エリック・パール 『リコネクション』2007/06/08

『リコネクション』は、エリック・パールという人が書いた本です。
エリックが生まれる時に、母親は臨死体験をします。
彼は空想癖のある、注意散漫なこどもでした。
幼稚園の園長に母親が困って相談します。
その園長はエリックが問題を起こさなくなるのは、「何かに興味を持った時」だと言います。
そして、自分の息子は大学に行くまでは駄目だったとも。
この言葉の通りに、エリックが自分で学校と専攻課程を選んだのは大学の時でした。

彼はカイロプラクターの学校に行き、カイロプラクターとして開業します。
普通に仕事をしていたのですが、ある日、不思議なことが起こります。
地震を予知できるようになったのです。
それを皮切りに、幽霊を見たり、変な占い師に会い、変なセッションをしたりと、いろいろと変わった経験をします。
そうするうちに、彼の患者たちが変なことを言い始めます。
マッサージ・ベッドの周りを複数の人が歩いていた、そして、何よりも痛みが消えたと。
エリックは別にヒーリングをやろうと思っていたわけではありません。
ところが、何故か彼には人を癒す力が備わったのです。

彼のヒーリング(彼はこの言葉を使うのを好みませんが)は特別なことを何もしないそうです。
石やお香も使わないし、儀式もしないそうです。
ただ手をかざすだけなのです。

彼は医学的アプローチを否定しません。
緊急手当が必要な時や、何を試しても自然治癒が出来ない場合には医学の力を使うことを勧めます。
医学とヒーリングの両方の統合を探っているようです。

私が読んでなるほどと思ったのが、「癒されたくない理由」というところです。
彼は言います。「治るのは病気や欠陥ではなく、その人自身だ」
多発性硬化症の女性が夫と共に、彼のところにやって来ます。
車椅子を使っていたのですが、セッションの終わりに、たどたどしくはあったのですが、自分の足で歩いたのです。
ところが次の日のセッションに、彼女は現れませんでした。
1週間後、やってきた彼女はまた車椅子に座っていました。
彼女と話して分かったことは、彼女が良くなるということは、彼女は夫との強い結びつきを、夫は愛人を持つことに対する言い訳を失ったということなのでした。

リュウマチを患う8人くらいのメンバーのセッションをしたときのことです。
3回セッションを行ったのに、よくなったと報告する人が一人もいなかったのです。
後でわかったのですが、彼らはシリコンの製造会社を相手に集団訴訟をおこしていたのでした。
彼らは良くならない方がいい立場だったのです。

このように人が治らないことを選ぶ理由はたくさんあります。

「治るのは病気や欠陥ではなくて、患者その人なのだ」

重い言葉です。

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