「王妃の紋章」を観る2008/10/05

北京オリンピックは何となく終わりましたね。
あまり興味がないので、チャン・イーモウ演出の開会式と閉会式はみませんでした。
後でいろいろと暴露話がありましたが、映画監督としての彼は才能のある人です。
初期の作品の「赤いコーリャン」や「菊豆」、「紅夢」などはスクリーンで観ました。
その後はだんだんと有名になっていき、金にものを言わせる派手な映画を作るようになってきてから観ていませんでした。
この映画も同僚が貸してくれなければ観なかったでしょう。
中国の歴史はからっきしダメですが、後唐の時代というと923年から936年の13年間しか続かなかったのですね。

国王(チョウ・ユンファ)と王妃(コン・リー)の仲は冷え切っていました。
そのためか、前の王妃の息子である皇太子・元祥(リウ・ウエ)と王妃は不義の関係になっています。
そのことを知った国王は王妃を暗殺するために、医官に命じて、王妃の薬にトリカブトを入れさせます。
自分は病気ではないと思った王妃は、薬に何が入れられているのかを調べさせます。
そして国王の意図を知るのですが、薬を飲むことを止められません。

皇太子・元祥は自ら自分は国王の器ではないと悟り、跡継ぎを他の王子にするようにと国王にお願いしていました。
外地にいた第二王子・元傑(ジェイ・チョウ・写真)は重陽節のために王宮に戻ってきます。
彼は母思いの息子だったため、王が自分を殺すつもりであると知った母親の陰謀に引き込まれていきます。

一方元祥は王妃との不倫関係を止めたいとは思いつつ、医官の娘と付き合っていました。
このことが後で取り返しのつかない不幸を招くことを知らずに…。

絢爛豪華としかいいようのない黄金の王宮のセットとは裏腹に、国王一家の間にあるドロドロとした関係にはすざましいものがあります。
衣装などに使われた金糸などを考えると、相当なお金がかかったことでしょう。
最後の戦闘場面など見事です。
第二王子がいいですね。
もともとは歌手で最後の歌を歌っています。
台湾のアイドルらしいのですが、日本の顔だけが自慢の歌が下手なアイドルと一緒にしてはいけませんね。
私は第二王子の最期の悲しさを思うにつけ、国王の厚かましさに、一瞬王妃のコン・リーの気持ちになり、殺してやりたいと思いました、笑。
一国の王はこうでなければ勤まりませんがね。

こういう映画もありですが、「紅いコーリャン」みたいな映画の方がやっぱり私は好きですわ。