったようです。
南に来たのに、思っていたよりも寒いです。

「しあわせの鐘」がありましたが、誰も興味がないみたいですww。
みんな幸せなのよね。
五島列島の福江島に行くので、リムジンバスに乗り、大波止バス停まで行きますが、混んでいて、次のバスになってしまいました。
大波止バス停から5分ぐらい歩くと、長崎港ターミナルに着きます。

なんと、天気が悪く、風が強いため、ジェットフォイルは欠航になり、フェリーで福江島まで行かなければならなくなりました。
この日はすべてのジェットフォイルが欠航だったそうで、フェリーは滅多に欠航にならないそうです。
今頃の季節には欠航がよくあるそうで、無事に帰れるかどうか心配になりました。
ジェットフォイルでは一時間半ぐらいなのに、フェリーでは三時間以上かかります。
まったく頭から抜けていたのですが、わたし、船や車に酔いやすい人なのです。
前に瀬戸内海の直島に行った時も、ちょっと船酔いしたのに、大丈夫かしら。
夫にメールすると、酔い止めを買うように言われました。
そうだ、酔い止めがある。後で薬局を探して買おう。
フェリーの出航まで時間があるので、近くの出島に行ってみることにしました。
まず、ランチが先です。

長崎出島ワーフに行ってみました。

小雨が降って来ました。

魚介類やアイスなどのお店がありますが、開いていない店もあります。
この辺りはあまり人気がないのかしら?

心配しながら、一番端にある「Attic coffee and dining」に入ると、ほぼ満席状態でしたが、座れました。
外は寒いので、みんな中にいたのね。
晴れているとテラスに座れたのですが。
デリシャストルコライスとカフェラテを頼みました。

よく知らないのに頼んだのですが、トルコライスってスパゲティやカレーピラフ、トンカツ、海老フライなど色々と盛られているのですね。
多そうに思えたのですが、全部食べてしまいましたww。

アラ、龍馬ではないですか。
驚いたのは、お料理の価格が観光地価格にはなっていないんです。
この頃どこでも料金を上げているのに、良心的なお店です。
長崎はどこでもそうなのでしょうか。
バイトの店員さんたちが可愛くて、「またお越し下さい」と言われました。
また長崎に来ることがあったら寄らせて頂きます。

次に出島に行ってみました。橋を渡ると入り口です。

表門の横に料金所があります。料金は520円。安いです。
門の前で当時の扮装をしている男性はガイドさんのようです。

すみません、写真に写っているのがどこか記憶が定かではないので、出島ってこんな感じかと思って見て下さい。
左側にカピタン部屋があったみたいです。
長崎県立美術館にも行きたいので、靴を脱ぐ家の中に入るのはパスし、町を歩いて出島の雰囲気に浸りました。

色々な部屋があって、覚えられません。

大砲が変なところにありました。
ここら辺はまだ復元が終わっていないようです。

台所です。日本風ですね。

「シーボルト 里帰りの植物」のところに、オランダという文字とミッフィーちゃんがいました。このミッフィーちゃん、暗くなると光るそうです。
右側に小さい橋があります。何の橋か確かめるのを忘れました。

「ミニ出島」です。15分の1サイズだそうです。

旧出島神学校。

イチョウがきれいです。

旧出島神学校の全体。
明治11年に建造された、現存する日本最古のキリスト教(プロテスタント)の神学校の建物。

「デジマノキ」といい、ナンヨウスギ科の常緑高木で、学名、アガチス・ダマーラだそうです。幕末の頃、インドネシアのバタビア(現在のジャカルタ)からオランダ人が持ち込んだ幼木が育ったものだそうです。

新石倉シアターでクリスマスツリーが点灯していました。
長崎内外倶楽部レストランがありますが、やっている時とやっていない時があるらしく、私が行った日はやっていませんでした。
意外と出島は小さいなというのがわたしの印象です。

近くにある長崎県立美術館に行ってみました。

なかなか素敵な建物です。隈研吾がデザイン。

やっていた展覧会はブラックジャック展だったので、常設展示だけを見ることにしました。
この美術館は「須磨コレクション」を母体とし、主に長崎ゆかりの美術とスペイン美術を収蔵しているようです。
20世紀前半のスペインで活躍した画家リカルド・バローハと今年亡くなった現代スペインを代表するというマヌエル・フランケロの絵が印象的でした。

この人が須磨彌吉郎で、ラファエル・ペニュウエラスによる≪須磨彌吉郎の肖像≫です。娘をモデルにした絵もありました。
歩き疲れたので、美術館のカフェに入り、しばし休憩しました。
ホットチャイティーラテとプティ・ガトーのスノーボールを頼みました。
長崎港のターミナルに行く途中にゆめタウン夢彩都があり、ドラッグストアで酔い止めを買うことにしました。
歩いていると、なかなか人には会わないのに、ゆめタウンには人がいっぱいいます。
地下にドラッグストアがあったので、酔い止めを買いましたが、私以外にも買っている人がいました。これからフェリーに乗る人かもしれませんね。

このフェリーに乗るのかしら?
無事にフェリーに乗り込みましたが、大変でした。波が荒く、揺れるのです。
二等は座敷みたいなところで私は横になれない人なので、座れるところがあったので、そこにずっといました。
酔い止めがきいたのか、お腹にあまり物が入っていなかったのがよかったのか、吐き気がしなくてよかったです。
お腹の辺りが何やら気持ちが悪いぐらいで終わりました。
もっと長く乗っていたら危なかったかも。
地上に着くと大丈夫です。
夕食は囲炉裏焼きでした。

イサキという魚が大きかったです。
この他に野菜と刺身、五島牛などが出ました。
〆は五島うどんで、普通のうどんよりも細くて腰がありツルツルしている感じです。中に椿油とか菜種油などの油が入っているのだとか。汁はアゴだしですね。

デザートのアイスクリームはにがりが入っているそうで、とても美味しかったです。
ホテルに戻り、お風呂に入って休みましたが、疲れているのになかなか眠れませんでした。
この日は一万五千歩ぐらい歩いていました。
長崎旅二日目 ・福江島前半 ― 2024/12/25
五島の行政区は五島市と新上五島町で分れていて、通常は旧奈留町以南を下五島、旧奈良尾町以北、または若松町以東を上五島といい称しているそうです。
地図は行政区ごとに作られているので、今は全島の地図はないそうです。
福江島の一割がキリシタンで、上五島では四割だそうです。
全国の教会は1023ありますが、長崎県には132あり、五島列島では50、福江13、上五島29だそうです。(ガイドさんが言っていましたので、ネットの統計とちょっと違うようです)
集落や墓地もキリスト教徒と仏教徒で分れています。
墓石の字が金文字でした。
沖縄みたいに墓地で宴会をすることもあるそうです。
福江島は周囲320㎞、人口三万二千人程度、ローソン六件、回転寿司はないそうです。
ガソリン代が高くて今は201円ぐらい。車がないと暮らせないので、大変ですね。
そういえば自転車に乗っている人はひとりも見ませんでした。
福江島で最初に行ったのは、県指定有形文化財になっている堂崎天主堂です。

教会は海の側に建っていることが多いので、景色がいいです。

波が荒いんでしょうね。石が丸く削られています。
地元では「リンゴ石」と言われているそうです。

教会に向かって歩いて行くと、巡礼カフェOratioがありますが、今はテイクアウトのみだそうです。

ここで堂崎マドレーヌを製造しているようです。
駐車場の横に自販機があり、マドレーヌなどの洋菓子が買えます。

マドレーヌ一個が180円(たぶん)、三個が500円でした。
少し歩くと、教会が見えてきます。

いただいたパンフレットによると、1873年にキリシタン禁制が撤去された後にフレノ神父が巡回宣教師として潜伏キリシタンの発見と指導に努め、1877年にマルマン神父も加わり、堂崎を始め島の各地に教会を建築すると共に、孤児貧児の収容所(小部屋)とその養育にあたる独身女性の施設(女部屋)を設けたそうです。
堂崎天主堂は、1879年にマルマン神父によって五島の最初の木造の天主堂として建てられましたが、1908年にマルマン神父に代わって着任したペルー神父が五島の初めての洋風建造物として、このゴシック様式の天主堂を完成させたそうです。

教会の前、左側に聖ヨハネ五島殉教像「受難のとき」。

真ん中にある三つの石はクルス地蔵。
隠れキリシタンは心の中でこの地蔵をキリスト像やマリア像として拝んだそうです。

真ん中の石に十字が彫られていると言いますが、ちょっとわかりません。白く削ってあるところが十字かも。
右側に自由と愛の使者「復活の夜明け」ーマルマン神父とペルー神父と子どもたちーの記念の像があります。

教会内はキリシタン資料館になっています。

入り口と左に行ったところに記念スタンプがあります。
入り口の方は小さいスタンプで、もう一つは写真の大きいスタンプなので、二つのスタンプを押したい人は上手く押しましょう。
資料館には聖ヨハネ関連資料や元帳資料など様々な資料が展示されています。
ほぼすべての教会内は写真撮影禁止ですので、気をつけてください。


教会に向かって右側の小高いところにアルメイダの宣教碑「出会いの日」があります。

高いところがあれば、上りたくなるので、上ってみました。
教会のところは入り江になっています。

まだ昨日の天気の名残があり、風が強くて寒いです。

海側から見た天主堂。

これは何でしょう。
答え:トイレ
島のどこに行ってもきれいでした。
次に行くのは、魚津ヶ崎公園です。

海の上に養殖場が見えました。何の養殖かわかりますか。
答え:近大マグロ
福江島はマグロの完全養殖全国一位だそうです。

魚津ヶ崎公園は遣唐使船泊地として歴史に名を記す岬だそうです。

日本史を真面目に勉強していなかったので、五島列島が遣唐使と縁があるとは、全く知りませんでした(恥)。

波が荒く、風も強いです。こんな海を遣唐使たちは渡ったのですね。

しばし遣唐使の気分になりましたww。

車の窓から白い教会が見えました。ひょっとして水ノ浦教会かもしれません。
そろそろお腹が空いたので、ランチにしましょうか。

五島と言えば、焼酎が有名ですね。

簡単に焼酎ができるまでを説明してくれました。

酒飲みの夫が滅多に買えない幻の焼酎「五つ星」を買って来てくれと言っていたのですが、ここで「五つ星」は造っていないです。
「五つ星」は明日行く中通島のお酒です。
とにかく滅多に買えないものをと言って、十年醸造の焼酎を買いました。
ちょっと高かったけど、犬の相手をしてもらっているので、仕方ないですね。

食べたのは、五島牛のしゃぶしゃぶと鬼鯖鮨です。
五島牛、美味しいです。
島の道が舗装されていて、思っていたよりも快適なドライブです。
そのため車酔いをしなくてよかったです。一応酔い止めは飲んでおきましたが。
長くなるので、後半は別に書きます。
長崎旅 ・福江島後半 ― 2024/12/25
午後最初に行ったのは、高浜魚藍観音展望台です。

この写真では見えませんが、観音さまは手に鯛を抱えています。
東シナ海の大漁と航海安全を祈願して建立された大観音です。

すごく見晴らしがいいです。

見える白砂のビーチが高浜海水浴場でしょう。
福江島にはこういう海水浴場が沢山あるようです。

高浜ビーチで貝拾いをしましたが、二個で止めました。
風が強く、寒いですが、海はいいですねぇ。

次の所に行く途中にクジラのアーチがありました。
五島列島は昭和30年代に捕鯨が盛んだったそうです。

道端に教会のミニチュアみたいなものがあるので、何かと思ったら、今はもうない立谷教会跡地ということです。

横の道を辿っていくと上に十字があるキリシタンの墓がありました。

井持浦教会の入り口です。
今年五月に125周年のルルド祭を行ったそうです。

「いらっしゃい」と招いてくださっています。

「1897年建立のレンガ造教会が台風で倒壊し、1988年にコンクリート造の現教会」となったそうです。
1891年、バチカンにルルドの洞窟が再現されたと聞いたペルー神父が五島の信者に呼びかけて、島内の奇岩や珍石を集め、1899年に日本で最初のルルドを作ったそうです。

霊水は本場フランスの奇跡の泉から取り寄せたものを洞窟横の泉水に注ぎ入れたものだそうです。

残念ながら泉は湧いていないみたいです。しかし、右横に水を汲むところがあります。

ここに蛇口があり、水を注ぎ入れます。入れ物を忘れても大丈夫。教会の入り口で聖水入れを売っています。
私は少し飲んで、聖水入れに聖水を入れて持ち帰りました。
時間が経ってから飲むのも何ですので、お風呂に入れて身を清めていますが、いけないかしら?

屋根が瓦屋根になっています。

大瀬崎断崖展望所で東シナ海を見ました。
写真には見えませんが、中央の断崖に白い灯台があります。
灯台まで行けるようですが、往復一時間ぐらいかかるようです。
健脚の方、歩いてみて下さい。
でも、風が強い日に灯台まで行く時は気をつけてくださいね。
灯台は映画「悪人」のロケ地だそうです。

絶景ですが、風が強くて、寒いです。
第二展望台もあるそうですが、気がつきませんでした。
事前に調査しておかなければ…。
次の場所の鬼岳に行く途中の富江は珊瑚加工の名産地だそうです。
五島は明治時代以降サンゴの島として知られているそうです。
血のように赤いサンゴが一番いいものなので、お金のある人は買いましょう。
五島珊瑚資料館にはかわいいワンコがいます。体重が15キロぐらいあるそうで、うちのワンコが三匹いるようなもので、持ちあげようとしましたが、できませんでしたww。
最後の場所は標高315mの鬼岳です。
南伊豆の大室山のような感じです。

ロープウェイはないので、舗装された道を歩いて行きます。

とにかく風が強く、向こうの小高い山の上まで行こうとしましたが、風でさすがの私も飛ばされそうなので、止めました。

展望所がありますが、座るどころではありませんでした。

福江市街地。

かつて噴火した火山だそうです。


鬼岳四季の里という売店がありました。
お茶とかんころ餅をいただきました。
かんころ餅は五島の郷土菓子で、かんころはサツマイモを薄く切って日干ししたもののことで、餅にかんころを混ぜて作ったのがかんころ餅で、今も冬の保存食として各家庭で作られているそうです。

写真はばらもん凧です。
五島民芸のHPにこの凧の謂れが書かれているので、興味のある方はお読み下さい。
手書きの額入りばらもん凧を買って来たので、縁起の良い魔除け凧として、家の玄関に飾ろうと思います。
ホテルに帰り、食事まで時間があるので、福江教会のイルミネーションを観に行きました。

戸が開いているので、中に入ることができました。

教会の横にマリア様像があり、ルルドを模しています。
この教会は下五島地区で信者数が最も多く、市内の教会の中心的な役割を担っているとのことです。
夕食はホテルのイタリアンです。

前菜。魚が新鮮です。
この後、パスタと魚料理と五島牛。

デザートでチョコレートケーキとコーヒーをいただきました。
夫が五つ星を買って来て欲しいと言っていたので、地元のスーパー、エレナ福江店に行ってみることにしました。
エレナは月曜日に10%割引きだそうです。ただし、お土産類は割引きになりません。
五島つばき蒸留所のGOTOGINが評判だそうで、翌日、中通島に行くので、その時に五つ星がなければ買って帰ろうと思います。
この日は一万三千歩ぐらい歩きました。
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